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 はじめに ~中国茶の不思議~

普段、何気なく色々な中国茶を入れ、楽しんでいます。
お茶の色(水色)、味、香り・・・実にバラエティに富んでおり、飽きることがありません。

でも、とても不思議に思うのです。

たとえば料理ですと、具材を組み合わせたり、調味料を加えて味、香りを調えるわけですが、お茶の素材は茶葉とお湯だけです。
それだけの素材なのに、上手にいれたお茶は、水色、味、香りにそれぞれの個性が巧みに引き出され、実にさまざまな風味をもたらしてくれるのです。

まるで何かマジックを見ているような、いえ、マジックを味わっているような、そんな気がしてくるのです。


左から、西湖龍井茶、凍頂烏龍茶、武夷岩茶・白鶏冠、プーアル茶

(今のコンピュータ技術では、味・香りは表現できませんので、水色の違いだけご覧ください) 

はじめての中国茶 目次

 1. 中国茶の歴史
 2. 6+2分類の中国茶
 3. 中国茶の効能
 4. 茶葉の保存方法



◆ 1.中国茶の歴史 ◆

 1.お茶の葉は食べ物だった


中国茶の歴史の話になると必ず登場してくるのが、『神農(しんのう)』さんです。
この神農さんは、あらゆるものを口にして、それが食べられるものか、はたまた毒であるのかを人々に教えたという、実に偉大な人でした。
(今なら間違いなく国民栄誉賞でしょうね)

その神農さんが白い花の咲く植物の葉っぱを食べて、食べられるものであることと、解毒作用があることを人々に教えました。この植物こそが、お茶の木だったのです。
この神農伝説は紀元前二千数百年(!)頃のことだそうですから、これが事実だとすれば、お茶の始まりは今から四千年以上前ということになります。

この話はともかくとして、この頃は、草、花、虫、動物など、食べられるものは何でも口にしたようです。
お茶の葉も飲みものとしてではなく、食べものとして口にしていたと思われますし、解毒作用があるとわかると、薬としても重宝されていたのでしょう。


 2.お茶の普及に皇帝が貢献

食べものや薬として口に入っていたお茶の葉は、紀元前後の時代になると飲みものとして利用されるようになりました。今から二千年ほど前のことです。
当時の文献には、「苦い飲みもの」といった表現があるようですから、美味しいというものではなかったようですね。
お茶を飲むことができたのは、最初は貴族や僧侶など位の高い人に限られていたようですが、時代を追うごとに広い階級の人に飲まれるようになりました。
日本にお茶が伝わったのも、この頃のことのようです。

この時代、茶葉は固まりでした。飲むときは粉にして煮出していたようです。現在、目にする餅茶(へいちゃ)や沱茶(とうちゃ)などの固まりのお茶は、当時の名残りかもしれません。



↑餅茶いろいろ


唐代に普及したお茶は、宋代(10から13世紀)になるとさらに広がりをみせ、茶館などで一般の人々がお茶を楽しむようになりました。
茶葉も『散茶(さんちゃ)』(固まりのお茶ではなく、現在主流の、ばらばらになっている茶葉)が提供されるようになりました。

その後、明代(14~17世紀)から、清代(17~20世紀)は、中国のお茶文化が大きく開花した時代でした。
龍井茶や武夷岩茶などが登場したのもこの時代で、茶壺なども使いやすいものが造られるようになりました。

そして、生活水準の向上、流通の発達などに加え、烏龍茶ブームもやって来て、お茶はさらに大きく広がり現在に至っています。

なお、唐代、宋代、明代などにお茶が普及するのに貢献したのが当時の皇帝でした。
お茶好きの皇帝が散茶を奨励したり、新茶作りに力を注いだりしました。地方に茶館などがどんどんできたのもこの頃です。



 3.おまけ・わらべ唄に垣間見る日本茶の一コマ

♪ずいずいずっころばし 胡麻味噌ずい♪
・・・懐かしいわらべ唄です。もう今では、この唄を知っている人も少ないんでしょうか。
ところで、この歌詞の続きは覚えていますか?
♪茶壺に追われてトッピンシャン 抜けた~らどんどこしょ♪
でしたね。
子供の頃、何気なく口にしていたこのわらべ唄が、お茶につながっているということを知ったのは、ずいぶん時間がたってからでした。


このわらべ唄のもとになっているのは、江戸時代のお話のようです。
当時、宇治あたりの産地で採れた極上のお茶を将軍様に献上する、茶壺行列というものがありました。
ある農家の人あたりが、街道沿いで胡麻味噌をすっていたら、その行列が近づいてきたようです。
農家の人は、「面倒に巻き込まれては大変!」とばかりに、追われるようにして、戸をピッシャンと閉めてじっと息をひそめたのでしょう。
・・・やがて、行列が通り抜けたらやれやれどんどこしょってところでしょうか。

以上、江戸時代の一コマでした。


日本に中国からお茶が伝わってきたのは、8世紀ごろのことです。
それから数百年かけて、江戸時代には現代にも通ずる日本独特の緑茶文化が花開きました。
それから更に数百年経ち、大きく変化する社会情勢の中で、日本茶はどのように移り変わっていくのでしょうか。




◆ 2. 6+2分類の中国茶 ◆


たまに、「中国茶って烏龍茶のことですよね?」と聞かれることがあります。
間違いとは言えませんが、もう少し正しいとらえ方があります。
難しく考える必要はありませんが、中国茶の基本を少し知っていただけると、中国茶がよりおいしく味わえることと思います。
ここでは、いろいろな中国茶の種類についてお話ししていきましょう。

中国茶は、長い歴史と生産地の広がりにより、実にたくさんの種類のものが作られてきました。
全部あわせると・・・いったい何種類あるのでしょう??
その数は定かではなく、とりあえず千種類以上(!)あるといわれています。
そのたくさんの種類のお茶は、発酵の度合いから6分類に分けられています。

この分類の意味さえ押さえれば、もう中国茶通になれますよ

 ――6分類の中国茶――

中国茶の分類で面白いのは、6種類の色をつけることですね。これは、茶葉の色や水色(お茶の色)から連想されたものです。
分類は主に発酵の度合いによってなされます。

 ※茶葉の発酵の意味は・・・
茶葉は摘み取られると、茶葉の中に含まれる茶葉成分と酵素が酸化反応を起こします。これを発酵といいます。発酵を止めるためには、茶葉に熱を加えます。

《緑茶》

緑茶は発酵をさせない、不発酵のお茶です。
日本茶は茶葉を蒸すのが主流であるのに対し、中国緑茶は釜炒り法が主流です。
水色は薄く、渋みはあまり感じません。
中国茶全体の7割程度は緑茶です。
《白茶》

少しだけはっこうさせる弱発酵のお茶です。
白茶の代表格は「白毫銀針茶(はくごうぎんしんちゃ)。白い産毛に包まれている茶葉は、白茶と呼ぶにふさわしいですね。
《黄茶》

緑茶に近い作りで、ある程度乾燥させた後、悶黄という独特の後発酵の工程が加わったお茶です。
《青茶》

半発酵とか部分発酵とかいわれるお茶で、発酵の度合いはお茶によってさまざまです。烏龍茶は正確には烏龍種の茶葉から作られたお茶のことを言うのですが、最近では青茶を総称して烏龍茶と呼んでいます。
青茶の香りを楽しむのに使う聞香杯は独特の道具ですね。
《黒茶》

緑茶を作る工程の後に、麹菌の作用で後発酵させたお茶です。お茶といえば新茶が好まれるものですが、黒茶は逆に、20年もの、30年ものといった年代物が珍重されます。
《紅茶》

緑茶とは対照的に、完全発酵させたお茶です。
英国紅茶のもとは中国紅茶なんですよ。

 

 
――+2分類のお茶(ちょっと違った角度から)――
中国茶は上記の6分類の他に、花の香りを楽しむ花茶と、茶葉の広がる様子を楽しむ工芸茶をプラスするのが一般的となっています。
《花茶》

茶葉に、ジャスミンやキンモクセイ、メイクイの花などの香りを移し、花の香りを楽しみながらお茶を味わおうという欲張りなお茶です。
茶葉の、香りを吸収しやすい性質を利用しているのですね。
なお、花茶には茶葉を用いないで、菊の花やメイクイの花のみにお湯を注ぎ、花の香りを楽しみながらエキスを味わう、というタイプのものもあります。
《工芸茶》

茶葉を一枚一枚ていねいに揃えて、糸でたばねたり、その中に花をしまいこんだりと、まさに工芸的な作りのお茶です。
茶葉にお湯を注いで広がる様子や、中から花が出てくるのを楽しむお茶で、もちろん味わうこともできます。
(中には大変手のこんだものもあり、まるで水中花のようで美しいんですが、さてどうやって飲もう?と首をかしげるような工芸茶もあるんですよ



 ※Q.お茶の木はみんな同じなの?
大きく例えればツバキ科の植物ということになりますが、緑茶に適したお茶の木、紅茶に適したお茶の木、といった風にそれぞれ微妙に異なります。
緑茶用の茶葉を完全発酵させれば紅茶にはなりますが、必ずしもおいしい紅茶になるとはいえません。



◆ 3.中国茶の効能 ◆

 ――台湾の元気じいさん――

台湾へ行ったときのこと。
お茶を扱っている現地の方と話す機会がありました。その方は肌がツヤツヤで、声に張りがあり、元気そのものって感じです。お年を伺うと、「もうすぐ七十」とのことでした。
あまりの元気っぷりに、その秘訣を尋ねると、「小さい頃から、お茶をよく飲んだね。この年まで風邪ひとつひいたこともないよ。」と、流暢な日本語で話して下さりました。
台湾のお茶事情など色々教わりましたが、私はこの人のことを心密かに『台湾の元気じいさん』と名付けました。
『台湾の元気じいさん』とはその後何度かやりとりがありましたが、いつも元気いっぱいでした。


 ――お茶は万病の薬?――

酒の「百薬の長」に対し、お茶は「万病の薬」と言われています。
その昔、お茶が飲みものとして用いられる以前は、お茶の葉は食べものとか薬として用いられていました。おそらく、お茶の解毒効果などは早くから知られていたのでしょう。

お茶にはさまざまな成分が含まれています。主な成分とその効用は次のように言われています。
  ・ カフェイン
コーヒーにも含まれていますね。
頭をすっきりさせ、眠気を取る覚醒効果があります。
  ・ カテキン(ポリフェノール)
お茶の渋味成分です。
カテキンの抗菌作用はよく知られていますね。身近なところでは、風邪を引いたらお茶でうがいをするとよいと言われていて、私もたまにお世話になっています
また、水虫に効果を発揮することもあります。一日一回、ぬるま湯程度のお茶を風呂桶などの容器に入れ、足をチャボンとつけて10分間ほど待ちます。その後タオルで足をぬぐうと、風呂上がりとは違う爽やかな感じがします。(足の汚れや脂分が落ちるんだと思います)
これを一週間ほど続けると、水虫がかなり改善されます。(ただし、水虫の種類によっては、効果が出ない場合もあるかもしれません)
もっと重々しいところでは、近年の研究で、カテキンにより血圧やコレステロールが下がり、成人病によいとされていますが、…私は医学の知識に乏しく、はっきりと「効果がある!」と言い切れるものではありません。
  ・ ビタミン類
ビタミンCがお肌に良いみたいですね。
お店に来られるお客様の中にも肌のきれいな方がいます。「特に手入れをしているわけではないけど、お茶はよく飲んでいます、」との弁でした。
どこかで似たことを聞いたような…Σ(゚д゚ )ハッ!元気じいさんだ!
台湾の元気じいさんも、ビタミンCが効いているのかもしれませんね。


 ――現代社会に役立つリラックス効果――

お店には、小さい子供さん連れのお客さんもいらっしゃいます。
数年前までですと、子供さんはしばらくすると飽きて騒ぎ始めるのですが、最近の子供さんは、時間が経っても静かな子が多いのです。
読書しているから?…ならいいんですが、犯人は、いえ、正解は、「ゲームしているから」です。
実に熱心にピコピコやっています。

この傾向は子供さんだけに限りません。中高生から大人になると、ゲーム機に代わってスマホが登場します。どなたも上手にスマホを扱っているように見えます。
もちろん、お茶とともに会話や読書を楽しみに来られる方も多いのですが、ゲーム機やスマホがじわじわと勢力を伸ばしているようです。
デジタル機器を無視するわけにもいかず、現代社会に生きるって結構大変なんですね。ちなみに私も、お店を始める前はデジタル社会に身を置いていたからわかるのですが、神経は使うし、目も疲れます。

そんな風に疲れがたまった時は、是非ぜひリラックスして、気分を解き放ってください。
中国茶がきっとお役に立てると思います。
お茶には様々な効能がありますが、現代社会にもっとも大切で役立つのは、やっぱりリラックス効果ではないでしょうか。
「おいしく、たのしく、中国茶♪」合言葉にしましょうよ

◆ 4.茶葉の保存方法 ◆
 ――茶葉は光と湿気が苦手――

「茶葉の保存はどうすればよいの?」と、時々尋ねられます。

茶葉は光と湿気が苦手なのです。
ですから、それを避けるように心掛けてください。
・茶缶に入れればベストです。
・アルミの袋に入って入るのでしたら、切り口をくるくるっと巻いてクリップなどで留めるといいでしょう。

他、特に気を使うことはありません。
常温保存でいいですよ。