ABR検査
    
    音刺激により特徴的な波形の脳波が誘発されることを利用して
    聴力閾値(しきいち:検査を受ける人が聞こえる最も小さい音)を
    推定する検査です。
    特徴的な波形が消失する直前の音圧を閾値とします。
    左右別に測定し、測定時間は約30分〜1時間です。
    体の動きがあると正確な脳波が側定できませんので
    通常は睡眠導入剤を使用します。
 

AABR(自動ABR)検査
    
    新生児期に短時間で検査を実施するために開発された機器です。  
    原理はABRと同じです。
    検査音によって生じた脳波と、すでに機器内部に入力されている
    正常波形とが比較検定され、正常波形と一致する場合は”PASS”
    一致しない場合は”REFER”と結果が表示されます。
    35dB程度の(ささやき程度の音)を聞き分ける力がある場合が”PASS”と判断されます。
    よってABRのように聴力の閾値の推定はできません。
    両耳同時に測定可能で、例外を除いて測定時間は5〜10分程度です。
    検査が短時間ですみますので、通常は自然睡眠下で実施可能です。
赤ちゃんの聴力検査は健康診断と同じで、健康保険の対象になりません。
私が聞いたところでは、5〜6千円と聞いています。

自治体によっては、新生児聴覚検査事業として生後28日までのお子さんを対象に
比較的精度の低い1次検査を実施している所があります。
費用の3分の1ずつを国と県が負担する制度がありますので病院、自治体へ
お問い合わせください。
検査はいくらかかるの?
もし「要検査」の結果がでたら?
「要検査」という結果は「もう少し詳しく調べてください」という意味で
「要検査」イコール「難聴」ではありません。
健康診断で「要検査」の結果が出ても、精密検査で「異常なし」という
場合があるのと同じです。
息子は、生後3ヶ月の時に検査をして、「合格」という結果が
出ましたが、あくまでも目安なので、2,3歳になってから再度検査を
するように進められました。

もしも「要検査」の結果が出たら専門家の先生と一緒にさらに詳しい
聴力検査を行い、聴力の発達を注意深く観察していく事が大切です。
そして、万一難聴と診断されても、早期に診断され的確な治療と
トレーニングを受ければ、普通のお子さんと同等、もしくはそれに
近づく言葉が発達します。

授乳の後や、沐浴の後の赤ちゃんが眠っている時に、耳にヘッドホンのような
形の物と、3ヵ所に小さな電極を貼り付けます。
ヘッドホンから小さなクリック音を出し、赤ちゃんにこの音に対する反応を
装置で測定します。

測定時間は5〜10分程度です。
クリック音と、電極は赤ちゃんには全く影響がありません。
クリック音に、脳が反応してABRという特殊な脳波を発しこの脳波を検出して
正常児のABR形と比較します。

どのように検査するの?

赤ちゃんはお母さんのおなかの中にいる時から、お母さんの話しかける
言葉や物音を聞いて育っています。
現に息子も、私が妊娠中に勤めていた学校事務のチャイムの音を
おなかの中で聞いていたことを教えてくれました。

聞き取ったことは、脳に学習されて言葉を覚える能力が発達していきます。
また、お母さんが話しかける言葉は赤ちゃんを安心させて情緒を
安定させます。

言葉の発達は2歳に近づくと本格的に始まりますので、赤ちゃんが
おなかの中にいる時から1歳頃までは大変重要な時期だと言われています。
ところが、実際には2〜3歳になって言葉が遅れることで
難聴に気が付くケースが多いのです。

赤ちゃんの音に対する反応があいまいで、見逃してしまう場合があるからです。
大切な時期によく聞こえずに過ごしてしまうと、言葉を覚えたり音を聞き分ける
能力や、情緒が十分に発達できないおそれがあります。

難聴がより早く発見できれば、治療とトレーニングによって言葉の遅れを
最小限にすることができます。
聴力の検査は、早ければ早いほどよく、誕生後の入院中に行う事もひとつの方法です

赤ちゃんの聴力検査はなぜ必要なの?

聴力検査について

下記に初期的な2つの検査方法を簡単にまとめました。
詳しくは最寄の耳鼻科等へお問い合わせ下さい。