12 月 の 久 米 川 1 −葉書−
空襲はますます激しくなるのだが、壕の中の生活の様子の描写はあまり増えて来ない
のは馴れて来たということなのか。
12月7日愛知方面に 東南海大地震が起きるが日記には記載がない。当時6年の
ある男子の話では、松林がうねるように見えた という記憶があるそうである。
しかしこの地震は、ほんの小さな記事が新聞に載っただけで一般には知らされなかった。
日本のダメージが敵に伝わないようにというつもりであったらしいが、翌日のアメリカの
新聞にはちゃんと載っていたのだから、隠しても何の意味もなかった。
因みにラジオでも天気予報が発表されなくなった。理由は敵の空襲による計画を阻
止するためである。
愛知地方の被害は甚大であり、疎開児童も数人が命を落したにも拘らず、報道され
る事はなく隠し通され、戦後になってはじめて明らかになったのである。
12月 いよいよ寒さが厳しくなる中で、外で一日を過すのはつらい日々となる。
母から子へ 子から母へ
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6年女子 西川幸江の母から 今朝はじめてお庭に霜柱が立ちました。昨日浅田さんのお家に伺って空襲の時の幸江ちゃん達の様子を聞かせて頂きましたが 防空壕の中でおいもをいただいて大変元気でしたとのこと安心しました。 勿論この辺も何の変りもなくお母さんもピンピンしています。 ズロースは白を2枚おはきなさいね。白のズロースが雨が降ってもし品切れになったら白の上に毛糸のパンツをおはきなさい。今はサラシのシャツの上に白ネルのシャツを着て黒下着を着ていらっしゃい。 1月頃になって もっと寒くなたら白ネルのシャツの上に毛糸のチョッキをきたらいいでしょう。おふとんは夜着と大ぶとんを着て、もっとさむくなったら 夜着と大ぶとんの間へ毛布を入れなさい。 お洗濯をする時間にはサラシのシャツをお洗いなさいね。古いきたない給食袋の中へよごれた洗濯物を入れなさいね。 |
| 6年女子 西川幸江の母から 12月3日の空襲の折,21機も撃墜して(アメリカの飛行機を)下さったとのことほんとうにうれしいですね。日本があんまり強いのでアメリカ兵さぞびっくりした事でしょうね。幸江ちゃん達も新聞記事が見たいでしょうと思って新聞を送りましたから もしお許しが出たら見せていただきなさいね。 今日もうっすらと霜が降りていよいよ冬らしくなりましたね。お天気が続いていますから、富士山がさぞきれいに見えるでしょうね。 今月の29日は面会日の特配で(年末に1日面会が追加された)ありがたいことだと思います。戦争中ですからお正月でも遊んでなんかいられませんね。しっかり防空につとめましょうね。寒さに負けないことも大事なことです。 |
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4年女子 上原栄子から母へ お母様 おわかれしてからまだ一日しかたっておりませんがエコには長い長い間のような気がしてなりません。でもだるまさんのようにがまんしています。 お母様来てからすぐのしっぱい。ねくたいのぼたんがとれたのでつけたら うしろにつけてはめられなくなっちゃったわ。 お母様 エコは元気ご心配なくこれからお寒くなりますからくれぐれもおからだをごたいせつに。皆さまによろしく。 お姉様のいらっしゃるのをお待ちしています。さようなら 疎開には途中参加。一回目の葉書である。 |
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4年女子 中川恭子の母から 恭ちゃん 元気でいますか今朝は午前4時すぎに警報が出たのでそのまま起きてしまいました。お兄様は寒稽古で解除になるとすぐ真っ暗な中を自転車を飛ばして学校に出かけました。 5時半のニュースのときに あなた方疎開児童に対して皇后陛下よりありがたい み歌とお菓子を賜る旨を伺ってお父様と一緒に感激しています。 先生からきっとよくお話しして頂けることと思いますがあなたたちがお家をはなれていることがどんなに大事なことか良くわかるでしょうし、強く元気になってくれることと信じます。 高田先生がしばらくお留守におなりの由 しっかり皆さんで仲良くすごしていらっしゃい。もうじき会えるわね。 |
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4年女子 中川恭子の母から 今朝の空襲はとりあえず家は大丈夫だったことをお知らせしましたが近所に大分焼夷弾が落ちたので、こちら方面のことを心配しているといけないから一寸書きます。さっきやけあとのまだ煙の出ているところを消すお手伝いに隣組から行きました。 バケツ送りをしたり手押しポンプを押したりしました。 これから壕の中は寒いからモンペ2枚はくと くつ下もはけたら2枚 間にあわなかったら壕の中でおはきなさい。靴は運動靴だと寒いでしょうから下靴(赤い方)を今度持って行きます そのほかに持ってきてほしいものがあったら言って下さい。 元気でいてくださいね。家の事はあまり心配しないでね。又お便り書きましょうね。さよなら。 |