NSB(日本短波放送・ラジオたんぱ)専用


 このラジオたんぱ受信専用ラジオというのは、日本独自のものでラジオたんぱの第一放送(3925、6055、9595kHz)と第二放送(3945、6155、9760kHz)の周波数がクリスタルロックされており、ワンタッチで6波各周波数が受信できるというものである。
 ご存知のようにラジオたんぱは競馬の実況中継や株式市況を放送していることで有名だが、こういったリスナーにとっては実に便利なラジオだ。各放送3波ずつ周波数があるが、ワンタッチでもっとも受信状態の良好な周波数にあわせることが出来る。
 かつてBCLブームのときには、このラジオたんぱで、ラジオオーストラリア日本語放送のアナウンサーだった大村 清・知子夫妻にによる「BCL教室」やタモリが司会・進行を務めた「BCLワールドタムタム」というBCL情報番組が放送されていた。タモリはBCLだったことで有名でデビュー当時のネタである「ハナモゲラ語」もBCLの影響が大きかったとされている。
 こんなラジオたんぱであるが、近年は第二放送の縮小やデジタル放送への移行などで、本来の短波による放送は縮小傾向にあり、近い将来は短波による放送は全面的に廃止されるものと思われる。
 このような状況であるので、将来的にはこのようなラジオは販売されなくなると考えて差し支えないと思う。言うまでもなく同局の放送時間外は、例えば夜間の9760kHzなどはVOAが安定して受信できる。
 NSB専用と言っても多くは中波或いは他のバンドも受信できるようになっているが、NSB専用として分類させていただいた。悪しからず。



 NATIONAL R−188 
 
 1978年発売
 定価 7900円

 周波数カバー範囲:NSB1、2
          
 このラジオはまったくのNSB受信専用です。
 左側面に、NSB1/NSB2バンド切替スイッチ、右側面には、電源スイッチ兼ボリュームつまみがあります。
 上部には、選局つまみがあって、各周波数を順番に選局するようになっている。R−266のようなスライド式で、各周波数でカチッ、カチッとあわせるものではない。スライド式よりもこちらの方が微調整できるので良いかも知れない。それとイヤホン端子が付いている。
 性能はNSBを聞くには不足無い。音質は後発機のほうが良いように感じる。

※ 定価情報提供 札暢さん


 NATIONAL R−266 
 
 1982年頃発売(推定)
 定価 不明

 周波数カバー範囲:NSB1、2
          MW(525〜1605kHz)

 このラジオは中波も受信できるようになっている。
 R−188に比べて、NSBの選局方法がスライド式のスイッチになり、上部に配置されている。電源スイッチは、NSB、MWのバンドセレクト兼用。外部電源も使用可能で、イヤホン端子が付属。
 他にはこれといった特徴は無い。標準的なNSB受信専用ラジオ。



 SONY ICR−4420 
 
 1983年10月発売
 定価 7900円

 周波数カバー範囲:NSB1、2
          MW

 標準的なNSB受信専用ラジオで、特別な装備はなにもありません。付いているものといえば、NSBを受信するためのロッドアンテナとイヤホン端子、チューニングランプしかありません。上部にスライド式のバンド切替スイッチがあります(NSB6波とMW)。右側面にはMWのチューニングツマミと電源スイッチ兼用のボリュームツマミがあります。
 全バンドとも感度はそれなりで、音質はこのサイズにしては良いと思います。



 SONY ICR−N3 
 
 1986、7年頃発売(推定)
 定価 不明

 周波数カバー範囲:NSB1、2
          MW

 このラジオの特徴は、NSB受信のためのロッドアンテナが無く、外部アンテナ端子が付いています。AN−1やAN−100が使えるのだろうか?何も接続しなくても良く聞こえる。
 バンド切替は上部のボタンで行なう。上部には電源ボタンとスライド式の音量調節も付く。MWの選局は右側面のチューニングダイヤルで行なう。
 その他の機能は無いが、音質調整が欲しかったところだ。ICF−SW30と同等の大きさ。感度も悪くはない。



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