疎開先からの葉書き


         上原栄子さん(当時4年)疎開地 久米川→家へ


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第一信 昭和19年12月15日発信

女高師の集団疎開は、19年8月から実施されましたが、この葉書きの 上原栄子さんは、眼の治療の為12月から途中参加となりました。



お母様おわかれしてから、まだ1日しかたってをりませんが
エコには長い長いあいだのようなきがしてなりません。でも
だるまさんのようにがまんしています。
お母様きてからすぐのしっぱい。ねくたいのぼたんがとれたのでつけたら、うしろにつけてはめられなくなっちゃったわ。
お母様エコは元気 ごしんぱいなく。これからおさむくなりますからくれぐれもおからだをごたいせつに。皆さまによろしく。
お姉様のいらっしゃるのをおまちしています。さようなら。


末っ子の甘えん坊を気遣って、疎開先から到着する葉書きに、姉が毎回丁寧に感想を添えている。

中略ー 第一信の最初の句をよむと、私はどうしても涙が流れてくることを抑えることが出来ない。いとこの敏子姉様に作って頂いたかわいい小物入れ(ダルマさんとおひめさま)を持って行きたいと言ったとき、私が栄子ちゃんに、ダルマさんのようにがまんづよくおひなさまのようにいつでもやさしくしていらっしゃいね と言ったことばを忘れないのでしょう。− 後略

皆様ご心ぱいをおかけしてごめん遊ばせ。栄子は大元気ですから心ぱいしないで。
お父様からのお手紙とお母様のお手紙 今うれしくうれしく拝けんしました。きのうは にくらしいB29がくだけた一部を見に行きました。麦畠のまんまん中におちたのです。アメリカ人の死体も見ました。まっくろこげです。
さいとう先生がよろしくとのことです。ではみなさま お体をお大切に。さようなら。


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お母様ひどい空襲がつづきましたけれど おかわりございませんか。榮子は大元気です。このあいだは頭の上で すごい空中戦をしたそうです。けれど ごう の中へはいっていたので見ませんでした。大きな音がずいぶんしていました。
今日は かみ洗いをしました。なんだか頭がかるくなっちゃったわ。どうぞお父様やお姉さまやお兄様に よろしくおっしゃって下さい。(こんどの面会日はこなくてもがまんします)
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お姉様お元気でいらっしゃいますか。
エコもますます元気で毎日すごしています。御姉さまの学校の試験はどうでいらっしゃいますか?エコたちは 今日まき運びに行くはずでしたが、警報で行けませんでした。
昨日体重をはかりに行きました。へっちゃったわ。
どうぞ おからだをお大切に さようなら
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お父様お手紙有がとうございました。エコは今お手紙を見てうれしくてたまりません。この間の雪が まだひざのところまで
のこっています。時々 のき の雪が「ばさっ ばさっ」と落ちて来ます。
今度の面会日にいらっしゃれたらゴムとスナップを持ってきて下さい。光子お姉様 由紀子姉様に どうぞよろしく。お母様お兄様にも。お手紙ちょうだい。さようなら。
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お姉様度々お手紙をありがとうございました。お元気のことと思います。エコはいつものように大元気です。
朝夕の通い道の畠でひばりが鳴いたり、青梅街道の梅 とてもきれいです。お家のお庭が見たいわ。お池のお玉じゃくしのたまごは まだできませんか。しばに露がついているでしょう。
ではどうぞお体をお大切に。さようなら
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姉から栄子へ

栄子ちゃん その後お元気ですか。こちらは全員元気で、お父様を頭に 大いに張り切っております。私は一昨日防空壕と
伊藤さんの塀との間の所に穴を掘って 石炭や炭を埋め、その上に瀬戸物類を入れて土をかぶせました。それから書斎の前の石の下を横穴式に掘ってそこにはいざという時食料を入れるつもりです。色々準備して憎らしい敵機が来ても、びくともしない様に用意をしております。栄子ちゃん とってもスンバラシイことがあるのよ。玲子
お姉様から、栄子ちゃんに それはそれは いいものを頂戴した
のです。今度26日がお姉様の農園行きの予定ですから、それまでオタノシミ。
おとなりの小岩井さんは 大森の鶴見さんの所へお引越し、大久保さんのチエコチャン、アッチャン、は軽井沢に疎開ということになりました。みんな ちりぢりばらばらになりますが、勝つ為ですから がまんしましょうね。三学期のお成績は如何でした
か。わからないこと、はっきりしないことは どんどん先生に伺って少しでも「いい子」になって下さい。お母サマ お父サマ 賢ちゃん 由紀子お姉サマからも よろしくとのことでした。では又、お元気で サヨウナラ 

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