原発事故 政府の対応
本稿の趣旨:原発事故を起こした日本へ部下を送らざるを得なくなった後輩の苦悩をなだめる目的で書いたメールです。 戻る
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Hallo, Carlos-Nagase-san.
なに? 日本は大丈夫かって?
少なくとも、君の部下たちは元気にしているよ。生まれて初めて見る雪にいたく感動していた。ただ、この寒さで、本国から送られてきたバナナがなかなか
黄色くならないと嘆いているが。
あなたの心配も ごもっともだ。
私はあなたの部下へ既に忠告した。日本での実習期間の三年間は、念のため、牛乳とキノコの類はわざわざ買っては飲み食いしないようにと。
なぜなら、この二品目は、ご存じチェルノブイリの原発事故で特に危険な食品であることが判明しているからだ。
福島原発事故でも同じ警戒を敷いた方がいいだろう。
一方、チェルノブイリ原発事故では海洋汚染のデータが無く、魚介類の危険度は未知数だ。
しかし君たちの部下は、なんと、日本の窮状を事前に調べた上で、魚介類の缶詰を本国から取り寄せることにしたそうだ。賢明な判断だ。
その第一便がこの前届いた。ドーンさんは「あなたもどうですか?」と私に言ってくれるが丁寧に断ったよ。悪いが私の口には合わない。
あなたの質問に、幾つか思い出せる範囲で書き並べると、こんな感じだ。
・よく報道で出てくる暫定基準値とは、全面核戦争で食うモノがなくなった時にやむなく口にする時の基準。
・3か月以上先の事など想定しておらず、バカ高い暫定基準値の範囲内だからといって、いつまでも「ダイジョーブ、ダイジョーブ」というわけにはいかない。
※「ダイジョーブ(Dai-jou-bu、大丈夫)」 means "no problem" in japan. Of course, I use it with irony...
・魚介類は、以前なら「宮城県産」「茨城県産」などとなっていたのが単に「太平洋産」「日本産」とする産地偽装(Deceptive labeling of production centers)表記が増えた。
・カツオ(Bonito)はたったの2匹検査しただけで早々に“安全宣言”。
・しかしカサゴやアイナメ、カレイなどの根魚(Rockfish)や肉食魚(Fish Eater)の放射線量は非常に高い(1220〜1480Bq/kg)
・チェルノブイリ周辺国では、37Bq/kg以上の食物は成長期の子供に与えるなとされている。
・それはもはや産業廃棄物であると専門家は指摘する。
・『ダイジョーブ、ダイジョーブ』と言われているコメは、実にその三倍以上もベクレっている。
・野菜から放射能が検出されているのに“風評被害”なる言葉で実態を矮小化している。ここ一年で日本では「風評」(Damage caused by rumors)の意味が変わった。
・このような状況下でなおマスメディアは“食べて応援”などと言っている。
・敵性国家に餌付けされた日本の馬鹿なコメンテーターどもは、日本人を不健康にしたくて仕方がないようだ。
・「祝、日本大震災」「出玉の大津波」(advertisement of pachinko )などと日本国内で大はしゃぎしていたクズ共に天罰が下りますよーに。
・なのに義捐金でその敵性国家を潤すパチンコに行って貢いでいる一部の被災者たちもまた救いようがない。義捐金を返して欲しい。
・汚染食品による内部被曝が危惧されているが、許容量は、なんと『国民の学習能力(これは危険ではないかと避ける)を見越して設定したからダイジョーブ』。
・汚染された源乳(Milk before processing )を、他産地の源乳と混ぜて『薄まったからダイジョーブ』。
・チェルノブイリの児童らは、この“解決法”をとった牛乳を飲んだため、大人になってから発育不良や流産・死産などの健康被害を受けている。
・コメもそうだが初動において産地を判らなくしてしまったことは、安全なモノまで疑われることになるから、近い将来一次産業に禍根を残すことになるだろう。
・首都圏の水源は、原発事故以前から黄砂(China dust storms)に混じって飛んでくる放射能で汚染されていた(0.5Bq/kg)。
・しかし原発事故後、その放射能汚染は“ゼロ”になった。
・なぜなら20ベクレル以下は公表しないことになったからだ。19ベクレルまでは混入していても一般人は知る術がない。
・福島第一原発の屋根が吹き飛んだ時、放射性物質を警戒するための風向き情報を、日本の気象台は何も提示しなかった。
・原発事故発生時の早期警戒システム(SPEEDI)の結果は、パニックを防ぐため日本国民に「は」隠蔽されたからだ。
・そのため我々は、スウェーデンやドイツの気象台から、日本の風向き情報を、情けない思いをしながら入手するハメになった。
・あなたの部下の実習先、北関東は、放射能飛散ルートのいずれからも外れてはいる。
・しかし、水源である山岳部には多量の放射性物質がまともに降り注いでおり(Fallout)予断を許さない。
Distribution of radioactivity
・震災前に採石したはずの建材で作った新築の建物から屋内よりも強い放射能が検出された。
・原因は、原発事故後、政府がダイジョーブダイジョーブしか言わないので、野ざらしにしたがための汚染だった。
・インターネットで公開されている原発のライブカメラは、煙を出す度に公開を停止する。
・放射線量の測定を土日休むことにした。人々は公表できない工事を土日に行うための布石ではないかと疑っている。
・新たな基準値も、事前に統計取ってカンニングし、「これならまさか超えることはないだろう」的な上限を決めたフシがある。
・事実、福島のコメをダイジョーブ、ダイジョーブと出荷しておいてあとから「やっぱりダメでした」。← 一事が万事こんな調子。
・現政権は、どうも日本人の数を将来にわたって減らしたくて仕方がないらしい。
・野田総理の“収束宣言”は、まだ戻れない避難区域の区民から反感を買っている。
・原子炉が依然として露天状態であるなら、放射能は未だに漏れ続けている。冷えているかどうかの判定すら困難だからだ。
・工程表の帳尻合わせだと非難する向きもある。
・政府は周辺住民を避難させるだけのスペースなど無いことを知っており、住民の安全より経済を優先させた。
・外国人記者はより信頼できる情報を求め、日本政府の外国人向け報道の場にはついに誰も集わなくなった。
・事故発生時に風向きの悪かった地域の住人は、可哀想だが恐らく未来永劫戻れないだろう。もし戻したらそれは人命軽視。
・そして日本弱体化の隙を付くように日本周辺の泥棒国家は結託し、火事場泥棒の準備を着々と進めている。
Thieves' at a fire action
・・・まだあるが、キリがないのでこの辺にしておこう。
外から見て、この国のすったもんだは随分間抜けに見えているのではないかな? まったくお恥ずかしい限りだ。
尤も、いかなる方法がベストだったかなんていうのは、後になってみないとわからないものだから、偉そうなことも言えない。
本来、他の国であれば、川の水で冷却していた原子炉を、津波が起こりうる海岸にセットアップしたのがそもそもの間違いだった。
だからといって、じゃぁもし川の近くに原子力発電所を建設していればノープロブレムだったかというと、そうとも決して思えない。
原子力は、ヒトの手に余るモノなのだ。
あなたの国で、便利を求め、快適を求めて敷設したハズの原発が事故を起こした時のことを想像してみてください。
もし、住人全員を避難させるだけの国土が余っているのであれば、原子力発電も一つの手であろう(推奨はしないが)。
しかし、そうでない場合、あなたの国は原子力発電を導入すべきではない。あなたたちは全力で反対すべきである。
あなたとあなたの子供たちの将来のために。
東京の人々は、原子力発電で作られた電気を自分たちが使うにあたり、自分たちの地域に発電所を建てるのではなく、
自分たちの居住に全く関係のない東北の地に建てた発電所から電気を引いていた。
なぜ自分たちの土地に建てなかったというと、それは、やはり事故が心配だったからだ。もし事故が起こっても自分たちは安全というわけだ。
原発事故の避難民にとって、原発誘致の補助金は、その代償に見合うものだったのだろうか?
あとこれは、私の高校の社会科の資料集に書かれていたことだが・・・
昔、日本政府が、産業廃棄物を、東南アジアに海洋投棄しようとして、地元住民の反発を買った。
政府は地元住民に「安全だから」と主張するも、地元住民は「安全なら東京湾に捨てるべきだ」と反論していた。
この顛末がどうなったかまでは知らない。
だが、少なくとも日本政府は、ロシアやシナみたく黙って他人の庭に踏み込んだり不法投棄したりはしないことがわかった。
あと、東南アジアの住民は、福島県民や青森県民よりは聡いということも。
もし外人が、あなた方の土地を、幾ばくかのカネを渡してゴミ捨て場にしようとしたら、あなた方は全力で反対しなさい。
そしてこう言いなさい。「安全ならおまえたちの土地に捨てるべきだ」、と。
最後の項目、幸いなことに、あなたの国土は泥棒国家ロシアや朝鮮とは物理的に離れている。
しかしシナの動向には注意しなさい。現に今、誰がどう見たってあなたの国以外のどこでもない島と領海を、自らの領土と主張しているだろう?
たぶんシナの支配層の脳みそは、世界の趨勢から半世紀以上は(知恵)遅れている。今どき帝国主義なんて流行らないっての。
だから、日本の尖閣諸島を狙っているのと同様に、あなたの国の領海と島を資源を虎視眈々と狙っている。
The Japanese map seen from an aggressor's China
日本のスタッフからも聞いているとは思うが、元々尖閣諸島が日本領であることはシナも認めていた。それはシナ人が遭難したときの記録にも残っている。
しかし1970年代、国連の調査団が尖閣諸島に海底資源があると発表すると、シナはにわかに尖閣諸島を自国領であると主張し始めた。
まったくもって恥知らずの厚かましい連中だ。
さきの尖閣諸島をめぐる対立において、シナは、日本の“軍艦”がシナの“漁船”にぶつかってきたという嘘と図解を一ヶ月以上にわたって掲載し続けた。
日本の海上保安庁の一人が、衝突したシーンをwebに公開すると、日本に非があるのは明らかだとよくわからない逆ギレをしている。
おまけにシナの船長は向こうでは英雄扱い、真実を流した海上保安庁職員は機密漏洩という言いがかりで書類送検された。日本の役人が日本人を訴えたのだ。
いかに今の日本政府は経済のためにシナに媚びへつらい、真の国益とは何かを考えようともしない無能政権であるかを如実に示す一例だ。
今この瞬間にもシナは、日本近海の油田を盗掘している。軍事的裏付けのない日本はシナの狼藉に指をくわえて見ているしかない情けない状況だ。
しかしあなたの国はそうなってはいけない。
不幸中の幸いなのは、もう一方の迷惑国家の雄、戦前にあなたの国を、そして戦後はこの国をずっとカネヅルにしてきたアメの化けの皮は剥がれつつあること。
まぁ見ていてくれたまえ。日本が平和ボケから目覚め、戦勝国に押しつけられたくだらない呪縛から自らを解き放った時には、我々もすぐあなたたちの後を追う。
そんなわけで、話はそれたが、実習生の本業はともかくとして健康管理は任せなさい。
三年後、彼らがゲッソリ細って帰国することもなければ、彼らと妻との間に奇形が誕生するなんてことも決して無いよう善処するから。
The tomato which is said to have gathered a harvest in Saitama last year
ただアレかな? 彼らにあんなに時間を取って日本語学ばす必要があるのだろうか?
なぜなら、この国は急激に衰退するからだ。無意味になるかもよ、彼らの苦労。
1755年のリスボン大震災でポルトガルが二度と世界の表舞台に姿を現すことが無くなったのと同じように、
この国も、状況は刻一刻と変化しているにもかかわらず、従来の延長線上でしか対策を打たねば同じ轍を踏む。
そしてその手立てはあるのに誰も遣りたがらないんだね。特に『持てる者』の抵抗は相当なものになるだろう。
国と国との交流ってのは結構ゲンキンなもので、メリットが無くなればハイさようならだ。日本が世界にスルーされるようになること自体は別に構わん
(現状を見るとむしろ望むところだ)。だが、もし日本語版のWindowsも出なくなったら、もうこうしてお互い情報を交わすことも難しくなるからね。
Regards, 変と共に ※名前は変えてあります。
(2012.3.10)
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