国鉄(インチキ)車両図鑑-1
形式DD55 1~12
DD55形式は、次期幹線用ディーゼル機関車として昭和44年~46年に製造された。
DD55 1~12
前作、DD54は凸型ディーゼル機関車の集大成と目されたDE10の対抗馬として箱形+メキドロの変速機と言う組み合わせで登場した。DD55の登場は、同様に開発中のDE50に対抗する意味があったと言われている。
そのDD54の不調の原因と見なされた技術的冒険は、当機では見られず、むしろ既存の技術を集成する事で、性能は一段落ちても信頼性の高い車両を目指している。
車体はDD54の流れを汲む箱型で、デザイン的にはED72等の影響も見られよう。正面窓は天地をやや広めに取っている為、二枚目DD54より険が取れて穏やかな顔をしているように見える。
1200馬力エンジンを2台積載し、実績のあるTC系液体変速機と組み合せる事で、運転し易く整備し易い機関車となっている。
新製配置は福知山に集中し、山陰本線、福知山線、播但線で主に客車列車牽引にDD51と共に使用された。
僚機DD51が特急牽引にも宛てられる等華やかな活躍をする一方で、超美形DD55は地味な運用に就く事が殆どであった。DD55の活躍時期に当たる昭和47年以降、「DD55に出雲を牽かせたい!」の言葉は、多くのファンの口から聞かれたものである。
しかしその願い空しく、昭和62年には最後の一両が廃車。一度も優等列車牽引の栄誉を与えられぬまま、この隠れた名機は世を去った。
現在保存車は一両もない。