キタアカシジミ撮影出来ず
2014.7.5

 北海道に生息する全種の蝶を撮影する目標を持ったのが2000年か2001年頃、残り10種強になったところで帯広から函館に転勤になった。まだ撮影していない蝶の中には道東にいたほうが撮影できる可能性が高いものもあれば、道南にいたほうが撮影できそうな種類もあるが、今日目標にしたキタアカシジミも道東にいた方が可能性が高いと思っていた。しかし、森町近辺でキタアカシジミが見られる場所があると聞き、部長と二人で出かけることにした。1年生部員は水、木、金と宿泊研修だったためこの土日は静養するという事だった。

 7時半に部長宅に迎えに行き、森町のポイントへ。しかし、天候はどんよりとした曇り空。午後3時くらいから晴れるという予報だったが、本当にこのあと晴れるのか?というような天候だった。

 ポイントに到着しても天候は変わらず、蝶の姿がほとんど見れない。聞いたポイントは地域こそわかっていたが、ピンポイントではわからない。とりあえず、付近のカシワを探して移動した。(キタアカシジミの食樹がカシワ)

 この辺にいるんじゃないかと思いながら歩くが、キタアカシジミどころか蝶の姿が見えず、代わりに見つけたのがアカアシクワガタだった。

アカアシクワガタの♀

 また、スジクワガタのオスも見つけた。北海道ではミヤマクワガタやノコギリクワガタの方が良く見つかるので、スジクワガタはちょっと珍しいような気がした。この他にも大きなミヤマクワガタの♀がいた。


スジクワガタオス

 キタアカシジミを求めてしばらく走り回ったが、ろくな蝶すら見つからず、面白くないのでこの場所を諦めて他の場所に移動し、何か面白いものは無いか探すことにした。

 鳥崎という地域に向かおうかという事になったが、途中、戊辰戦争で旧幕府軍の榎本武揚らが北海道に上陸した地点というのがあるので、そこを見学することにした。

 戊辰戦争では榎本らが船に乗って森町の鷲の木という地域に上陸した。函館は開港などにより防備が強化されていることからこの地を上陸ポイントに選んだらしい。



 ここではヒメウラナミジャノメやモンキチョウなどの蝶を見ることが出来た。

 更に鷲の木遺跡(縄文時代のストーンサークル)がある場所にも行ってみたが、一般に公開されていなかった。クジャクチョウなどを見ることが出来た。

 そして目的地だった鳥崎へ。やはり天候が悪くろくな蝶が飛んでいなかったのに加え、林道に入る前に行き止まりになっていたため、ちょっと歩いて引き返すことにした。

鳥崎にあるダム

 キャンプ場のようなところがあり、いかにも蛇が出そうでちょっとビビりながら歩いていたら、トイレの建物の所にこの看板が。もう戦意喪失・・・。

まむし注意の看板

 鳥崎から引き返し、最後に部長が春に来たことがあるという林道に入ることにした。今日は天候が悪いので、それほど期待していなかったが、今日のメインディッシュはこの林道になった。

 林道の入り口あたりの草原ポイントで、アカマダラの夏型やクジャクチョウの綺麗な個体などを見ることが出来た。

アカマダラ夏型


ヒメシジミ

 更に林道を進んですぐの草原には、いろんな種類の蝶が飛んでいてちょっと嬉しくなった。中でもとても綺麗な姿を見せてくれたのがカバイロシジミの♀。黒地に青っぽい色だけでなく、羽化して間もないのか、翅の縁の白い色(毛なんだけど)が凄く綺麗。モデルになってくれたのでたくさん撮影できた。

カバイロシジミの♀

 何か種類がわからないヒョウモンがいたので撮影した。でもこれだけじゃ種類が判別できないと思い、網を持っている部長に「採集してくれ」と頼んで捕まえてもらった。

何かわからないヒョウモン

 網に入れた上の画像の蝶を確認してみると、ウラギンヒョウモンであることがわかったのだが、ちょっとよく見てみると、なんだか裏面の銀色の模様がいつもより大きいなと感じた。同じ蝶が他にも何頭も飛んでいたので、部長に頼んで何頭か採集してもらって比較したが、やはり銀色の部分が大きいように感じた。もしかして異常型なのかと思い持ち帰ることにした。ただ、部長が比較のために採集したものは全部♂だったため、このメスが異常に銀色の部分が大きいのか、メスはもともとこんな感じなのか、よくわからなかった。

銀色の模様が大きい?ウラギンヒョウモン

 部長は比較のために採集したオスと比較しながら「これ、本当に同じ種類なんですか?」と2回くらい私に聞いていた。

 この草原には他にフタスジチョウなんかもいて、部長は「初めて見た!」と嬉しそうだった。

 林道をさらに奥に進み、ちょっと森が開けて蝶がたくさんいそうな場所に車を止めて付近を歩いてみることにした。

 いかにもクワガタがいそうなミズナラがあり「クワガタいるんじゃね?」と部長に言いながら木を見ていると、部長が「目の前にいるじゃないですか!」と言った。

 「ん?」と思って木を見てみたら、本当に目の前に大きなミヤマクワガタがいた。目の前にいたのに見つけられなかった。随分目が悪くなっているんだなと感じた。

目の前にいた大きなミヤマクワガタ(オスの下にはメスも)

 こんなに大きなミヤマクワガタは久しぶりに見た。大きさを比較するため、部長の手の上に乗せて撮影してみた。

部長の手の上に乗せたミヤマクワガタのオス
帰宅後測ったら7cm位だった

 更にこの付近では種類はわからないけどミドリシジミ類のオスが2頭、縄張り争いをして飛んでいた。緑に光るチラチラがとても綺麗で、もうこういう種類の蝶が見られる季節になったんだなと思った。ミドリシジミ類などの総称をよく「ゼフ」と言う。なんとかこのゼフを撮影したかったけど、残念ながら近くで撮影することが出来なかった。なので種類も分からずじまい。でも仮に近くで撮影したとしてもわからなかったと思うけど。

 なんとかゼフを撮影したくてしばらく粘ってみたがダメだった。残念!

遠くの葉っぱに止まるゼフ

 この時でだいたい3時位になっていたが、ちょうど3時くらいから晴れ間が出てくるようになった。朝の天気予報がばっちり当たっていると思ったが、函館の方では完全に晴れになっていたらしい。

 ゼフを諦めきれずにいたが、ちょっとだけ歩いてみることにした。すると、遠くで種類がわからないシジミのような蝶が飛んでいることに気付いた。「何だ?」と思いながら、遠くに止まった蝶を望遠レンズで撮影してカメラの画像で確認すると、どうやらゴイシシジミのようだった。道東ではなかなか見ることが出来ない種類の蝶だ。

 「ゴイシシジミだ!」と言って、その遠くに止まった蝶がこっちに来ないかなと思っていたが、部長が「いっぱい飛んでますよ」と言った。良く見てみると、多数のゴイシシジミがそこら辺を飛んでいて、森の開けた小さい区域に10頭以上はゴイシシジミが飛んでいた。こういう感じで多数のゴイシシジミが飛んでいるのは初めて見た。数年前に写真撮影をしたことはあるが、たいした写真ではなく、きちんと撮影したいと思ったので、ここからしばらくゴイシシジミ撮影会になった。すぐ目の前に止まっているゴイシシジミを部長が発見して教えてくれたので、マクロレンズで撮影しまくり!ところが部長は網しか持って来ていかなったので、「車に戻ってカメラを持ってきた方がいいぞ」と言い、部長がカメラを持ってくるのを待っていたが、戻ってくる直前でこの目の前にいるゴイシシジミには飛ばれてしまった。

 せっかく部長が発見した撮影条件の良いゴイシシジミが飛んでしまったので、なんとか部長に撮影してもらおうと、他に飛んでいるゴイシシジミを観察しながら近くに止まったところを見つけては「お、止まったぞ!」などと言いながら部長にも撮影してもらった。

ゴイシシジミ

 それにしても本当にたくさんのゴイシシジミが飛んでいてびっくりした。

 ゼフのいた場所に戻ったが、もうミドリシジミ類を見ることは出来なかった。そして、時間も3時半過ぎになってきたので戻ることにした。戻る途中、またさっきウラギンヒョウモンやカバイロシジミが見られた草原で止まり、ウラギンヒョウモンを網に入れて模様の確認などをした。

ウラギンヒョウモンを採集しようとしている部長

 残念ながらキタアカシジミには会うことが出来なかった。しかし、今日は多くの種類の蝶に出会うことが出来た。部長も「初めて見た」という蝶が何種類もあったので、それはそれで良かったと思う。実際、特に午後位からはとても楽しかった。