電 源に持病持ち SHARP X68000 XVI 

国 内では珍しくモトローラ社製のCPU MC68000を使ったシャープの16ビットパソコン。初代機の付属ソフトがアーケードゲームの「グラディウス」ということもあり、ゲーマー垂涎の的で あった。XVIというのは動作クロック周波数16MHzの意。とにかくビジネスソフトが移植されず、せっかく大枚はたいたことだしプログラミングでも勉強しよ うかなと思いつつ、結局ほとんど付属ワープロ&ゲーム専用機になってしまった。後にCPUを32ビットにしたX68030という機種も出たが、ソフトの互 換性では本機の方が優れていた。そのうちシャープ自体が途中から拡販の熱意を失い、PC-88とも違って世間一般には存在自体をほとんど知られぬままひっそり滅 亡。「な ければ作れ」がユーザーの合い言葉だったように、メーカーの後方支援がほとんど無かったのが敗因と考える。
 マイナー機種のユーザーたる者、買っ た自分がホントにこれ単体でペイできるかどうかを考えたうえで購入する必要があったのだなとつくづく思った。ドラゴンスピリットやグラディウスⅡ、パロディウスなどを特によく遊んだが、一回 100円換算だったとしても、元を取れた自信がない。。。




上のゲームのためだけに、GS音源モジュールを買うという暴挙に出ていた。減価償却にDTMでも始めようと思ったら、楽譜作成ソフトの高いこと。諦めた。





X68000 は、どの機種にも言えることだが電源部の経年劣化により終わりを迎える個体が異様に多い。経年劣化とはいうものの、こうも多発の事例をきくと設計ミスでは なかったかと思うほど。唯一の救いはシャープが後日、別のコンピュータ上でX68000の振る舞いを真似るソフト(つまりエミュレータ)のためのIPL- ROM(・・・BIOS?)や、OSなどの無償公開に踏み切ったこと。ただし、著作権をフリーにできない部分は削除されての公開となった。

そ れでも持ってた証にと、やってみましょうエミュレート。まずは、無償公開されているIPL-ROMを落とす(以下、サイト名が個人の方っぽいのもあるた め、デッドリンクになってたら申し訳ないが、ここからの入手は諦めて下さい)。昔はニフティでしか公開されていなかったので悔しい思いをしたが、いつしか 普通に公開されてた。

http://www.ksky.ne.jp/~yamama/emul/download.htm

にてX68000のIPL-ROMなどを入手、エミュレータは幾つか有志の個人や団体から配布されているのでそれを使う。自分はPI.氏の「XM6」

http://www.ipc-tokai.or.jp/~ytanaka/x680x0/xm6.shtml

を 採用。このエミュレータは、XVIのIPL-ROMではなく、EXPERTという機種のそれを使う。別途必要なMFC7.1およびVC++7.1ラ ンタイムの共有DLLもいつの間にか必要になっており、この2つのDLLファイルと、IPL-ROMを、エミュレータ本体と同じフォルダか、 Windowsのsystem32フォルダに放り込もう(環境によっては既に入っている場合もある)。

次に、フォントデータを実機から吸い出す。

http://www.ksky.ne.jp/~yamama/emul/

から、2001年に開発ストップ中の別なエミュレータであるyamaya氏作「EX68」 の付属ツール(X6_UTILの中のGETROM.X)を実機へ持って行き、出来たファイル(3ファイルくらい出来たような?)のうちのひとつ-770KBくらいの -がそれなので、リネームしてcgrom.datを作成しよう。

現時点ではこのcgrom.datは、X68Kの実機無しでは生成できない。Windowsのフォントから偽物は作れるが*、起動の度に正統なX68K所持者でない旨のエラーが出る。

*ちょっとインタラプトが多すぎなのでここに別途記す。http://www.geocities.jp/winx68khighspeed/ からまたまた別のエミュレータ、「winx68高速版」(けんじょ氏のエミュレータ「けろぴー」をtamu氏が改良したモノ)を、IPL-ROMと一緒のフォルダに置いて実行すると出来るcgrom.tmpを、cgrom.datとリネームし代用する。めんどーならここから




こーなるはずだ。

肝心のゲームをどうするか? 現在ZOOMなどからフリーで公開されているゲームを動作確認に使う。

http://www.zoom-inc.co.jp/html/downlord4-2.htm
※↑2008年1月現在デッドリンク中


市販ゲームの、かつプロテクトを解除したFDは、これで。

http://www.geocities.co.jp/SiliconValley/4491/yrelese.html

拡 張子は、とりあえずXDFに。YOH氏のFDDOWN.Xは、隠しトラックをも使っているFDに対応しているので、そうでないゲームを吸い出してエミュ レータにかけると、「ディスクイメージの一部が欠落しているか、または余分があります。1.25MBイメージのエミュレーションを行います」というエラーメッセージが出る。実害はないが、気になるなら、バイナリエディタで後半の空データ領域を(バッ クアップ取った上で)削ろう。1232KBになるはず。問題は、これらのツールを今さらどーやって5インチFDのX68Kに持って行けばいいのか*? という大関門があったのだが、それは別の話になってしまうので割愛させていただく。

*メディア変換サービスを利用させて貰った。PC-98と同じ1.25MBフォーマットであることを事前に伝えておけばベタコピーでいける。



BGMはMIDI対応だが、内蔵音源版に喰われていた感のあるグラナダ。テレネット(WOLFTEAM)の作品。
スクロールがややコマ送り気味なのは仕様





サウンドテストが1ループで止まってしまうため、惜しくも私的ゲーム音楽コレクションからハズされてしまった
TECNOSOFTのサンダーフォースⅡ。ここでの下積みがあったため、初期MDラインアップの中では突出していた。



正 直、メガドライブでなじみのあったこの2つのゲームの為だけにX68Kエミュレータを導入したと言っても過言じゃない。正統な所有者ではあっても、ディス クが読めなくなったらもうサポートはないのだ。テレネットはエ口ゲーライセンサーへ転身、テクノソフトも、X68Kをプログラマごと”ゴミの日”に出し ちゃったそうだし。しかしこの、シャープの英断で 本体は滅びてしまっても、あの黄金期に友人と競い燃えたゲームとその思い出とは生き続ける・・・。

シャープのWebサイト
http://www.sharp.co.jp/


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