新入部員初出動!(ギョウジャニンニクリベンジ)
2014.4.19

 生物部に新入部員が入った。一人だけ・・・。
 その新入部員はなんと女の子!これにはちょっとびっくり。でもトンボが好きらしく、蝶の幼虫(イモムシ)も可愛いと言う事で、とても期待のできる新入部員である。Mさんと書かせてもらう。

 そもそも、虫が好きな女の子なんてかなり珍しいと思ったが、よく考えてみると昨年度、帯広の環境交流会というのがあり、そこで昆虫に関する講演会があった。そこで講師としていろいろな昆虫の事を話していたのも若い女性だった。多分、学芸員か何かの人だと思うが、虫好きの女性なんていないと先入観で私が思っていただけかもしれない。

 とにかく生物部としては大歓迎で、これから3年間、色々な生物と関わりを持って楽しんでほしい。

 今日はその新入部員Mさん、部長のY君、対馬先生と私で、先週思ったほど採れなかったギョウジャニンニクのリベンジに行くことにした。新入部員Mさんにとっては生物部で初めての野外活動である。

 朝7時半過ぎに家を出て部長とMさんを迎えに行き、そのまま対馬先生宅へ。今日は対馬先生の車で行くことになっていた。

 まず向かったのは蛾眉野という地区。残雪がまだ少し残っていて肌寒い。気温が7度位しかないのだ。でも天気は良くて風が吹かないと暖かくも感じられる。

 車を降りて林道を少し歩きながら川沿いのギョウジャニンニクを探した。

林道を歩いているところ。
手前の女の子が新入部員Mさん、左側が部長、Mさんの奥が対馬先生

 先週と違い、ギョウジャニンニクはすぐに見つかった。けっこうたくさん生えている。茎も先週に比べて太くみんなで採集しながら沢沿いを歩いた。

ギョウジャニンニク

 新入部員Mさんは、こういう山に入るのは初めてだったらしく、「楽しんでもらえるかな?」とちょっと不安だったが、対馬先生からギョウジャニンニクがどれか教えてもらい、ビニール袋に入れていた。

ギョウジャニンニクを探すMさん

 ギョウジャニンニクはちょこちょこ生えているので、先週よりも楽しい。それぞれ近くでギョウジャニンニクを探していると、対馬先生が「シカの死骸があるから見に来い」というのでみんなで見に行った。シカの骨と毛が散乱していた。

 これは昨年、雪が積もる前にクマにやられたものではないかと考えたが、私がオスかメスか確かめるため頭蓋骨の所を見てみると、角が切られた跡があった。なので、これはハンターに撃たれたシカの死骸ではないかと言ったが、もしかしたらクマにやられて死んだシカの角を誰かが切って持って行ったのかもしれない。真相はわからなかった。

シカの骨と散乱する毛

角が切られた跡

 まずまずギョウジャニンニクも採れたのだが、先週最初に行った場所にもう一度行ってみることにした。1週間で更にギョウジャニンニクが生えてきているかもしれないと思って。

残雪の川を渡る

 その場所に向かう途中、鉄山の林道に入った。この林道は私が高校生の頃、かなり多く通った場所である。すごく懐かしかった。昨年この林道でアサギマダラの幼虫だか蛹が見つかったと教えてもらった。
 林道を走りながらギョウジャニンニクも探したが、見つからなかった。(ギョウジャニンニクがありそうな場所には必ず先客がいるようだった)

 その林道を抜けて先週のポイントに向かう途中、函館山が綺麗に見えた。

函館山

 先週来たポイントに到着し、ギョウジャニンニクを探すことにした。パッと見ただけでたくさんのギョウジャニンニクが生えていて、1週間でこんなに違うんだなと感じた。

ギョウジャニンニクのポイントに向かう部員たち

 先週との違いはギョウジャニンニクの数だけではなく、キクサギイチゲやフクジュソウ、カタクリの花もたくさん咲いていた。カタクリは蕾のもののほうが多かったけど。

紫のキクサギイチゲ

 私は川沿いを重点的に歩き、ギョウジャニンニクを採集した。根こそぎ採ればかなりの数になりそうだったが、これだけたくさん生えていると茎の太いやつを採りたくなって、茎が細いやつは採集しなかった。

 また、対馬先生がギョウジャニンニクの群落を見つけ、みんなで採集した。頑張ればまだまだ採れたと思うけど、今日は満足いくだけ採ることができた。

ギョウジャニンニクの群落

 みんな満足いくだけギョウジャニンニクを採集し、花の写真などを撮影しながら戻ることにした。

カタクリの花

 この沢に流れる川にはニホンザリガニがいると対馬先生が言っていたので探してもらうと、いとも簡単に見つけることができた。絶滅危惧U類に指定されているが、かなりの数が生息していそうだ。

ニホンザリガニ

 今日は袋いっぱいのギョウジャニンニクを採ることができた。新入部員Mさんの初野外活動、春の花がたくさん咲いておりニホンザリガニも見ることができた。蝶の姿は残念ながら見ることができなかったが、内容の濃いものとなった。
 初夏になると林道から草をかき分けて中に入るという事はほとんどなくなるが、帰りにMさんが「楽しかった」と言ってくれていたのでほっとした。