ウソのようなホントの話

Vol.10 自殺霊に取り憑かれていた父
 ここ数年、父の言動や表情に違和感を覚えていました。定年退職して、さあこれから自由を謳歌するぞという安定期に入ったのにも関わらず、何処か気持ちがイライラしており、酷い折は鬼のような形相になっていました。身近にいる母も流石に恐怖心を抱いたようで、今までの父とは別人のようだと思っていたそうです。無事で何よりでしたが、昨夏には近くの神社で車を大破させてしまう事故にも遭っていました。「もしかして何かに祟られているのかもしれないなぁ…これは困ったぞ」と思っていた矢先、職場の方から“霊視の出来る凄腕の占い師”の話を聞いたものですから、それなら一度会わせて頂いた方が良いと判断し、急いで電話で予約を取って相談に行きました。職場の方の話だと、なかなか電話が繋がり難いとの事でしたので、今から思えばスムーズに予約が取れたのも不思議と言えば不思議です。

 その占い師は、住吉大社の近くにあるマンションで鑑定されているのですが、職場の方が言うには、自分自身に霊が取り憑いている場合は、霊が除霊されるのを嫌う為に、わざと
目的地に辿り着けないように仕向けるのだそうです。内心ドキドキしながら、頂いた地図を片手にマンションを探します。すると、あれよあれよと目的地に辿り着いたではありませんか。道に迷う可能性を考慮に入れて、予約の時間よりも30分も早く着いてしまいましたので、住吉大社を歩いて時間の経過を待ちました。この時点で、とりあえず自分には霊が憑いていないのだろうと自分を満足させていました。ちなみに職場の方は、道に迷った挙句、通行人に尋ねても「知りません」との返事ばかりで、ようやく予約の時間を超過して到着したとのことでした。言うまでもなく、鑑定後は除霊して貰ったそうです…。

 予約の時間が近づいたので、マンションへと向かって部屋のドアを叩きます。すると中から、物腰が柔らかで仏様のような笑みを浮かべる女性が現れ、手招きしながら「どうぞ」と案内してくれました。紛れもなく、その方が霊視のできる占い師だったのです。以後、親しみを込めて占い師の方を“お母さん先生”と呼ばせて頂きます。60分と時間に限りがある為、早速用件を伝えると、父の名前と生年月日が必要だとの事でした。お母さん先生が父の名前と生年月日を紙に書き出すと、目を瞑って霊視を開始して下さいました。沈黙すること、約1分…お母さん先生が語り始めます。「お父さん、深夜3〜4時にふと目が覚めたりしていない?」と聞かれ、思わずゾクッとしました。その通り、最近の父は
決まって当該時刻に目を覚ましてしまう事象に悩まされていたのです。更に、お母さん先生の霊視は続きます。「たまに物凄く怖い顔するでしょ?それね、お父さん本人の気持ちじゃないの。お父さんに取り憑いた自殺霊がさせてるのよ」―この時点で、すでに半信半疑の小生は居なくなっていました。

 お母さん先生が実践されている“宿曜占術”においては、父の運気は上がっている筈とのことでした。しかし、自殺霊が取り憑いてしまった影響により、体の自由を奪われる悪循環に陥っていたのだそうです。「これは除霊しないといけないわ」と仰りながら、お母さん先生が小生の背中に片手を置き、数珠を握りながら除霊して頂くことになりました。お母さん先生が呪文を唱えてくれている間、父を救いたいという小生意気な気持ちが顔を覗かせたのでしょうか、勝手に涙が流れてきます。特に悲しくもないのに、ジワジワと潤んでくるのです。何とも不思議な体験でした。父の除霊以外にも、お母さん先生からいろいろと人生に関する有難い話を聞かせて頂き、あっという間に時間は過ぎ去っていきました。「これでお父さんも少しは楽になると思うから」―家に辿り着くと、どこか懐かしくて、何とも温和な表情を浮かべた父の姿がありました。今までの父の姿が嘘のようです。除霊して頂いてから数日経ちましたが、朝までぐっすりと熟睡できている父を見て「本当に霊視して頂いて良かった」と思います。

Vol.09 いつの間にか姿を消したおばあちゃん
 数年前に母が体験した話。それは、買い物の為に家を出た時のことでした。ある日、マンションB1階のエントランスで、80歳前後のおばあちゃんが何やら困った表情で声をかけてきたそうです。割と小ぶりで愛嬌のある、若い時はお嬢様系でたいそうモテたのではないかといった感じのおばあちゃん。「すみません、○○駅に向かいたいのですが、どちらにあるのか教えて頂けませんでしょうか」。○○駅とは、現在地から約3分ほどで到着できる最寄駅のこと。母が身振り手振りをしながら案内したところ、「ありがとうございます」と丁寧にお辞儀をしてその場を去ったそうです。さて、買い物に行こうかと思ったものの、今の自分の説明で無事に辿り着けるのかどうか心配になった母は、すぐさまおばあちゃんの歩いて行った方向に向かい、念の為に確認をしました。ところが…。たった数秒しか経っていないのに、おばあちゃんの姿が何処にも見当たらないのです。歩く速度を考えても、そんなすぐに駅に着く筈もなく、たちまち母は不安になったそうです。結局、辺りを見渡しても、おばあちゃんらしい人物は見つからなかったので、諦めて買い物に向かったとのことですが、我が家では未だに不思議な話として首を傾げております。

Vol.08 幽体離脱に酷似
 幽体離脱なのかどうかは定かではありません…が、あの体験はとにかく違和感だらけで母親を心配させるほどのことでした。それは中学時代にまで遡ります。いつもは寝つきが悪いのに、やけにスヤスヤと眠りに入ったかと思えば、体から自分が離れていく感覚になりました。「夢にしては妙にリアルだ…」と思った次の瞬間、自分が丸い球体に閉じ込められながら宙に舞っていることに気がつきました。「え?え?」みるみる天井に昇っていく球体の中でどうすることもできず、ただ「出してくれ!」と球体の内側からバンバン叩いている自分がいます。そして、今度はみるみるサイズが小さくなっていき、自分が押しつぶさそうになってきたではありませんか。すると、球体はスルスルと地面に向かって落ち始め、眠っている自分の肉体に戻るようなイメージで消えていったのでした。母の話によると、その間中、わけのわからない言葉を5分ほど叫んでいたそうです。日本語でもなければ英語でもない…やけに低い声でわめきちらしたというのですから、お払いに行くのは当然ざんしょ(汗)。

Vol.07 この世とあの世の繋がっている理由
 母方の親戚での実話。ある日、重病を患った息子さんが亡くなりました。年齢も40代と、まだまだ若かっただけに、本当に無念としか言いようがない結末でしたが、数日後、信じられない出来事が続発。一つ目。亡くなった息子さんの霊が毎夜毎晩、家を歩き回っているという肉親の証言。「昨日も××(息子さんの名前)と話したんじゃけん」と、親戚中で噂に。そして、その亡くなった息子さんの霊が、お母様に“○○すれば仕事が大成功するから”という助言をした時のこと。そのアドバイス通りに実行したところ、本当に仕事が大成功したのだそうです。二つ目。これはウチの祖母の目撃談。実は、その親戚の家が目の前にある母方の実家。そこで、祖母が夕方に洗濯物を回収しに庭へ足を運んだところ、川の土手の方から、その親戚の亡くなった息子さんが自分の家へと帰っていくところを目撃したらしいのです。それは何度もあったそうで、当時は祖母も「××(親戚の息子さん)が歩いて来てのう」と、不思議そうに話していました。若くして亡くなった尊い命。彼の強い現世への想いが、魂となって彷徨い、自分の帰るべき所がわからずに自宅を行ったり来たりしていたのかもしれません。あの世の場所がわからずに、この世を彷徨っているというケースは、スピリチュアルな世界ではよく耳にすることですが、彼の場合もそれに相応するのでしょう。ただ、仕事の成功方法を肉親に伝えたという事実から、あの世とこの世は密接に結びついているものなのかもしれません。

Vol.06 挨拶を覚えたカラス
 それは何気ない日常の朝に起こりました。書道教室の講師をしている母を、教室のある現地まで車で送って帰った時のことです。自宅マンションの駐車場に車を止め、ちゃんと車に鍵を閉めたどうか等、念入りにチェックしていたら、すぐ横を同じマンションに住む隣人が通り過ぎていきます。「おはようございます」「おはようございます」いつもと変わらない、ごく当たり前のやりとり。気持ちの良い朝を迎えるには、やっぱり挨拶が一番です。車のチェックも終え、さて家に戻るか…と思った瞬間。「ォハヨー!ォハヨー!」いきなり頭上で、聞き慣れた声でありながらも聞き慣れない発音がしました。「何だ?今のは…」次の瞬間、我が目を疑いました。その声の主は、何とカラスだったのです!カラスがインコのように人間の言葉を覚えるのかどうかは知りませんが、確かに真っ黒いカラスが「ォハヨー!ォハヨー!」と発したのです。「オ」の発音が小さく、一瞬聞いただけでは「ハヨー!ハヨー!」になってしまいそうですが、よく聞いてみると、小さい「ォ」が入ったような発音をしていました。マンションでは、住んでる人同士が外で立ち話をしている事なんて日常茶飯事です。もしかしたら賢いカラスのことだから、そういった話の中から「おはよう」という発音を自然に聞き覚えたのかもしれません。

Vol.05 宙を舞う白い物体
 それは朝と夜の境目のこと。前日に、普段よりも多めに酒を飲んでいたせいか、AM3時35分頃にふと目が覚めてしまいました。それでも意外と頭はハッキリしていて、寝ぼけた状態というわけではありませんでした。お酒による利尿作用が働き、自然とトイレへ向かいます。頭がハッキリしていることもあり、トイレに向かうのも別段、億劫ではありませんでした。特に意識していたわけではないのですが、トイレに立った際、ふと左横にある窓を眺めました。トイレの窓は、厚みがあり、ボヤけて中の様子が見えないようになっています。しかし、外からでも、誰か人が立っているのは確認できるレベルでした。これは内からでも同様のことです。その為、念の為に対策として小さなレースを上からかけています。小便を終え、さて部屋に帰ってもう一眠りしようか…と思った矢先、左横の窓に、一瞬、白いシーツのようなものが通ったのが見えました。それは決して窓にかけてあるレースではありません。レースの下部に映ったので、つまり外の廊下を白い物体が通過していったことを示します。新聞配達かと思ったのですが、不思議なことに、足音は全くしなかったのです。薄い白で、タオルを縦に広げたような物体がスーッと通過したのを見て、普通なら気味悪さに恐怖を覚えるところですが、全く嫌な気分にはなりませんでした。むしろ、淡いホワイトカラーがヒラヒラと舞っていくのを目でおいかけ、安堵感を味わえた程です。その存在が何であるのかは定かではありませんが、想定外の心地良さに若干戸惑いもあるのが正直な感想です。

Vol.04 これがポルターガイスト現象?
 それは豆まきの日に起こった事実。「鬼は外、福は内!」毎年のように邪念退散を願い、冬に汗をかきながら必死に豆をまいていた時分、突如、それは起こりました。どういうわけか、ビデオデッキが勝手に巻き戻しを始めたのです。誰もりモコンを触っていないのに、電源もつけていないのに、デッキが勝手に巻き戻しを実行したのです。突然の出来事に焦る家族。それも邪念退散の豆まき中に起こったものだから、余計に神経を使います。邪念が、鬼が暴れだしたのか?息を飲む展開に、時間が止まったような感覚になりました。巻き戻しが終わり、念の為に内容をチェックしてみようという事になったので、慌てて再生ボタンを押す。確認したものの、内容に異常はありませんでした。後日、塩を盛っておきました。それ以来、ビデオデッキが勝手に動くことはなくなりましたが、今から思い返すと、やはり気味が悪いですね。磁波の影響だったのでしょうか。

Vol.03 やはり霊はいるのだろうか
 これは母と叔父の体験談。それは2009年、旅行中に起こったちょっと気になる話。ホテルのチェックアウトの時のことです。荷物を全てまとめ、忘れ物がないかチェックをし、その部屋を出ようとした次の瞬間!誰もいないはずの部屋内から「ありがとう」と声が聞こえたらしいのです。これには母も叔父もビックリたまげたそうで、最初はドアの開閉の音かと思ったそうですが、やはりそれは紛れもなく人間の声だったとの事。部屋には誰もいない、誰もいない部屋からの声。ただ、気味の悪いトーンではなかったらしいので、それほど気にする必要はないでしょう。その体験後、あれから2年経過していますが、母も叔父も何事もなく平穏に生活しています。

Vol.02 20cmのおじさん
 そう、それは中学生の時でした。期末テストの勉強でほぼ一夜漬け状態だった小生は、睡魔に襲われながらも必死に理科の元素記号を覚えていました。すると、夢か現か、小生の机の上にいつの間にか小さなおっさんが立っているのに気がつきました。「おい、おいったらおい!」叫び声が部屋に小さく響き、小生はハッと目を覚ましました。目の前には身長20センチ程のおっさんの姿。「おい!お前さん試験勉強してんだろ?寝てどうする!わしが机の上の消しゴムのカスを掃除してやるから、お前さんは勉強に集中しろ!」モジャモジャのヒゲをたくわえ、マリオのようなつなぎの服を着たオッサンが、クワを持って一生懸命に消しゴムのカスを掃除しています。「えっほ!えっほ!」声がうるさくて勉強に集中できません。逆にまた睡魔が襲ってきて、小生は再び眠りに陥ってしまいました。次の朝、完全に寝過ごしてしまった小生は、机の上に目をやりました。すると…消しゴムのカスがキレイさっぱりなくなり、まるで勉強した形跡がないような状態になっていたのです。「ウソだろ…?」――心の中で小生の疑問はいつまでもコダマしました。あのおっさんは何だったのでしょう?

Vol.01 白い鳥
 「私のお墓の前で泣かないでください そこに私はいません 眠ってなんかいません 千の風に 千の風になって あの大きな空を吹きわたっています 秋には光になって畑にふりそそぐ 冬はダイヤのようにきらめく雪になる 朝は鳥になってあなたを目覚めさせる 夜は星になってあなたを見守る」3年前、名曲『千の風になって』の歌詞と同じようなことが自分の身の回りでも起こりました。聞くところによると、祖父が亡くなってから一羽の白い鳥が家に来るようになったとの事。叔父・祖母・母が同じように出会っており、朝になると、決まって同じ場所に現れ、そしてまた空へと舞って行く。今まで見たことのない鳥で、祖父が亡くなってから来るようになったらしいです。その鳥を見た近所の方々は、口々に揃って以下のように話しています。「あの鳥はきっと彼(祖父)の生まれ変わりだろう」と。生前、よく祖父に乗せて貰った軽乗用車のガレージに止まる一羽の鳥。少しでも良いから会ってみたいと願うばかりです。