Tゲージの客車列車を
海老に釣られても
石を抱かされてでも

作る




さて、Tゲージの良い所は、信じ難い小さなスペースで相応の雄大な景色を作り込む事が出来ると言う点が一つ。もう一つは他ゲージに比較して、安く車輌を増備出来る点でしょう。
先般製作した「東海道本線風」のループの役者が、80系1編成だけでは心許ないので、密かに111系か153系でも作る積もりでいました。しかしその前に「遠くからパッと見たら、思い込み次第ではEF58に見えない事もない」EF58を、例によって紙粘土とハリボテで製作していたので、先にこれを押す為のユーレイが必要だとも思っていました。




思い立ったが仏滅。機関車が動力無しのトレーラーなので、押す客車は少なくとも4M2Tの6連位でないと格好が付かない上、走行性能も安定しない。

それを見越しての上図なんですが、図面に起したまま数週間。ようやく先日103系4連を入手し、改造に必要な「アンコ」が揃いました。





11月22日、6:30PM。
改造直前に記念写真。既改造のEF58を先頭に、103系の行列です。ニッパーにじゃれ付いている白い手は「例の猫」。この後直ぐ、彼女は締め出しを喰らう事になるでしょう。



6:40PM。
屋上パーツを全て取り外した姿。お気付きかも知れませんが、左端のEFは二つミスを犯しています。屋根板をグレーにしてしまった(ぶどう色に塗りなおし済み)、ベンチレータの形態が違う(もう放置)。


6:50PM。
判りにくいですが、ベンチレータの穴を木工用パテで埋めた所。



7:30PM。
乾燥したら、紙やすりで屋根を平滑にします。坊主屋根の状態。



8:00PM。
屋根の加工が済み、エナメル系塗料で屋根色(つや消し黒+フラットアース、ナハ10だけはフラットアルミ)で塗装し、次はガーランド型ベンチレータの工作です。全行程を通じて最も悩ましく、最も報われない仕儀とは相成ります。



9:00PM。
材料はあれこれ悩みましたが(現場主義、間に合わせ主義を発揮し)、結局「ただのコピー用紙を細かく切った」ものを、ボンドで二枚張り合わせる事にしました。ガーランド型の独特な+字型に似てはいませんが、「ある事が大事」「良いだろう、だがどうやって?」と思い直し、四角い何かが乗っかっているだけにしてあります。



11:30PM。
車体側面を貼り付ける前。賽の河原で塔を積み、日も入りあいのその頃に、地獄の鬼が現れて、積みたる塔を押し崩すようなベンチレータ接着作業が延々と続いた後、涙目で撮影した一枚です。ここまでで改造開始から3時間は経っていました(根性ねーな俺)。部屋の外では猫が入れろ入れろと騒いでいます。




0:00AM。
この時点で全工程の8割は終わっています。後はカッターで絵を切り出し、ボンドで張るだけ。もう鼻歌交じりです。もう神経を使う作業は無いので、猫を入れてやる事にしました。



0:40AM。
上に映っているペンは、茶色のマーカーです。切り出した材料は、切り口が白いままだと目立つので、同系色で捕色をしてやる必要があります。



1:00AM。
一通り側面の貼り付けが終わり、記念に上から。これ以上引き伸ばすとJPGの嵐となって何が映っているのか判らなくなるのが辛い所です。



1:20AM。
出来栄えの「程ほどさ加減」にすっかり満足し、早速レイアウトを広げて80系とご対面。
編成は先頭から、

スハフ42
スハ43
スハ43
ナハ10
スロ51
マニ35

と「想定」しています。全て切妻なのは、車端部の工作を考慮した結果です。その内スハ32系を連ねた「湘南列車」でも作るかも知れません。



1:25AM。
「下り浜松行き普通」とすれ違う「上り東京行き急行」の図。あぁ~出来た~。さー寝よ寝よ。