国鉄(インチキ)車両図鑑-1
形式ED16 19




中央東線の客車列車牽引に当たるED16形式に蒸気暖房装置(SG)を搭載する為、車体を新製した試作車である。

ED16 19(左原型、右19号改造後)




中央東線東京方の電化は早く、戦前からED15、16、17等が投入され輸送に当っていた。戦後になるとEF52が主に優等列車牽引の任に当たり、普通列車牽引は専らED16が任じたが、冬季には暖房車を連結する必要から牽引定数策定上のネックとなっていた。
新性能電気機関車の開発に遅れが出ており、それら(ED60、ED61)の登場までの繋ぎとして、旧型電気機関車の蒸気暖房用ボイラー設置改造が目論まれたのである。

昭和32年7月、国鉄大宮工場で、ED16 19(甲)にSGを搭載する改造を開始。EF58と同等の半流線型車体を新造してデッキ部の長さを稼ぎ出し、小型SGの搭載に成功した。

ED16 19(半流)




同年12月から開始された運用実験では、まずまずの成績を収める事が出来た。結果次第では旧式のEF52、EF11等のデッキを持つELにも同様の改造を施す計画であったのであるが、新性能ELの開発が急進展した為、SG化改造車は後にも先にもED16 19ひとりとなってしまった。
改造後の同車は昭和41年まで中央東線で、主に旅客列車の牽引に当たっていたが、EF13の投入に伴い竜華へ転属。東海道本線や阪和線で小荷物列車等を牽引した後、昭和54年に廃車された。

余談であるが、タツミの3線式Oゲージ、HOゲージのロングセラーEL、「ED58」は、このED16 19がプロトタイプである事は、意外に知られていない。