9月14日(木曜日)

 毎日 アパートからアカデミーまでは地下鉄で通っています。鉄道が大好きなので、こちらに来てから買った地図を見ながら、どのようにのりかえをしたら楽に行けるかいろいろためしています。
 アパートの最寄り駅はベラルースカヤ、アカデミーの最寄り駅はアルバーツカヤです。
 はじめは ベラルースカヤ→チェーホフスカヤ(のりかえ)トヴェルスカヤ→ボロビツカヤ と行っていましたが、どうもメンデレーフスカヤの方が近いような気がして 歩いてみると、同じくらいだし、何よりのりかえがないのが楽でした。ただし ボロビツカヤとアルバーツカヤはのりかえ駅といってもかなり遠く、もっと良い方法がないかと考えて、今日は アルバーツカヤ→キエフスカヤ(のりかえ)→ベラルースカヤというふうに帰ってきました。歩きが少ないので楽です。
 とにかくモスクワでは歩くことが多く、普段 車生活をしている軟弱者の私は、帰ってくると足がパンパンに腫れてしまいます。夜 地下鉄で帰っていますが、今まであまり怖い目には逢っていません。
 駅をゆく人々の風景はどこの国も同じですよね。
 ここをゆくほとんどの人は善良な人でしょう…
 しかし ごく一部の人が起こすいろいろな事件の故、モスクワは危険な街というイメージが日本にはありますよね。
 でも 明日にも怖い目に逢うかも知れませんので、特に帰りは緊張して歩いています。できるだけ地元の人に見えるように早足で歩く、キョロキョロしない…
 うん…カッコだけはまあ…


  9月15日(金曜日)
 
 タチヤーナ ゲオルギエヴナ(サープリン夫人)がパンフレットを持ってきて下さった国立東洋博物館(ニキツキー並木道12A)にふらりと寄ってみました。ここは 東洋の美術品、服飾、武器、農耕の道具など、あらゆるものを展示してあります。国も 日本、中国をはじめイラン、東南アジア、モンゴル、カフカス(東洋に入っていたのはちょっと不思議でした。でも西洋ではないですよね)、アラブ、インド、ヤクートと広い範囲に渡っています。
 日本のものでは着物、お茶道具、和箪笥、いけ花の花器、掛け軸、仏壇(中に入っていたのは、何と大仏様でした!) 家で見慣れているものをモスクワで見ると、何とも不思議な気持ちになりました。
 他の国々のものに関しては、全く初めて見るものがほとんどで、それぞれの国の文化を肌で感じる貴重な機会になりました。こんなに広い地域のものを一度に見ることができるのは、今までなかったですから。
 見事だったのは やはりペルシャ絨毯、あと 戦記物を読むのが好きな私は、それぞれの国の武器も興味深く見ました。
 博物館の職員の方も 私が東洋人なので「どこから来たのか?」と聞き、日本人だと言うと とても親切に説明して下さいました。毎日の厳しいレッスンの合間のとても楽しいひとときでした。



  9月16日(土曜日)

 夕べ 夜の練習を終えてアパートに戻ったのは、10時半過ぎ。さすがに疲れが出て 少し風邪ぎみなので、もう今日は朝は寝ていようと思いました。
 しかし 練習しなくてはと思うと、4時間弱で目が覚めてしまうのです。時間はきっちり6時半。起きられるものなら練習しようと起きて出かけました。何しろ ここでの時間は明日までしかないのです。
 やっぱり朝なら 練習OKなのです。
 明日には出発するので、何とか体は持つと思いますが、少々危険を感じています。
 午後からは モスクワ音楽院のラフマニノフスキーザールでの若い人達(音楽院の大学院生や卒業してすぐの人)による室内楽のコンサート。私は いつもこのコンサートを大変楽しみにしています。無料で(プログラムは20ルーブル=80円)で本当にレヴェルの高い演奏をが聴けるのです。今日も国際コンクールの入賞者もいて、極めてハイレヴェルな演奏でした。ババジャニアンのヴァイオリンソナタ、初めて聴いたのですが、とても良い曲だと思いました。
 夜のレッスンのあと、アパートを貸してくれている旅行会社のアレクセイに電話して、明日のアパートの明け渡しと 空港までのタクシーの確認。とっても気に入っていたこのアパートも いよいよあと1日になりました。


  9月17日(日曜日)

 帰る日なのでレッスンは午前中、もちろん朝から行ってレッスンの前に練習しました。
 11日から合計7回のレッスンを受けたことになります。まさにロシア音楽の真髄に触れるレッスンだったと思います。私はどこまで先生の要求に応えられたでしょうか?限られた時間の中でできるだけ多く身につけようと、とにかく必死でついて来たつもりです。でも まだまだ学ばなければならないことがたくさんあると思い、このレッスン室ごと そっくりそのまま日本へ持って帰りたいような気がしました。
 終わったあと お昼ご飯を買ってアパートに戻って荷造り、このアパートともいよいよお別れです。荷物を片付けていると、はりつめたものがゆるんで 涙がポロポロ…なぜだかわからないのだけど…
こんなに強烈で密度の濃い日々は滅多にありません。(ずっと続いていたら体はもたない!)レッスンのあとタチヤーナ ニコラエヴナ(ラーコヴァ先生の敬称)に「日本人は どんなところで休みを過ごすの?」と聞かれて、「温泉とかかしら…」と答えると「ユミコ、帰ったら温泉に行きなさい」と言われました。私の必死さが彼女にも伝わっていたのでしょう。懸命にぶつかってくる私に彼女も必死だったのでしょう。それほど強烈なレッスンでした。
 昨日の電話の打ち合わせどおりに タクシーとアパートを明け渡す係の人が来たときは さすがにホッ!夕刻のレニングラード街道をシェレメチェヴォ2空港へ走る車の中から 移り変わる景色をぼんやりながめていると、この1週間のことが次々と思い出されました…
 空港について免税店をのぞくと、当然ながら大量のマトリョーシカが…そういえばロシアにいながらマトリョーシカを一度も見なかったのです!
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   9月10日から13日の日記

   感じたこと…いろいろ