撮れ高不足のウラクロ探し
2014.7.13

 先週は戸井方面にウラクロシジミを探しに行って見事撃沈した。しかも愛車エクストレイルも故障し修理。35000円もかかってしまった。それにも懲りず、今日もウラクロシジミを探しに行くことにした。

 1年生I君は一緒に行く予定だったが急用が入ったのか、急遽参加しないことになり、同じく1年生Mさんは朝が早いのが辛いということで不参加。部長Y君はもちろん参加だ。対馬先生は釣りに行くからと一緒に行動しなかったが、道南虫の会の安井さんが一緒に行くことになっていた。

 朝7時に安井さんが私の自宅に来てくれた。
 「ホームページの活動記録見てるよ!」なんて言って挨拶してくれた。ホームページを見てくれて嬉しかった。

 ウラクロシジミは適当に山に入って会えるような蝶ではないので、私は道南虫の会の前田さんにポイント情報を教えてもらい、安井さんも同じく道南虫の会の方からポイント情報を教えてもらい、それぞれが得た情報をもとにウラクロシジミを探しに行くことにした。知内か福島方面を二人とも教えてもらっていた。

 ただし、私も安井さんもポイント情報を電話で教えてもらったのみの状態。教えてくれる方だって、どうやって伝えようか迷ったと思う。人間の記憶なんてそんなに精密ではないから、○○から何m進んだ後に左折して、更に何メータ進んで、そこには何があって・・・などと、詳細に教えられるはずもない。それでも前田さんは親切にできるだけわかりやすく教えてくれた。

 まずは安井さんが教えてもらった情報をもとに来た場所が下の画像の場所。

ウラクロシジミを探す安井さん

 安井さんが教えてもらった情報をもとに、「ここかなぁ?」と思った場所で降りてとりあえずウラクロシジミがいないかどうか探してみた。が、ウラクロシジミだけではなく、他の蝶すらほとんど飛んでいなかった。ここに来るまでの間、ずっと霧のような状態で天候の心配も強かったが、時々日が差すような感じ。湿度は高い。

 安井さんは一人でウラクロシジミを探すため、我々から少し離れた場所に行った。そこで熊よけのサイレンを鳴らしたところ、なにやらガサガサと逃げていくような音が聞こえたのでクマがいたのかもしれないとビビッていた。

 ウラクロシジミが見られなかったので、次は前田さんが私に教えてくれた場所を見に行くことにした。昨夜の電話で詳しく教えてもらったので、どうやって行くかはメモを取っていた。基準となる場所まで戻り、前田さんの情報をメモに取っていたものを準備してから車を進めた。

すると、「あれ?これさっきと同じ場所じゃん?」

 安井さんが教えてもらった場所と、私が前田さんから教えてもらった場所はどうやら同じ場所だったようだ。

 今はウラクロシジミがあまり見られないんだけど、二人が同じポイントを教えてくれるんだから、ウラクロシジミの生息地としては間違いないんだろう。でも今はウラクロシジミの姿は見られない。

 けっこう念入りに探したが見つけられなかったので、前田さんが教えてくれたもう一つのポイントに向かう事にした。

 最初の場所からそんなに遠くはなかったが、ポイントを見つけるのにはちょっと苦労した。最初に「ここかな?」と思う場所に進んで車を降りてみると、エゾヒメシロチョウの夏型が飛んでいた。カメラを向けて撮影しようとするが、止まったと思ってカメラを向けるがなかなか敏感ですぐに飛んでしまう。見つけられたのはこの1頭だけだったので、追いかけたが、何故か私たちの足元とか、車の下に潜り込む事が多かった。何かの生態なんだろうか??

私たちの足元や、車の下を飛び回るエゾヒメシロチョウ夏型

 ここの場所は手入れのされていない林道で、車が1台進むのがやっと。ちょっと間違った場所だったなかと思い引き返すことにした。

 他にも「ここかな?」と思える場所があったが、林道には鎖がかかっていて入れない。しょうがないので車を止めて歩いて入ることにしたが、林道の入り口にはたくさんのクサフジがあり、エゾヒメシロチョウがたくさん飛んでいた。

 さっき、1頭のエゾヒメシロチョウに時間をかけて撮影を試みたのに、ここではたくさんのエゾヒメシロチョウ。さっき時間をかけたのは何だったんだと思ったが、そんなことは良くあることだ。

 観察していると交尾をしているエゾヒメシロチョウを発見して撮影することが出来た。

交尾するエゾヒメシロチョウ

 この交尾個体だけなのかもしれないが、普段目にする他の蝶の交尾とは形状が違っていた。普段目にする交尾はオスとメスが反対方向を向いているのに、今回見た交尾個体は並んで同じ方向を向いていた。

 交尾していないエゾヒメシロチョウも撮影することが出来た。ちょうどエゾヒメシロチョウの夏型が見たいと思っていたので、これは嬉しかった。

夏型のエゾヒメシロチョウ

 私と部長がエゾヒメシロチョウの撮影をしている間、安井さんは林道の奥を偵察。「ウラクロシジミが生息しているような環境ではない」ということで、他の場所に移動することにした。

 近くに1本の林道があったが、前田さんが教えてくれた場所とは違うようだ、しかし、この辺りであればどこでもウラクロシジミが生息している可能性があるだろうと思い、その林道を進んでみた。

 広く、車が止められるような場所があったので、ここで降りてウラクロシジミ探し。でも、天候もあまり良くなく、蝶の姿も少ない。

 イチモンジチョウが姿を現してくれて撮影るるのが精いっぱいと言う感じで、面白い蝶も全然見られない。

イチモンジチョウ

 林道を進んで、蝶を探していると、ミドリシジミ類が飛んでいるのが見えたので観察。遠くに止まったがなんとか望遠レンズで撮影。いつも見るミドリシジミ類より青っぽく見えたので、もしかしてフジミドリシジミかと思ったがちょっと違うようだった。

青っぽく見えたミドリシジミ類

 湿度が高くで汗が蒸発せず、髪の毛がベチャベチャになってきた。(昨日もそんな状態)

 車に戻るとカワトンボが車のリヤのウイングみたい所に止まっていた。函館付近では多いのかどうかわからないが、今年はやけにカワトンボをよく見る。

カワトンボ

 部長が「これ、ジャガイモにしか見えないのは自分だけでしょうか?」と私に聞いてきた。見ると、じゃがいもの花が咲いていた。
 畑でもなんでもない山奥の林道にジャガイモの花が咲いているなんて。
 
 もしかして以前、誰かが捨てたジャガイモが発芽したんだろうか?1本や2本ではなく、もっとたくさん咲いていた。

ジャガイモ?

 残念ながらウラクロシジミは見られなかった。でも、そんな空振りを繰り返しながら蝶を求めて走り回り、ようやく見つけた時の嬉しさが味わいたくて毎週毎週蝶を求めていろんな山に入るのだ。

 たいした蝶もいなかったので安井さんと色々話す時間も多かった。

 先週ゴイシシジミを撮影したことを言うと、「え、ゴイシシジミいたの?」とか、「アカマダラどっかで見た?」とか言う安井さんを見ていて思ったこと。「安井さん、朝にホームページの活動の記録見てるよ!って言ってくれたけど、本当は見てないでしょ!」

 だって、ゴイシシジミ撮影したことやアカマダラ撮影したこと、活動記録に載ってるもん。そのほかにも、活動記録を見ればわかるような事を色々聞いていた。

 正直に「安井さん、ホームページ見てないよね?朝「見てる」って言ってたけど」というと、安井さんは「いや、見てるよ」とちょっと焦ったように言っていた。それが面白かった。

 もうどうしようもなくなり、一度林道を出て国道に出た。そこで前田さんに連絡をし、ウラクロシジミは見れなかったことと、教えてもらったポイントの確認。すると、どうやら整備されていなくて引き返した林道が前田さんの言う2つ目のポイントのある林道だったらしく、せっかく来てるんだからともう一度行くことにした。しかしやはりウラクロシジミを見つけることは出来なかった。

 今日はウラクロシジミを見れなかったけど、自分としてがっかりするレベル、嬉しいレベルがあるのでちょっと紹介。

 がっかりレベル10ががっかりすぎで、1がうれしすぎ。
 
 10 晴れているのに用事があって山に行けない。

  9 雨が降って山に行けない。

  8 山に行けたが天候が悪くどうしようもない。

  7 山に行けたが天候が悪く少しの蝶しかいない。

  6 山に行けたし天候は良かったけれど目的の蝶もいないし、他に面白い事が無い。

  5 山に行けたし天候が良かったけれど目的の蝶には会えなかった。しかし、他に面白い事があった。

  4 山に行き、目的の蝶を見れたけれど、ろくな写真が撮影できなかった。

  3 山に行き、目的の蝶を思い通り撮影することが出来た。

  2 目的の蝶を撮影し、他にも面白い事があった。

  1 目的の蝶を最高に撮影でき、他に思いがけない蝶にも出会うことが出来た。


 これは目的の蝶に会うための難易度も関係する。

 今日の場合、「5か6」という感じ。ウラクロシジミはいなかったけど、エゾヒメシロチョウとその交尾を撮影できた。
 でも、6月22日のゴマダラチョウ撮影成功は「1」よりも凄かった。(クリティカルヒット!)
 何回か、何十回に1回かわからないけど、そんな「1」の日を求め、これからも山に足を運ぶ。

 そして今回、、たくさんの道南虫の会の方たちのサポートを受けているという事を改めて実感した。

 (昨日と今日で、ダニに1か所ずつやられた)