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笹百合・ささ百合・ささゆり

 笹百合(ささ百合・ささゆり)は、昔は里山の雑木林周辺に自生し親しまれていましたが、最近は『幻の百合』と言われるほどその姿が見られない状況です。希少価値が高く、観賞用に園芸化を試みるものの栽培が難しく、また年数を要する為、なかなか成功しないのが現状のようです。

笹百合の葉は少なく、笹にそっくりであり、花は清楚で薄ピンク色(白もあり)で6月に開花します。花弁は45度以上は開かず、高貴な香りがします。匂いを嗅ぐと『うっとり』し、1株部屋の中に置いただけで、家中が良い香りで一杯になります。

笹百合の育成は種を蒔いて2年目に発芽、葉が1枚、球根は米粒の半分位の状態です。茎が立つまでに3〜4年、その後1輪の花を付け、開花まで通常6,7年かかります。球根の大きさによりますが、開花して順調に育てば1年経過するごとに1〜2輪ずつ花を増やしていくような感じです。兎に角、絶えることがあっても増える事が無い難しい品種であることだけは事実のようです。

私と『ささ百合』

 私が『ささ百合』に最初に出会ったのは信州木曾谷の山野草店でした。「なんとも可憐で、上品で、香りの良い花なんだろう」と思い、数株購入して我が家の庭に植えたのが始まりです。そこから種を採取し、発泡スチロールの箱に蒔いたものの放ったらかしの状態でした。忘れかけた頃、発芽している事に気がつきました。偶然の成功でした。

 

時は2年以上経っており、小さな葉が1枚出ていました。そこから数年経ち「茎」が立ってから広い場所に移植、球根がこぶし位の大きさに成長し、1本の茎に最大15の花をつけたこともありました。それは見事に成長した『ささ百合』達でした。それから毎年試行錯誤を繰り返しながら培養をしていますが、なかなか難しく最初の域を超える事が出来ないまま現在に至っております。

『ささ百合』の培養に取り組んで15年以上になりますが、ここ数年芳しくない状況が続いております。今年は昨年開花した8年目の『ささ百合』を植え替えた事もあり、大いに期待をして楽しみにしていたのですが、植え替えた『ささ百合』がダメで、そのままにしておいた『ささ百合』が良いようです。また発芽しない球根も多く見られます。気候のせいでしょうかね。とは言うものの、今年も数十株の『ささ百合』が咲きました。6月下旬まで『ささ百合』の華を楽しむことができました。

6月10日現在のささ百合
5月20日現在のささ百合
6月17日現在のささ百合