電動自転車ビジネス拡大

エコの風、レンタル・宅配・タクシーに
エコロジー意識の高まりを受けて、電動アシスト自転車が快走している。エネルギーの源となる充電池の進化で、走行距離が伸びるなど使い勝手は大幅に向上。活躍の場は、宅配サービスやレンタルサイクル店などビジネス分野にも広がっている。
昨年末の規制緩和でさらにパワーアップが認められ、ますます需要が増えると言う。

電動自転車は、90年代前半に本格的な生産が始まって、自動二輪や自転車メーカーなどが相次いで参入し、競争したため性能が年々向上したと言う。
ヤマハ発動機の「PAS」の例を挙げると
  リチウムイオン電池を採用したことで、充電時間が発売当初の5分の1  に、そして走行距離は約3倍になった。
  普及とともに価格も下がり、出荷台数は右肩上がりを続けている。

また、道路交通法施行規則の改正で、08年12月から電動自転車の動力の補助率(「人力」対「動力」)が最大1対1から、同1対2に変更になった。
以前の規制では「、人力と同じだけのパワーが補うのが最大だったが、改正後は時速10キロ未満の場合は最大で人力の2倍まで補うことが可能になった。
1の力で坂道を登るとすれば、以前は人力は半分必要だったが、今は3分の2をモーターが補ってくれるので、人力は3分の1で済むようになり、より楽に登れるようになる。

進んだ電動アシスト自転車は、ビジネスにも活躍の場を広げている。
 ヤマト運輸は特注したリヤカーを電動自転車に連結した「新スリーター」の運用を始めており、トラックが入れない市街地の細い道などの宅配サービスに使っている。
 日本郵政グループは、08年末に東京・大阪でリヤカー付き電動自転車を導入し、リヤカーなしの電動自転車はすでに各地の郵便局で利用している。
その他、オフィス機器やエアコンなどのメンテナンス業者などが従業員の移動に使っている。

ドイツで開発された三輪自転車を観光用タクシーにした「ベロタクシー」に代表される自転車タクシーも電動自転車の今後の活躍の場として期待されている。

かつて電動自転車は「お年寄り向け」のイメージがあったが、今はパワフルでエコな交通手段としての存在感となったとしている。

             2009.02.07朝日新聞朝刊記事から引用する