国鉄(インチキ)車両図鑑-3
形式クハ二86・クハユニ86




湘南型80系の活躍範囲が広範なものとなって行くにあたって、幹線末端部の小単位の手小荷物輸送に使用する目的で、昭和38年に国鉄各工場で改造された。

クハ二86(001~023、301~318)




改造の種車は一次車(三面鏡)から全金300番台まで多様であるが、大雑把に0番台と全金300番台に区分している。改造両数が多数に上らないと想定されたので、付番は例外的に改造元の86を流用している。車内アコモデーションは当然の事ながら80系に準じているが、一部の車両については車端部がロングシート化されている。

同車は本来、山陽本線末端部や高崎・宇都宮地区で使用する目的で改造されたが、首都圏における新スカ型111系の進出が予想以上に早く、同時に80系の地方への転出が相次いだ為、製造は総計41両に留まった。
クハ二86の形式消滅は昭和50年であったが、300番台の一部は昭和49年に荷物室の大部分を郵便区分室に改造し、クハユニ86形式として飯田線に転属した。

クハユニ86(000~001)




飯田線に転じたクハユニ86は同線一般型車両の例に倣って横須賀色に塗装変更され、同線の横須賀色の旧型国電と手を組んで運用された。尚、同僚のクハユニ56より一歩早く昭和55年に廃車され、形式消滅した。
飯田線 1221M 辰野-豊橋 昭和54年11月02日調査
クハユニ86000    静ママ
ク モ ハ50008    静ママ
ク モ ハ54002    静ママ