悪の帝王







状況1

TVの生コマーシャルらしき画面に「お洒落で歳相応に美人のお婆さん」が出ており、微笑みながら黒っぽいジュースのような物をコップに注いで、司会者に飲んでもらっている。


状況2

そのお婆さんは「大悪魔小悪魔を手先として使う悪の意志の象徴」であり、「名を呼ぶだけでも恐ろしい」存在である。


状況3

松山容子(ボンカレーのホーロー看板でお馴染の)が直率するモンゴルの大軍が、そのお婆さんを討伐する為に進発するが、瞬く間に全滅してしまう。一説にはこれを神風と言うのだそうだ。


状況4

再びTV画面。

お婆さんと松山容子が並んで座っており、松山は例の黒いジュースについてにこやかにインタビューしている。


「これは稗を重曹と水で炊いて五黄とニクズクを混ぜて発酵させたものでございます。肌荒れやシミに効果がございます」

「なるほどねぇ、だからお婆ちゃまはお若いんですのねぇ」


それにつけてもモンゴル軍の先頭に立った馬上の松山容子は実に颯爽としてた。


四百余州を挙る

十万余騎の敵

国難ここに見る

弘安四年夏の頃