国鉄(インチキ)車両図鑑-4
形式DD18 1~6、20~33




昭和33年に登場したDD13形式は、都市部のヤードの無煙化に貢献し、その後バージョンアップを繰り返しながら増備が続けられた。
しかしながら、入換作業の無煙化と共に地方線区の蒸機置換と言う当初の目論見は外れた。丙線や簡易線への投入は軸重14tの同機には無理があり、加えて370ps×2では出力不足が予想された為である。
昭和36年、地方線への入線を可能とする為、出力370ps×2の初期型グループの内、DD13 70、72~84に軸重軽減化改造を施した機関車がDD18(一次型)である。

DD18 1~6



ウイングバネ台車を履いた初期型の運転台下に1軸の中間台車を設け、軸重13.5tに抑えている。主に関東、中部、関西の地方線で使用されていたC11の置き換え用として分散配置された。

続いて昭和39年、出力550ps×2で、DT113を履いたグループの内、DD13 118、121、127~130、200、217~222の軸重を軽減改造されたDD18(二次型)が登場している。
軸配置はED17→ED18への改造に倣い中間に遊び車輪を配したA-1-A A-1-Aとなり、軸重は13tまで減少した。出力はオリジナルの1100psである。

DD18 1~6



DD18は「関東のカマ」と言うイメージが大きいのは、登場当初水戸区において水郡線の旅客列車牽引に当ったと言う実績がある為であろう。



改造ベースがDD13である事から暖房用SGを搭載しないDD18は、冬季には専用の暖房車を連結していた事が、当時の実物誌から知れる。上図は昭和39年冬、17m級のオハ31系最期の活躍の頃である。
機関車の次位に連結されているのは、トキ900の走り装置に古典蒸機のボイラーを搭載した、ホヌ4900(昭24改造)で、SGを搭載するDE10が投入される昭和43年まで同線で活躍した。
その後ろには、被災したオハ35を復旧したオハユニ71が見える。

この他烏山線、真岡線、足尾線等でC12と交替し、やがて軸重13t、1250psの万能機、DE10に取って変わられるまで貨物列車の牽引に活躍を見せた。国鉄民営化直前の昭和61年には全機廃車、形式消滅した。
因みに現在山形新幹線で使用されているDD51改造のDD18除雪機関車は同形式の2代目に相当する。