引き換える
人通りの多い道を歩いていると、「ヒキガエル」のキャラクターが風船を配っていた。
取敢えず貰って見ると、風船には「財務省」と書かれていて、紐に結ばれた広告には、おおよそこんな事が書かれていた。
①:今度「消費税」と言うモノを導入するので、それに合わせて新紙幣を発行する。
②:どうも新紙幣とは、例えば従来の10000円札が10500円札に、1000円札が1050円札に変わる事を言っているらしい。
③:窓口の混乱を避ける為、指定日までに旧紙幣を交換した人には特別サービスとして新旧紙幣の「等価交換」(詰り10000円札を持って行くと10500円札に無償で交換)するらしい。
道理で公園のような小奇麗な道に行列が出来ている筈だと思った。
あ、キャラクターの「ヒキガエル」は、「引き換える」の事なのか。役人が考えそうな駄洒落だな、等と思っていると、不意にある考えが頭に浮かんだ。
それと同時に家内が横から肘を突いて、
「ねえ、これってさ…」
「なあ。詐欺だったら凄いよな、これ」
「だよね」
その会話が聞こえたのか、灰色の「ヒキガエル」のキャラクターが、怒って頭に血が上っている表現をしているのか、顔を「どすピンク」にしながら地団駄を踏んでいた。