高感度シリーズ


 松下のR−U*、RF−U*型番、SONYのICF−EX**型番は高感度シリーズと呼ばれ、特に中波帯の受信(国内民放局DX等)においてあらゆる工夫がされているラジオである。各社、いろいろなバンドの組み合わせ(中波帯とFM、中波帯とNSB、中波帯と短波帯等)のものが用意され、それぞれの志向にあわせ選択肢は広い。
 すでに廃版となっているものが多いが、SONYのICF−EX5は現行モデルで性能も良く、扱いやすい。



 NATIONAL R−U3

 1983年発売
 定価 8600円
 周波数カバー範囲:MW(525〜1605kHz)

 松下さんの高感度シリーズで中波帯のみ受信のタイプ。ご存知のように松下さんのラジオの型番は、中波、短波のものはR−**、これにFMも受信できるものはRF−**型番となる。
 このシリーズ、大きさはだいたいどれも200×150×70くらいで大差ない。この躯体に10cm以上のスピーカーを搭載しているため音質は良い。この機種は、音質調整は無いが耳に馴染む音。
 LED-TUNINGも装備、大型ダイヤルスケールによって選局しやすく、感度も良い。BATTERY SAVERなる青いボタンがついており、押すと音が小さくなる。



 NATIONAL R−U7
 (高感度U7)

 
 1982年発売
 定価 12900円
 周波数カバー範囲:MW(525〜1605kHz)
          NSB1 NSB2

 このラジオは中波に加えてNSB(ラジオたんぱ)がクリスタル内蔵で受信できるようになっているもの。NSB受信専用ラジオに分類されるものだが、このシリーズとしてまとめて紹介する。
 ご覧のようにダイヤルスケールが大きく取ってありとても選局しやすい。このシリーズはLED-TUNINGが装備されているのも特徴か。BATTERY SAVERは無い。
 右側面にはDX/LOCALに切り替えられる感度切替を備え、後面には外部アンテナ端子もある。
 とても扱いやすいラジオだ。
 



 NATIONAL RF−U8
 (高感度U8)


 1983年発売(推定)
 定価 15800円
 周波数カバー範囲:MW(525〜1605kHz)
          SW(3.9〜12MHz)
          FM(76〜108MHz)

 このラジオはシリーズ最上位機種と思われます。中波、短波、FMが受信できます。FMはワイドバンドで108MHzまで受信できるようになっています。
 おもな装備は上記R−U7と大差ありませんが、U7では感度切替が付いていましたが、U8では、それに替わり同じ位置に音質切替が付いています(TONE:HIGH/LOW)。BATTERY SAVERも付いている。後面には外部アンテナ端子を装備。
 上記2機種と同様、選局しやすく感度も良い。
 



 PANASONIC RF−U700
2005年発売
定価 オープン価格 付属品 電源コード 中国製
実勢価格 8000〜11000円 本機は通販送料込8000円台で購入。本体のみ7000円台の物もある。量販店では10800円程度
周波数カバー範囲:MW(522〜1629kHz)9kHzステップ FM(76〜90MHz)ステレオ TV(1〜12ch)
 
 BCLブーム期のクーガシリーズ以来、ジャイロアンテナを搭載して話題になったラジオです。中波、FM、TV(地デジ移行後は不対応)が受信できます。選局は居住区に合せて放送局を自動で設定する機能があります。これが出来ない時などは全国41のエリアバンクから選ぶことが出来ます。他にマニュアル選局とオートチューニング、また3バンド合計で3局のメモリーがあります。音質調整はボタンによって標準、音楽、ニュース、高音強調の4段階を選択可能。7.7cmスピーカ2個付いてますが、どの位置でもこもり気味で個人的には良いとは思わない。タイマーはOFFのみ120分まで(30分毎4段階)設定可能。表示パネルの照明もあります。感度ですが当地で在京局は十分実用になる程度に受信でき、東北地方の各局も聞けます。ジャイロアンテナの効果もありますし、常に正面で聞けるのでRF-U350よりは便利かも知れません。ジャイロアンテナはローカル局受信には不要ですし、DXには混信除去機能と感度調節、それと1kHzステップが欲しかったところです。AMステレオ受信が出来るともっと良かった。下記EX5には同期検波回路を装備するなど中波DXを意識したところが見られますが、同機はアンテナをジャイロにしただけでこのままでは宝の持ち腐れです。実際の中波DXでは同機のほうが選局は容易だがEX5のほうが実用性は高いと思います。でもこのラジオ、デザインにはそそられますし結構売れてるみたいですよ。
 



 SONY ICF−EX5

 1985年10月発売
 定価 15900円
 周波数カバー範囲:MW(525〜1605kHz) NSB1 NSB2
          FM(76〜108MHz)

 結論から申しますと完成度の高いラジオです。中波のダイヤルスケールが大きな特長で国内を10のブロックに分け、全民放局と出力10kw以上のNHK局をスケール上に表示してあり、表示のほぼ中央で受信できるようになっています。これを利用するとニッポン放送もAFNも簡単に受信できます。もうひとつの特長は同期検波回路を装備していることです。隣接局とのビート混信などからも容易に逃れることが出来ます。感度切替、音質調節、LEDチューニングインジケーター、外部アンテナ端子も付いており、各スイッチ類の使用感も良好。
 大きさは松下の高感度シリーズよりもひとまわり大きい。直径10cmスピーカー搭載で良くとおる音です。
 このラジオは買いです。現行機種。
 



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