<個人山行記録>
2001年7〜9月 ・真夏の大谷山
<個人山行記録>
2001年7月
真夏の大谷山  
                           小松:記 
 6月の百瀬川右俣源頭は霧の森だった。漂う霧のかもしだす幻想的な風景にみとれ感嘆の声を上げるばかりだった。
 7月末一番暑い季節。それでも、やっぱり源頭のブナにあいたくて又、石庭から大谷山を目指した。
 地元の人ともすっかり仲良くなって、許可をいただいた場所に車を置かせていただく。この田の持ち主は若い頃、峠道にある炭焼きがまで炭焼きをされてたそうだ。
 一度ゆっくりとその方のお話を聞きたいものだと思う。
 いきなり茅とススキの藪の洗礼を受けるがすぐに歩きやすくなる。さすがに真夏の炎天下、樹林が優しいとはいえ、汗がしたたり落ちる。20分ごとに休憩しながら凍ったヨーグルト、ゼリー、ポカリスエツトが胃に収まっていく.それでも快調に、予定通り百瀬川右保源頭に着く。どの木にも愛着があり、又来たよと声をかける。400年以上の慶史を持つこの道をいつまでもこのままで、ここの住人たちと共有させてもらいたいと思う。
 ブナの森はこの季節でもやはりみずみずしく美しい。ゆっくりと鹿三頭が目の前を横切っていった。
 仲間二人は、ここでお気に入りのブナの絵を描くためここに留まるという。私は、もう一人の友と大谷山を目指す。鞍部から新庄側からのルートとの出合までは、すすきとツゲの藪で踏み跡も定かではない。見覚えのある木を目和に慎重に進む。4月の藪とちがいこの時期の藪はなかなかのものである。それでも、それに喜びを感じるのは習性というものだろうか?
 藪を抜け、県境の草稜に出るとそこは別天地、涼しい風が通り抜け、琵琶湖が、日本海が輝き、期待通りのすばらしい光景が広がっていた。
 大谷山ありがとう。しばしの時を楽しんだ後、友の待つ右俣源頭へと急いだ。