レブンアツモリソウ調査 

 礼文島のレブンアツモリソウは過去の大規模な盗掘もあり、平成5年に施行した「種の保存法」においても、特定国内希少野生動植物手に指定された絶滅が危惧される代表的な植物ですが、礼文島の北部においては環境庁の直轄地として保護柵を設けるなどの様々な対策がとられているものの、南部のレブンアツモリソウは現存数に関するまとまった調査さえもこれまでなされておらず、その実態はまったく解明されていませんでした。
 本調査は現存数を把握するため、開花期に南部のレブンアツモリソウを歩道から確認し、開花個体数の総数や密度を今後の保護増殖に役立てることになります。

 現地調査は6月に9日間実施し、調査方法は歩道からの目視調査(双眼鏡及びフィールドスコープ併用)及びGPSにより観察位置の特定をしました。
 昨年までは目視調査の調査点の位置を自然歩道の木柵等構造物を目印にしていたが、今回の寄付金でGPSと地図データの購入など活動費に101,150円を使用するができ、位置確認の精度を高めることができ、野外での作業が簡略化でき調査範囲を昨年よりも約500m延長することができました。今後は昨年の調査結果の併せた分析を行います。 

 
聞き取りによると、昔、島内広い範囲にレブンアツモリソウが見られたとのことです。歩道から双眼鏡を使って広範囲にわたりレブンアツモリソウを探しました。
外来生物の確認調査及び除去 
 近年、礼文島北部の砂浜で分布拡大しているオニハマダイコンはヨーロッパや北米原産のアブラナ科の植物で、種子は海流に乗り各地に漂着して繁殖します。国内では1982年に新潟で確認されて以来分布を広げています。
 今回の除去作業は大備浜で行いました。8~10月の間に17回除去作業を実施し、延べ28人、1日平均2時間の作業で合計17,851本、45ℓ袋に43袋分を除去しました。
 オニハマダイコンは砂浜に生育していて引き抜くのは簡単なのですが、大きいものは3~4株で袋が一杯になるので、少し手間がかかりますが種と根を切り分けて袋に詰め茎等は砂浜にそのままにし、小さな個体はそのまま袋に詰めました。除去したものは焼却処分しました。
 今年は除去作業の地域を広げ、昨年の3倍近い本数を除去しました。しかし予想以上に分布数が多くまだ除去しきれないほど広がっており、ハマニガナ、オカヒジキ、ハマヒルガオ、ハマニンニク、エゾノコウボウムギなど砂浜の植生内にも侵入して来ています。放置しておくとこれらの植生のバランスが大きく崩れる可能性もあるため来年度も引き続き実施したいと思います。
 車両代や作業代等の活動費で106,000円を使いました。
 作業終了後に記念撮影。種子と根を切り分けたものが袋一杯に入ってます。
 砂浜に半球形の株が見られます。これが大きく育ったオニハマダイコンです。砂浜の各所で見られる様になりました。ここから種子が他の地域に広がらないよう配慮したいものです。   小さなオニハマダイコンですが、この大きさでひょうたん型の果実を複数つけています。
高山植物盗掘防止パトロール
 過去にはレブンアツモリソウをはじめ人気の高い植物が掘り取られ、中にはほとんど見られなくなった種類もあります。現在でも気軽に入れるコースに希少な植物が見られるため盗掘を抑制するためのパトロールが欠かせません。
 パトロールは桃岩歩道と礼文林道で、期間は5月末~8月末までとし、利尻礼文サロベツ国立公園パークボランティアの会などのボランティアの方々や環境省稚内保護官事務所の職員と連携しながら実施しました。また時間帯は礼文町委託の監視員が不在になる早朝と夕方を中心に行いました。パトロールは場所と回数を増やすためほとんどが単独で行われています。またパトロールの参加を呼びかけるポスターを作製して、警察やフェリーターミナル、主な施設や宿などで貼っていただきました。
 パトロール回数は当団体が5月に8回、6月に31回、7月に9回、8月に7回で合計55回行い、他の団体では合わせて26回行ってくれました。常駐の監視員が不在になる時間帯にも人の出入りは自由に出来、実際に個人や団体の出入りがありました。期間中は明らかな盗掘の報告はありませんでした。今後もパトロール活動を続け、盗掘防止に貢献したいと考えています。
 寄付金はパトロールの車両代や作業代の活動費とポスター作製で123,500円を使いました。    

盗掘防止のPR用ポスター
 6月上旬のエゾノハクサンイチゲの群落。この頃はレブンコザクラやサクラソウモドキ、ミヤマオダマキなど人気の高い花が見られます。  近年、ノネコが桃岩歩道を走りまわる姿が確認されています。野生動物を捕食するため生態系への影響が心配されます。  8月上旬は秋の花盛りの頃。エゾウメバチソウ、レブントウヒレン、チシマリンドウ、リシリブシなどが徐々に見られるようになります。

グリーン家電エコポイント寄附により実施した活動

 項目 期間  内容 
高山植物盗掘防止パトロール 5月~8月 盗掘防止のためのパトロールを早朝・夕方を中心に実施。 
レブンアツモリソウ調査 6月   レブンアツモリソウの開花状況や個体数の確認調査を実施。
外来生物の確認調査及び除去  5月~10月  礼文島内に入った外来生物の分布調査や除去作業を実施。 
礼文島環境フォーラム  4月~3月 礼文島の自然環境をテーマにしたフォーラムを実施。

2010年の活動報告

外来植物除去 

 814日に海岸の植物を観察しながら近年個体数の増加が見られる外来植物のオニハマダイコンの除去をしました。参加者は23名でした。

オニハマダイコンは気持ち良く引き抜けます。あっと言う間に山積みになりました。そのまま袋に詰めると袋数が多くなり処理も困るので、種と根を切り分けて袋に詰めることにしました。しかしこの作業にかなり手間と時間が掛かり、また本数を数えながらだったのでみなさん悪戦苦闘していました。


 作業は約1時間半で約6,500本のオニハマダイコンを除去し、45リットルの袋で19袋になりました。それでもまだ除去出来ずに残るオニハマダイコンに後ろ髪を引かれる思いの参加者も多い様でした。活動費として31,000円を使いました。

    
 オニハマダイコンを抜きとって袋に詰めているところ
記念写真です。大収穫に満足そうでした
 

 利尻島と礼文島のお互いの外来植物問題を把握することと、除去作業を通じて交流を深めるため平成20年から外来植物除去交流会を実施しています。平成22年度は920日に利尻島で、925日に礼文島で除去作業をしました。

利尻島では礼文組が9人、利尻組が10人の合わせて19人で南浜湿原に群生しているオオハンゴンソウ(特定外来生物に指定されている)を2,300本を除去することが出来ました。活動費に41,681を使いました。

礼文島では礼文組が5人、利尻組が3人の合わせて8人で桃岩展望台付近の歩道沿いに群生しているシロツメクサを主に除去し、45リットル1袋分を除去することが出来ました。

 
引き抜いたオオハンゴンソウの本数を数えているところ
 礼文島の作業風景 利尻島で記念撮影 

2011年度の活動報告

2011年度の活動予定

これまでに頂いた寄付額は 1,849,609円です (2012年3月現在

礼文島環境フォーラム 

2012年121日(土)13時半からネイチャー礼文にて、環境NPO礼文島自然情報センターと環境省稚内事務所共同で礼文島環境ミニフォーラム「自然歩道の賢い利用」を開催しました。参加者は関係者を含め17名でした。
 講師の岡田伸也氏から、利尻山をはじめとして、各地で行われている実際の登山道補修事例を元に、登山道がなぜ荒廃するのか、あるいは荒廃したときにどうやって治せば良いのか?ということを、土木技術的な視点から見せて頂きました。
 お話の中から、今後どういった荒廃が起こり得るのか想像し、この想像力こそが山の自然を守るためには一番大切で、また登山道の補修というのは、本当は、病気と同じで、悪くなる前に予防しておくことのほうが大事だということが伝わってきました。
また礼文島内でも歩道整備が行われています。その中で、礼文森林事務所が実施している補修の事例を木下
皓晶森林官から紹介して頂きました。
講演後、参加者のディスカッションでは、礼文の歩道の良し悪しや、歩道整備を考えるためにはどの様な管理が必要か?などの意見や感想の発言が出され、礼文の歩道をより良いものにするために一歩前進したように感じられました。
 今回の寄付金で作業代や車両代等の活動費、PR用のチラシ作製と配布や講師代で合計94,000円を使いました。

 礼文島環境ミニフォーラム「自然歩道の賢い利用」の開催風景。 
 2012年226日(日)13時半からネイチャー礼文にて、環境NPO礼文島自然情報センターと環境省稚内事務所共同で礼文島環境ミニフォーラム「いきものつながりカルタ大会」を開催しました。(チラシはこちら) 
 昨年から町民学習交流会や文化フェスティバルなどで読み句を募集して、多くの方に参加頂いていた「いきものつながりカルタ」がついに完成しました。今回はお披露目を兼ねたカルタ大会を開催しました。当日は悪天候の中、10名の方に参加していただき、白熱した戦いがおこなわれました。このカルタはただ札をとるだけではなく、札をとった後、写真や絵を見ながら解説を聞くことで、礼文の生物や自然の学習ができる内容になっています。
 3回のゲームで一番多くの札をとった人から順位をつけ、優勝者には利尻昆布が贈呈されました。
 このカルタは14組作製し礼文の自然といきもののつながりを学ぶ教材として町内の各学校や教育委員会等に配布します。
  今回の寄付金では作業代や車両代等の活動費、PR用のチラシ作製と配布、カルタ作製で合計 203,386円を使いました。
 
カルタ大会の様子
 取り札
レブンアツモリソウ調査 
 礼文島のレブンアツモリソウは過去に大規模な盗掘があり、平成5年に施行した「種の保存法」において、特定国内希少野生動植物種に指定された絶滅が危惧される代表的な植物です。礼文島の北部では環境省の直轄地として保護柵を設け、監視員が数名配置されるなどの様々な対策がとられていますが、南部のレブンアツモリソウは現存数に関するまとまった調査がされておらず、その実態はまったく解明されていませんでした。
 本調査は昨年に引き続き現存数を把握するため、開花期に南部のレブンアツモリソウを歩道から確認し、開花個体数の総数や詳細な位置を把握し今後の保護増殖に役立てます。

 現地調査は6月に8日間実施しました。調査方法は歩道からの目視調査(双眼鏡及びフィールドスコープ併用)及びGPSにより観察位置の特定をし、高倍率のカメラを用い詳細な位置を記録しました。
 現地の記録は画像と照らし合わせ、開花数と詳細位置を確認しました。その際には目視で確認できなかった個体も把握できました。また、詳細位置を把握することによって盗掘が行われた際にも事実関係が判ると考えられます。

 今回の寄付金では車両代や作業代などの活動費のほか高倍率のカメラを購入し187,250円を使用しました。
 なお、調査結果は盗掘等に繋がる恐れがあるために公開は控えさせて頂きます。調査結果はレブンアツモリソウ保護増殖関係者に参考資料としてお伝えする予定です。
 高山植物盗掘防止パトロール
 パトロール期間は5月23日から7月3日の42日間になり、主に早朝と夕方に実施しました。参加者はボランティアと宗谷森林管理署礼文事務所の職員を含めて延べ250名となりました。パトロール場所はこれまで桃岩歩道と礼文林道が中心でしたが、寄付金を活動費にあて、江戸屋山道、ゴロタ山周辺もパトロールすることができました。また、パトロールの参加を呼びかけるポスターを作成して、警察やフェリーターミナル、主な宿などへ貼っていただき関係機関の協力を得ることができました。期間中は盗掘の報告がされなかったことが何より嬉しいことでした。
 また、北海道高山植物盗掘防止ネットワーク委員会の会員にもなり先進地の事例の取得と、全道的な活動の展開へ繋がることを期待しています。
 寄付金はパトロールの活動費とポスター作成、北海道高山植物盗掘防止ネットワーク委員会入会費にあて、36,770円を使いました。    
 
パトロールを呼びかけるポスター
   
レブンキンバイソウやクロユリ、チシマフウロなど、
希少な植物が数多く見られるお花畑
6月24日19時10分頃
夕暮れ前に散策を楽しむ観光客
6月25日18時20分頃