父 を 偲 び て
父の乗りゐし船の 沈みし時刻かと 四月一日夜半に目覚む
ウナゾコ
阿波丸は 海底ふかく沈みゆきぬ 五十八年前のこの日この刻
緑濃き楠の樹かげに我が父の 名の刻まれし阿波丸慰霊碑
父の名に ふれつつ思ふその笑顔 若くほのぼのとありたる父よ
別れ際の一語を胸に 励み来ぬ 五十八年忘れ得ぬ父
疎 開 随 想 よ り ( 1988年編 )
学童疎開を 記録する会に役に立つ わが古びたる日記一冊
軍国主義を 叩き込まれて幼きに 死を恐れずと我は記せり
兵隊さんの 苦労を思ひ頑張ると 健気な決意の日記は続く
唱和せり 「欲しがりません勝つまでは」 雪降り頻る 疎開地の朝
味噌汁に さらし鯨の浮くときは 喜び合ひぬ疎開児われら
是松靖子さん→小笠原靖子さん の作品
6年生の1月14日疎開に中途参加 3月10日卒業のため東京に帰る
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