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チアノーゼとは?? |
●チアノーゼについて
チアノーゼとは,皮膚や口唇,爪などが紫色になることをいいます.
呼吸,循環,血液などさまざまな異常によって起こりますが,心疾患に伴う場合には,主に心臓で
の右左短絡,つまり全身から戻ってきた静脈血が心臓で穴を通して大動脈に入ること
によって生じます.
チアノーゼを呈する代表的な疾患はファロー四徴症です.
本症では右室から肺動脈にかけて狭く,大動脈が右室と左室にまたがって出ていますので,大きな心室中隔欠
損を通して静脈血が大動脈に流れます.
朝方や哺乳後などに急激にチアノーゼが強くなる低酸素発作を起こすことがあります.
予防薬を飲んでも発作が起きる場合には,大動脈の分枝の鎖骨下動脈と肺動脈をつなぐ短絡手術が行われます.
肺動脈や左室の成長が十分であれば,心室中隔欠損を閉鎖し,右室から肺動脈にかけて拡大して狭窄
を解除する心内修復術が行われます.
短絡手術をするとチアノーゼが改善し,心内修復術を行うことでチアノーゼがなくなります.
チアノーゼを呈する疾患のなかで比較的多いのが肺動脈閉鎖あるいは肺動脈狭窄を伴う無脾症候群・多脾症候群です.
これらの疾患は単心室の形態を呈することが多く,最終的な手術として上大静脈,下大静脈あるいは右房と肺動脈とを結ぶフォンタン型
手術がしばしば行われます.
フォンタン型手術を行うことでチアノーゼは消失しますが,なかには開窓(穴あき)フォンタン型手術のように心房間に穴があいている術式
では,チアノーゼが軽度残る場合もあります.
しかし条件が整えば,いずれカテーテルを用いてその穴を閉鎖することにより,チアノーゼがなくなる可能性があります.
年長児や成人のチアノーゼ型先天性心疾患患者にはさまざまな問題が出ることがあります.
チアノーゼが強いと身体の活動性が低下し,不整脈,感染性心内膜炎,多血症から血液の粘稠度が上がり,頭痛,失神,めまい,視力障害などの中枢神経系の症
状が出ることがあります.
腎機能の悪化や痛風のように尿酸値が高くなることもあり,定期的な検査が重要です.
鉄分の多いバランスのよい食事を心がけましょう.
また,運動によってさらにチアノーゼが強くなることがあり,ある程度の運動制限が必要です.
簡単ですが,チアノ−ゼについて書いてみました.
山形大学医学部小児科 鈴木 浩 助教授
Wednesday, March 21, 2001 up
●このwebサイトについて
山形県心臓病の子どもを守る会に賛助会員として、いろいろご支援をいただいている県内の先生方から
支部会報誌にいろんな情報を投稿していただいた記事について、少しでも多くの皆さんにおつたえすべく
公開掲載とさせてもらってます。このwebサイトが心臓病という心を開くゲートウエイとなれれば
幸いです。
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