日焼け止めを使うことのメリット
皮膚の老化現象は日光の中の紫外線の影響で起こります。他の原因としてタバコなどがありますが、それらは避けることは可能です。紫外線をまったく浴びないことは不可能ですので日焼け止めを使用しましょう。またニキビ治療薬の過酸化ベンゾイル(ベピオ®、デュアック®)やアダパレン(ディフェリン®)使用中は紫外線から皮膚を防御するために日焼け止めを使用したほうが良いです。
紫外線吸収剤と紫外線散乱剤
紫外線吸収剤は紫外線を吸収して熱エネルギー(肌が熱く感じるほどではありません)などに変化することで紫外線の影響を防ぎます。紫外線散乱剤は紫外線を反射することで紫外線の影響を防ぎます。それぞれに長所と短所があります。紫外線吸収剤の短所でよく知られているのが皮膚炎を起こす頻度が紫外線散乱剤よりも多いことが挙げられます。紫外線吸収剤で皮膚炎を起こす方やもともと皮膚炎をおこしやすい方は紫外線吸収剤を使用していないもの(紫外線吸収剤不使用、ノンケミカルなどと記載されています)を使用してみてはいかがでしょうか。
SPFとPA
SPFは紫外線のうちUVBを防ぐ効果を表します。UVBは皮膚に炎症を起こしてやけどのように赤くし、その後メラニンが増えて沈着することで皮膚が褐色になります。また「しみ」の原因にもなります。PAは紫外線のうちUVAを防ぐ効果を表します。UVAはUVBに比べて皮膚の深いところまで届き、「しわ」や「たるみ」の原因となります。またメラニンの合成も増やします。SPFは数字が大きい方が、PAは+の数が多い方がより効果が高いです。
日常生活で買い物や散歩程度の外出であればSPF30程度・PA++程度を目安に、外での活動の際はSPF50・PA+++程度を目安に選びます。汗をかくときは汗で流れ落ちにくくするためにウォータープルーフのものを選ぶとよいです。季節に応じて、またその日の活動に応じて使い分けることができるように2、3種類を用意しておくとよいです。
また日焼け止めに記載されているSPFやPAの数値通りの効果を得るためには1㎠あたり2mg使用する必要がありますが、この量では肌が白くなってしまうため、実際には私たちはこの量を外用していないことが多いです。そのため外での活動の際は1、2回塗りなおすことが効果的です。
当院受付ではNOVシリーズの日焼け止め3種類を販売しています。
NOVシリーズはかぶれる頻度が少ない成分を組み合わせて作られています。
(注:なかには肌に合わない方もいらっしゃいます。)
気に入ったものを使用するとよいのですが、選択に悩んだ場合は以下のように選んではいかがでしょうか。
①ウォータープルーフのものがほしい、汗をかく
A. しっかり紫外線防御したい、日光をたくさん浴びる →UVシールドEX
B. 紫外線防御力よりも塗心地を優先したい →UVローションEX
②ウォータープルーフでなくてもよい、汗をあまりかかない。紫外線防御力よりも塗心地を優先したい。 →UVミルクEX
平成27年11月1日
むろい皮ふ科・アレルギー科
室井栄治