ソニー イレブンシリーズ


 松下のワールドボーイシリーズの対抗機種として、存在しているのがこのイレブンシリーズである。どちらが先なのか定かではないが、こちらのイレブンシリーズのほうが先ではないかと思われる。
 なぜ、イレブンなのかというと、トランジスターの使用数ではないかと思うが、このシリーズは複雑でICF型番とTFM型番とがある。(他にもあるかも知れない) 発売年月から言ってTFM型番のほうがこのシリーズの原型ではないかと推測しているが、1967年発売のTFM-110というラジオは11 TRANSISTORである。しかし、110Dとか110Fとかいった派生機種が数多く存在し、使用トランジスター数や色の違い、チューニングメーターの有無、MICの有無等によって分類されている。
 ワールドボーイシリーズが後のクーガシリーズに少なからず影響を与えたように、このイレブンシリーズにおいて培った技術が後のスカイセンサーシリーズに活かされているのは間違いのない事実だと思います。
 1967年と言えば、私は1966年12月生まれですから、まだ初誕生前です。このラジオ達で先輩方は何を聴き、何を想っていらしたのか、興味の尽きないところです。



 TFM−110D 
 (SOLID STATE 11)    
 1966年発売
 現金正価 13800円(本体12500円、皮ケース1300円) 定価 14500円
 周波数カバー範囲:MW(530〜1605KHz)、FM(76〜90MHz)
          SW(3.9〜12MHz)

 私と同じ生まれ年のこのラジオは今年(2004年1月現在)37歳になりますが、とても元気にSTVラジオを聴かせてくれます。SONYさんのラジオもこの時代のものはとても堅牢な作りで感心させられます。
 前面パネルにはスピーカー、ダイヤルスケールとともにバンド切替スイッチ、ダイヤルボタンを配し、右側面にチューニングダイヤル、AFCスイッチ、左側面に電源兼用のボリュームつまみ、TONE切替スイッチ(H/L)を備えています。
 音質、感度ともに良好で同級生かと思うと感慨深いものがあります。

※ 現金正価、定価情報提供 札暢さん


 ICF−110
 (SOLID STATE IC 11)    

 1969年3月発売
 定価 14800円
 周波数カバー範囲:MW(530〜1605KHz)、FM(76〜90MHz)
          SW(3.9〜12MHz)

 上記TFM-110Dの兄弟機種か? 後述ICF-1100の原型となったラジオか? ICF-1100とは装備も似ている。主な装備は、チューニングメーター、ダイヤルライト、AFC、ダイヤル式のTONE調節など。外部アンテナ端子は無い。電源はボタン式。ダイヤルスケールが小さくちょっと使いづらい。
 大きさはTFM-110と同等、ICF-1100よりもひとまわり小さい。
 私が2歳の時のラジオ。まだまだ、がんばってます。



 ICF−1100 
 (THE 11)    
 1971年3月発売
 定価 15300円
 周波数カバー範囲:MW(530〜1605KHz)、FM(76〜90MHz)
          SW(3.9〜12MHz)

 このラジオの天端部分に誇らしげに「SONY SSH」と刻まれている。これは「シングル スーパー ヘテロダイン」の略だと思われる。当時、この手のラジオはシングルスーパーが主流だったのだ。
 主な装備は、チューニングメーター、ダイヤルライト、AFC、高音・低音独立式の音質調節、外部アンテナ端子などである。
 タイマーは無い(私が知らないだけでオプション等あったのかも知れない)が外部アンテナ端子付きの本格派。音質も豊かで感度もなかなかのものだ。



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