函館山で部員全員集合!
2014.4.27

 今年度の生物部、自分が函館に転勤になって生物部の顧問になり、新入生が二人入部して4人になった。校内では顧問二人と部員四人の六人が揃うことはあったが、野外活動で全員が揃うのは今日が初めて。なんかちょっと嬉しい。

 今日は函館山に来ることになっていた。対馬先生が函館山のふれあいセンターで30分程度の講演会をするので、それ以前に函館山に集合して散策や動植物の観察をし、時間になったら他のお客さんと一緒に対馬先生の講演を聞くという予定。

 ふれあいセンターには8:45頃に集合することになっていた。

 時間になり部員と私は集合完了、対馬先生は講演会の資料等の準備が必要なためここでは合流しない。

 今日、函館山では旧登山道を歩きながらスタンプラリーをするというイベントがあるため、かなりの登山客が来ていた。小さい子供連れの家族が多い。

 とりあえず自分たちも旧登山道を進んでみることとし、ふれあいセンターを出発した。10:30頃までには戻る予定。

部員4人で旧登山道を出発(右の二人は違います)

 散策路をプラプラ歩きながら花の写真などを撮影。春の花であるキクサギイチゲ、カタクリ、キバナノアマナ、エゾエンゴサクなどが綺麗に咲いているのを見ながら山を登って行った。

花なのか何なのか?咲いたまま枯れているようなものもあった

 函館山には杉が生えている。けっこう大木なのだが、どうやらこれは昔誰かが植えたようで、もともと自生しているものではないと書いてあった。

杉が生えている横を歩く部員たち
一番左が副部長I君(背が高い)
左から二人目が部長のY君
左から三人目が新入部員Mさん
一番右が新入部員のI君

 気温が20度位で暖かく、風もなく天気も良い。しかし、蝶の姿が全然見られない。シロチョウがけっこう飛んでいると予想していたので意外だった。しかし、コツバメが1頭飛んでいるのを発見し、みんなで撮影した。

春の蝶コツバメ

 部長と新入部員I君と私はデジカメ持参で撮影、Mさんは私の補虫網を持って、万が一アサギマダラが現れたら採集する。そして背の高い副部長I君はただ一緒に歩いているだけ。でも背の高い副部長はスキップして登ったり、ちょっと変な行動をしてみんなを笑わせている。生物部のムードメーカーだ。

 登山している人やハイキングの人たちと挨拶しながらすれ違うが、子供が多く、Mさんが持っている大きな補虫網に興味津々。
 大人の人にも「何を採ってるの?」なんて聞かれた。

木の葉はまだ見られない

 いろいろな植物が咲いている中、スミレも咲いていた。スミレにはいろんな種類があるが、何スミレかわからない。これから勉強しないと。

スミレ

 対馬先生の話によると、登山道をしばらく歩いたところの石垣に、リスやヤチネズミが現れるという事だった。しかし、登山道にはたくさんの石垣があって、どれの事を言っていたのかわからない。この石垣は登山道を整備するためにかなり昔に作られたようだ。

 5合目付近まで登ったところで小休憩をすることにした。とても疲れたわけではないが、私がちょっと疲れたので。設置してあるベンチに座ると、そのすぐ後ろにある石垣からひょっこりリスが顔を出してくれた。部長、新入部員I君、私で撮影していたが、一般のお客さんたちも撮影していた。案外人なれしているのか、あまり逃げることもなくモデルになってくれた。

石垣から顔を出したシマリス

一般の人も混じってリスを撮影

 キクサギイチゲとエゾエンゴサクが咲き乱れていて綺麗な場所もあったり、エンレイソウも咲いていてとても綺麗な中、みんなで歩きながら登った。

エゾエンゴサク


白いエゾエンゴサク

 ニリンソウが咲いている場所もあって撮影したが、普段見ているニリンソウとちょっと違うような気がして最初ニリンソウとわからなかった。

ニリンソウ
 
 9:50頃まで登ったが、講演会を聞くためにそろそろ戻った方がいいと思い、登山道の途中だったが引き返すことにした。

 ふれあいセンターの所まで戻り、コジマエンレイソウという珍しいらしいエンレイソウを撮影した。この種類の花がこれだけ標高の低いところにあるのは函館山だけだと、登っている途中にオバサンに教えてもらっていた。でもオバサンは「まだ咲いていない」と言っていたのだが、部長がふれあいセンターの所で撮影したというので、どの花か部長に教えてもらった。

コジマエンレイソウ

 ふれあいセンターまで戻ったところで副部長は一目散に自動販売機へ。ここまで自宅から自転車でやってきて、そのまますぐに登山したのでよほど喉が渇いていたようだ。500mlのコーラを買っていたのだが、数分後に見てみるとほとんど飲み干していた。もう一本買ったら??

コーラを買う副部長

 ふれあいセンターにはすでに対馬先生も到着しており、講演のための準備を整えていた。持参した蝶の標本も並べてあった。

外国産の蝶の標本


北海道の蝶の標本


アサギマダラ関連で新聞に載った過去の記事の切り抜きなど

 講演会は11時からだったので少し時間があり、近場で蝶の採集にチャレンジすることにした。標本を作ってみたいという新入部員I君のため、練習台になるシロチョウを採集したかったのだが、残念ながらシロチョウは見つけることが出来なかった。ここで採集できたのはルリシジミのオスとメス1頭ずつ。採集はしたがシジミなので標本作りの練習台には適さない。対馬先生がルリシジミの特徴などについて部員に説明した後、逃がした。

蝶を探す部員たちと対馬先生

 ほとんど蝶の姿は見られず、ふれあいセンターに戻ることにしたが、部長が桜の木の根元付近で咲いている一輪を発見した。木の枝のつぼみはまだ開花していなかったが、この一輪だけ咲いていた。

撮影試みる部長


上の写真の桜の花のアップ

 11時が近くなり、講演会の直前、ここまでお客さんは誰一人いなかったのだが、徐々に増えてきた。そして11時ちょうどから道南のアサギマダラについての講演会が始まった。この講演会で興味を持つ人が出てきてくれれば、今後アサギマダラを見つけた時に連絡をくれたり協力してくれるかもしれない。こういう人たちの地道な協力が道南におけるアサギマダラの生態研究にはとても重要だと思う。
 昆虫が大好きな少年や、アサギマダラに興味を持っていた親子など、面白そうにアサギマダラの話に耳を傾けていた。

講演をする対馬先生

 講演会は予定通り30分調度で終了した。今回の対馬先生の話は特に新入部員二人にも聞いてもらい、アサギマダラについて勉強したり興味を持ってもらえれば嬉しいんだけど、きっとこれまで知らなかった蝶の話を聞いて知識を深めてくれたと思う。

 対馬先生の講演会が終了して今日の活動は終了。最初の散策の時にもう少し蝶の姿を見たかったが、その点は少し残念。しかし、蝶の数が増えてくるのはこれからなので、GW前までの活動はウォーミングアップって感じである。
 蝶の標本を作ってみたいという新入部員のI君、トンボに会いたいという新入部員のMさん。蝶だけでなく昆虫全般の知識が豊富な部長、面白い行動をしてみんなを笑わせる副部長。これからの本格的なシーズンが楽しみである。