国鉄(インチキ)車両図鑑-10
形式クモハ143、クハ145
昭和50年代半ば、国鉄は地方電化線に残存する旧型国電の置き換え用に105系を始めとする1M方式の近郊型電車を投入した。
その最終系列が、ここに見る143系電車である。
10-1 クモハ143+クハ145(昭和56年 日車・近畿)
昭和52年から製造が開始されたオハ50系客車に準ずる2扉デッキ付き(後に多くはデッキが廃された)のセミクロスシート車で、形式はクモハ143、クハ145と、後に余剰となった50系客車から改造を受けたクハ144の3形式のみである。
当初はそもそも50系客車を使用していた区間の置き換えの為に交流型から設計が開始されたが、コストの面で引き合わず直流型のみ製造された。
10-2 形式未詳
落成後は、既に105系の投入されていた福塩線、宇部・小野田線に投入され、線区カラーを纏って運用されていた。昭和58年に50系改造車を含む第2次車が落成すると静岡地区に配置されて「するがシャトル」等に用いられたが、その後2連を3連へ編成替えする過程で余剰となったクハ144、145の内数両が飯田線伊那松島へ転属して行き、珍車クモハユニ119等と手を組んで長距離運用に就いていた。
143系はおおよそ平成24年までに運用を離脱し、一部がしなの鉄道、北越鉄道に売却されている。