山菜取り・手のひらでダンゴ虫を転がす女
2014.5.17

 本日は、天候の状態や色々な諸事情を含めて勘案し、北斗市在住の私を含めた4人と対馬先生で中野ダム奥の林道で山菜取りなどをする事となった。

 対馬先生は遅れて到着するという予定で、我々北斗市組の4人は先に中野ダムに到着して付近を散策することにした。
 到着時の天気は曇りだったが、空には青空も見える。しかし猛烈に風が強い。気温も10度ちょっとと低い。
 風が吹く方向や山との位置関係によって時々止んだり猛烈になったりしていた。

 中野ダムの堤体付近に車を止めて、来た道を降りるような感じで歩いてみたが、何もいない。ただプラプラ歩いているだけの感じ。実は今日は天候もあまり良くなく、風も強いという予報だったのでそれほど期待できないと思っていたのだが、個人的にスジグロシロチョウ関係の写真を撮りたいと思っていた。スジグロシロチョウとかエゾスジグロシロチョウとか、ヤマトスジグロシロチョウとか言われているけど、自分は全然見分けが付かないので、それを勉強するためにスジグロシロチョウ関係の写真が撮りたかったし、ちょっと天候の条件が悪くてもスジグロシロチョウあたりならなんとか飛んでいるかなと思っていた。しかし、蝶の姿は全く見えず。目の前に白い蛾が落ちてきた。

風で飛ばされて木から落ちてきた小さい蛾(名前わからない)

 何も見られないのでしょうがないから部長でも撮影しようかと思ったら、部長も私に向かってカメラを構えていた。お互いやることが無いと同じ事考えるんだね。

お互いを撮りあう。横にいるのは1年生のMさん

 プラプラ歩きながらダムの堤体下の公園まで来てしまった。ちょうど対馬先生から連絡が入り「あと12分で到着」とのこと。車はダムの堤体に置いてきているから取りに戻る時間は無かった。

 対馬先生と合流し車に乗り込み、私の車の所まで行って、私の車の位置をちょっと移動させた。今日は対馬先生の車で山菜取りに行く予定になっていたが、まずは中野ダム奥の林道にある、白沼と言う所に向かった。

 白沼と言うのがあることは知っていたが、記憶にはない。多分来たことが無いんだと思う。林道をだいぶ走り、白沼の所で車を止めてちょっとだけ歩いて白沼に向かった。腐れかけた小さい橋があり、1年生のI君が見事に木の板をぶち抜いてしまった。足がズボッとなって下の水に浸かり、靴がビチョビチョになっていた。I君まじめでひた向きなんだけど、どうもおっちょこちょいな部分があるようだ。この前も自転車の鍵を無くして心配したけど私のアパートの所に落ちていたし。投げ釣りをしようとすると仕掛けを吹っ飛ばすし。

 そう言えばおとついの釣りの話。みんなで解散した後やっぱりI君は自分だけで上磯漁港に釣りに出かけたらしい。竿を6本持って行って、2時間か2時間半でカレイ8枚、ハゼ8匹釣ったんだって!カレイの大きいのは35cmもあったらしい。家族の夜ご飯のおかずを見事にゲットしたようだ。すごい!!

 

I君がぶち抜いた板

ちょうどI君がぶち抜いてしまった板でできた小さな橋の所には見事なコケが生えていた。とても綺麗だった。

コケの絨毯

 そこからすぐ、白沼到着。車から徒歩で1分。透明度の高い小さな沼があった。沼の中のどっかから水がわいているようだ。霊場のようになっていて、お賽銭を入れるものがあったりした。お賽銭を入れるものは壊れていて、簡単に盗めるような感じになっていて、430円入っていた。当然盗まなかったけど。

白沼

 白沼を観光した後、今度は赤沼と言う所に向かうのだが、その前に山菜取りをすることにした。タラの芽やウドが狙いだ。
 私はこれまで何度も山に来たことがあるが、山菜取りはほとんどしたことがない。ウドなんて一体どれなのかさっぱりわからない。タラの芽だって、似ている奴があったら区別がつかない。

 対馬先生にウドを探すコツを教えてもらったのだが、なかなか見つからず、逆に部員たちの方が手際よく見つけて山菜を採っている。しょうがないので、部員達に山菜を採ってもらった。

山菜を探す対馬先生、部長、I君
気温が一桁に下がっているのにI君は半袖。野生児だ

 山菜を採った後は赤沼と言う所に移動した。ここは私が高校1年生の時に生物部の部員として訪れたことのある場所。その後、2回くらい来たことがある。

 白蛇を祀っている祠?みたいのがあったはずなんだけど、年月が流れぶっ壊れてしまったらしい。お地蔵さんのようなものがあった。これは夜来たら怖そうだ。

 赤沼は白沼より5倍〜10倍位大きな沼で、透明度は白沼と同じく高い。ただ、水面に何かが浮いていて、半分以上は隠れており、水の透明さがわかるのはちょびっとの部分だけだった。

赤沼

 赤沼観光をした後、また山菜採り。今度もウドとタラの芽をほとんど部員達に採ってもらった。
 ちなみにMさんは山菜が嫌い。食べるのが嫌いでも、家族に持っていったら?と言ったが、自分が美味しく食べられないものを採ってもしょうがないというような事を言われた。
 それなら自分たちが山菜採りをしている間、全然面白くないのかなと思って心配したが、そんなことはなく、けっこう楽しんでいると言ってくれたのでちょっと安心した。

 ウドとタラの芽を採って、その後対馬先生はフキも欲しいらしく、フキが採れる場所へ移動した。山に入ればフキなんていくらでもあるし、なんでわざわざフキを採るために移動するのかなと思ったが、やはり良質なフキが採れるような場所があるのだろうか?これは初めて知ったことだが、フキは3本生えていて、みんなは一番真ん中のを採りたがるけど、実は脇に生えている2本の方が美味しいらしい。

 フキを採ったりしているときに部員たちは林道で色々観察。スジグロシロチョウかエゾスジグロシロチョウかわからないけど飛んでいるのを見ることが出来たが、私は撮影できなかった。

 フキを採り終え林道を戻りいったん解散。みんな対馬先生の車から私の車に乗り換えた。対馬先生は帰宅。私たちもこのまま帰ってもいいが、私は生物部の活動としてはちょっと物足りないと感じていて、それに私自身の目標であるエゾスジグロシロチョウなどの撮影に未練が残っていたので、もう少し活動しようという事を部員達に提案し了承された。

 それで、以前エゾヒメシロチョウかヒメシロチョウかわからない蝶を撮影した北斗市の林道に行くことにした。
 北斗市の林道に到着して車を降りた。そこはもうエゾ?ヒメシロチョウのポイントである。
 先週、どっちかわからないエゾ?ヒメシロチョウを撮影した後、対馬先生や、道南虫の会のKさんがここに確認に来て、多分エゾヒメシロチョウしかいないのではないか?と話していたので、もう一度撮影して確認したかったが、残念ながら飛んでいなかった。
 しかし、お目当てのエゾ?スジグロシロチョウはすぐに見つかった。

 エゾスジグロシロチョウ、ヤマトスジグロシロチョウ、ただのスジグロシロチョウなど、見分けが難しい蝶。

 北海道にはもともと、エゾスジグロシロチョウとスジグロシロチョウがいると考えられてきたが、エゾスジグロシロチョウには2種類あって、北海道の石狩あたりより北東側に生息しているのがエゾスジグロシロチョウで、それより南側に生息している、これまでエゾスジグロシロチョウと思われていた蝶は実はヤマトスジグロシロチョウという別の種類であるという研究発表が出された。しかし、ヤマトスジグロシロチョウとエゾスジグロシロチョウに分けたのはいいが、やっぱり別の種類ではないという研究発表も出された。もうゴチャゴチャである。

 そんな事は個人的にどうでもいいのだが、エゾ(ヤマト)スジグロシロチョウとただのスジグロシロチョウの見分け方として、肩脈の違いで簡単に判断できるとインターネットに複数書かれているのを見つけた。

 要するに後翅の付け根の黄色い部分にある肩脈がはっきり見えているのがスジグロシロチョウであり、はっきり見えていないのがエゾ(ヤマト)スジグロシロチョウであるというのだ。

 これがわかれば簡単に判別できると思い、実際に撮影してみたかったのだ。

 そしてまず撮影した写真が下の画像。赤く囲われている部分に肩脈がある。

こいつは肩脈があまり見えないのでエゾ(ヤマト)スジグロシロチョウ??


 とりあえずタンポポに来たエゾ(ヤマト)スジグロシロチョウかスジグロシロチョウかわからないやつを撮影した。確認してみると肩脈があまり見えないのでエゾ(ヤマト)スジグロシロチョウなのかな?と思った。

 次に、飛んでいたものを部長が捕獲し、そいつの肩脈を撮影してみた。下の画像の赤丸で囲まれた部分の肩脈は上の画像に比べてはっきりしているように見える。なのでこれはただのスジグロシロチョウなのかな?と思った。

肩脈が比較的はっきり見えているので、ただのスジグロシロチョウ??

 そうは言ってもあまり自信はない。なのでとりあえず写真だけ撮影しておくことにした。

 ※自宅に戻ってから道南虫の会掲示板にこの肩脈の事を質問してみたが、やはり肩脈だけではなく、その他の部分も勘案しないと正確な同定は出来ないという返信があった。やっぱり肩脈だけじゃダメなのか。がっかり。

 シロチョウの撮影は出来たのだが、他にはあまり蝶の姿も面白い生き物も見つからない。フラフラしばらく歩きながら散策したが、Mさんがダンゴ虫を見つけた。

 実は私はワラジムシ、ダンゴムシ、ムカデやゲジゲジのような足のたくさんありすぎる生き物が苦手である。

 Mさんが見つけたダンゴ虫をみて「うわっ、気持ちわるっ!」と言って逃げ出した私を見て、Mさんが私を見る目つきが変わったように感じた。ちょっと悪戯心に着火してしまったようである。

 Mさんに「絶対持ってくるなよ!」と言ったのだが、そうやってビビッている私を見てMさんはどんどん悪戯っ娘っぽい顔つきに変わってきた。これはやばい。

ダンゴ虫を見ながら何やら話している部員
何かいたずらをたくらんでいるのだろうか?

 林道をある程度歩いたが、他に面白そうなものもないし、引き返すことにした。引き返す所で岩場に綺麗な花が咲いていた。何かわからないけど。

綺麗な花


 引き返す途中、部員たちの目線はどうも地面に行っているようだ。なんか怪しい。

 やっぱりダンゴ虫を探している・・・。

 ダンゴ虫を見つけたMさんは「あっいた!!」と立ち止まりダンゴ虫を掴み手のひらの上で丸くして転がしながら私の方に近づいてくる。ニヤニヤしている・・・。
 「やめろー」と私は逃げる。本気で気持ち悪い。

 生物部の顧問としてダンゴ虫が気持ち悪くて見るのも嫌なんて失格だなと思った。

 更に部長なんかは地面にいたダンゴ虫を人差し指で弾いた。私の方に向けて。
 私は「うわぁ〜っ!」と悲鳴を上げて走って逃げた。自分でもこんな悲鳴をあげるなんて驚いた。部員たちはそんな私を見て大爆笑している。チキショー!!

 私はこのままではいけないと思い、ダンゴムシと友達になりたいと思った。ダンゴ虫を可愛いと思える日は来るのだろうか。

 それにしてもダンゴ虫を手のひらで転がしながら私の方を見るMさん。夢に出てきそうである・・・。

 そんな感じで林道を戻るときはダンゴ虫の恐怖と戦っていた。ようやく車に戻り今日の活動は終了した。

 夕食にタラの芽とウドの天ぷらを作ってもらった。思ったよりもずっと美味しかった。