★BCLブックについて★



  このシリーズは私にとって最も思い出深い本である。「なにか、北京放送というおかしな放送が聞こえる。」(自己紹介参照)と思っていた矢先、偶然にも書店で出会った。そのときこの本(54年版)に巡り会っていなければ、私は一生BCLを知らない人生を歩いていたかも知れない。
  それは、私にとって大きな損失であり、今となってはBCLの無い人生など到底考えられないことである。まさに絶妙のタイミングでこの本に会わせてくれた神様に感謝せずにはいられない。
  そして、この本を執筆された山田耕嗣先生にも「ありがとう」という気持ちはいまも変わらない。


  入門BCLブック 54年版
  実業之日本社刊 
  監修 山田耕嗣
  定価 600円


 この本はプロフィールのところに出てくる本屋で偶然見つけた『BCLブック』です。この本に出会わなければBCLというものを知らないでいたかも知れません。
  内容はみなさんご存知と思いますが、BCL、短波放送とは何か?に始まり、海外からの日本語放送22局、英語放送8局の紹介、国内中波、FM局の紹介、受信報告書の書き方、受信機、付属機器の紹介とその選び方、アンテナについてなど初心者向けの記事が満載。
  紹介されている受信機はRF-2600、RJX-4800、ICF-6700、6800、7600、KH-3800、2200、FRG-7、7000、BCL-1、CRF-330K、R-288。
  もっとも思い入れのある一冊。

SONY ICF-6800の広告

名機ICF-6800の広告見つけました。
発売から24年経った今でも
国内、海外を問わず中古市場で
高値で取引されている。


  入門決定版 BCLブック
  実業之日本社刊 
  監修 山田耕嗣
  定価 480円


 この本は『BCLブック』の52年度版にあたるものです。入門BCLブックシリーズ最初のものではないかと思われます。54年版では短波放送が最初に紹介されていますが、この本では中波放送が最初に来ています。
  記事の内容はこのシリーズほとんど同じですので、「BCL機器ガイド」にて紹介されている受信機を記しておきます。
  SONY=TR-4400、ICF-5900、CF-5950、CRF-320、松下=RF-1010、2200、RQ-585、東芝=RP-1600F、1700F、2000F、SANYO=RP-8700、TRIO=R-300、三菱=JP-505、日立=TRK5130、KH-2200、DRAKE=SSR-1、YAESU=FRG-7、KENTEC=BCL-1、ビクター=RC-515。
SONY CF-5950の広告

なんともカッコいい。
いかにもBCL少年の心をくすぐるスタイルである。


  入門BCLブック 53年版
  実業之日本社刊 
  監修 山田耕嗣
  定価 550円


  『BCLブック』53年度版です。53年版では筆者の受信室が紹介されています。
  この年度で紹介されている日本語放送局は21局あります。ラジオ メキシコが紹介されています。54年版でも紹介されていましたが、いくらダイヤルを合わせても受信出来ませんでした。
  紹介されている受信機はSONY=TR-4400、ICF-5900、7600、6800、松下=R-288、RF-2200、2800、RJX-4800、東芝=RP-1700F、2000F、SANYO=RP-8700、TRIO=R-300、日立=TRK5130、KH-2200、DRAKE=SSR-1、YAESU=FRG-7、KENTEC=BCL-1、ビクター=RC-515。
NATIONALの広告

カァーーーーッ、たまりませんなぁ。
左側がクーガ2200、右側上がプロシード2800
右側下がプロシード4800。良いですねぇ。
右上の人物は左側が「スウェーデン・アルクティック
ラジオクラブ会長」のラルス・ライデン氏。
右側がかの有名な「BCL歴57年、宮崎日向学院
名誉教授」のヨゼフ・ナジ氏。懐かしいーーー。


  入門BCLブック 55年版
  実業之日本社刊 
  監修 山田耕嗣
  定価 650円

   『BCLブック』55年度版の特徴としては、読者からの声を紹介する「ぼくらBCL全員集合!」というコーナーはこの号を除いて巻末に扱われているが、ここでは巻頭に登場させている。また、初級・中級・上級に分けて「キミのBCLの腕前をテストする」というコーナーもある。上級の中には「RAEの日本語放送を受信できた人」ってのもある。
  海外日本語放送と英語放送をそれぞれ20局ずつ紹介しており、今は無き旧東ドイツのR Berlin int'.も紹介されていていま改めて見ると懐かしい。
  紹介されている受信機はSONY=ICF-7600、6800、6700、TRIO=R-1000、日立=KH-2200、3800、松下=RJX-4800D、RF-2600、YAESU=FRG-7の9台となっている。
  なお、この55年版がシリーズの中で一番厚い。

TRIO R-1000の広告

いま見てもカッコいい。憧れました。
別売りのスピーカーも良いですね。
なんか、どんな珍局も聞こえそうだった。



  入門BCLブック 56年版
  実業之日本社刊 
  監修 山田耕嗣
  定価 650円


  『BCLブック』56年度版です。この号ではTRIO R-1000、JRC NRD-505、コリンズ R-390A、ワドレー XCR-30など筆者の受信機10台が紹介されています。
  日本語放送20局と英語放送11局の紹介、それから『世界のことばにチャレンジしよう』と題してエスペラント語、日本語、中国語、朝鮮語、インドネシア語、ペルシャ語、アラビア語、ロシア語、ドイツ語、オランダ語、フランス語、イタリア語、スペイン語の13ヶ国語のIDの言いまわしやよく聞こえるスケジュールを取り上げている。
  BCLブームも下火になってきたせいか紹介されている受信機もグッと少なくなった。SONY=ICF-7600、2001、松下=RF-2600、TRIO=R-1000、日立=KH-3800、YAESU=FRG-7700とたったの6台にとどまった。
SONY ICF-2001の広告

ついに出ました!!テンキーによる
ダイレクト選局方式の元祖
VOICE of JAPAN!!!
これには私も度肝を抜かれました。
驚いたなぁ〜〜。


  BCLデータブック
  実業之日本社刊 
  監修 山田耕嗣
  定価 650円

   この本は『BCLブック』57年度版にあたるもので、このシリーズ最後のものです。どういうわけか『57年度版』と言う言葉は無く、『データブック』となっています。BCLブームも完全に去ってしまったので既刊のものよりも薄いです。
   日本語放送22局が紹介されていますが英語放送のそれはありませんが、国内中波、FM、TV局の紹介に力を入れており、中波、FM局については送信アンテナの空中線形式、所在地などが紹介され興味深い。また、国内放送局のアナウンサー名鑑もある。
   受信関連機器についてはラジオの他、「メーカー製アンテナ」、「情報ラジオ」(スキャナーやエアーバンド受信機等)が紹介されている。写真入りで紹介されているラジオはSONY=ICF-2001、6500、ICR-4800、松下=RF-2600、TRIO=R-1000、日立=KH-3800、G1、1620、WH-887、TRK-8300、YAESU=FRG-7700の11台。
HITACHIの広告

このシリーズ裏表紙の広告は日立さんがスポンサー。
そのためか受信機の紹介のところでは
写真入りで5台も紹介されている。
どうして杉田かおるが起用されたのかについては
未だに謎のままである。



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