「MUSIC DIARY」のページからレッスンに関するエッセイをまとめました
レッスンライフにお役立て下さい

LESSON 1 メトロノーム LESSON 2 裏打ち練習 LESSON 3 弓
LESSON 4 SCALE LESSON5 初めが肝心 LESSON 6 ヴィヴラート
LESSON 7 ナルシストの勧め LESSON 8 フィンガーリング LESSON 9 リズム
LESSON 10 テキスト選び LESSON 11 レッスンの心得 LESSON 12 作品を聴く
LESSON 13 右手と左手 LESSON14 Muscle Memory LESSON15左手の基本


LESSON 1

メトロノーム
先日、生徒さんからメトロノームの使い方について質問されたので一言お話します。

 スケール練習をするときにメトロノームを使用するのはとても有効です。スケールを弾くのにテンポの指定はありませんので、最初は自分の弾きやすい速さから丁寧に練習し、徐々にテンポを上げて練習しましょう。

 エチュードにはテンポ指定がありますので、そのテンポで弾けるようになるまで練習すると良いと思います。(これが結構きついと思います)
 機械的なリズムに自分の演奏を当てはめると、いかに自分勝手なリズムで弾いているかが分かります。そして一定のリズムにあわせるのが難しいことか体感できると思います。

 たいていは簡単な箇所では速くなり、逆に難しい箇所になると途端にテンポが遅くなってしまう、あるいは、3連譜などの登場によってテンポ感が狂ってしまう・・・。細かいパッセージに夢中になり、かえって加速してしまうような場合もあります。いつでも同じテンポで弾けるように練習しましょう。

 曲を弾く場合は、メトロノームは指定されたテンポを確認する程度にしましょう。曲を表現する時に自然に起こる加速や減速(曲に対する自分の感性)を大切にしたいからです。楽器を演奏するのは機械じゃありませんからね。

 もしもメトロノーム通りの機械的なテンポで最後まで弾いたとしても、何の面白みもない曲になってしまうでしょう。


 LESSON 2

裏打ち練習
裏打ち・・・メロディにあわせてオフ・ビートを打つ。音符で表現すると八分休符・八分音符の連続。
 これが結構合わなくなってくる。人によっては速くなったり遅くなったり・・・たいてい指揮者は「裏打ちの人だけで練習してみましょう」って、楽譜にあわせて(時には指揮者はオン・ビートを叩きながら)音を出させる。
 この練習方法で上手にオフ・ビートを打てるようになったためしがない。
 私としては、メロディを担当楽器に演奏させながら手拍子で裏打ちを練習させたほうがよっぽど効果がでると思うんだけど。リズムは生き物ですからね。
 指揮者及び指導者の皆様。是非試してみてください。


LESSON 3


「ヴァイオリンって、左手で弾くから右利きの人は大変じゃないですか?」よく生徒さんに尋ねられます。でも、これは間違い。
どちらかというと、機械的な動きを要求されるのが左手です。左手の役目は正しい位置を押さえること、ビブラートをかける事位です。あとは指が速く回れば申し分ないですが。

ヴァイオリンを上手に弾くのに大切なのは弓を如何に操るかにかかってきます。
スラーを付けて音を途切れないようにつないだり、アクセントを付けたり、1音1音が粒立つように歯切れよく弾いたり・・・音の表現は全て右手のさじ加減で決まります。これはちょっとオーケストラを指揮する指揮者の右手と似ているような気がします。

昔習った先生に「弓を使いこなすまでに10年はかかります」って言われた覚えがあります。それからとうに10年は経ってしまったわけですが・・・

最初のうちは曲などを弾くときに弓の配分を考えながら弾くようにしましょう。どんな音を出したいか、そのためにはどんな風に弓を使えばいいのか・・・
一般的には、弓は先の方ほど柔らかい音が出て、元の方ほど力強い音が出ます。強弱も、元に来るほど強い音が出しやすくなります。
また、それに組み合わせて、指板に近いほうを弾くと音は柔らかくなり、コマに近い場所ほど刺激的な音になります。

   頭を使って音を出すようにしましょう。

この訓練を繰り返していくうちに、何も考えなくても、自然に弓を操れるようになってくるはずです。

 LESSON 4

SCALE
ヴァイオリンを始め弦楽器は自分で音程を作り出すといった点では鍵盤楽器や管楽器とは大きく異なり、また難しい楽器だというレッテルを貼られる原因にもなっているように思います。

『音程を作り出す』という作業に不可欠なのがスケール練習だと私は考えていますので、私のレッスンでは、初心者でもそれ以上の方でも、必ずレッスンではスケールを練習します。本当は毎回全てのスケールを弾いて欲しいのですが、時間に限りがあるので、練習中のエチュードか曲のスケールをレッスンでは弾いてもらいます。

方法は、まず1BOWで1音ずつ音を弾いていきます。
この時、弓は元から先までめいいっぱい使って音を出します。
エチュードや曲の練習だけでは、これだけ大きく弓を使うことはあまりないと思います。弓がきちんと真っ直ぐ使えているか、右腕の角度は正確かなどをチェックしていきます。ヴィブラート練習中の生徒さんはこの時に1音ずつヴィブラートをかける練習もしていきます。

次に、スラーをつけてスケールを弾きます。
最初は2音ずつ、慣れてきたらスラーの音を増やし、同時にスケールを弾く速度もアップしていきます。

そして、アルペジオを弾いてフィニッシュ!

難易度の非常に高い曲以外は、この練習を毎日こなすことでほとんど対応できます。但し、楽譜をただ追って音を出すのではなく、耳を使って練習すること。スケールによっては開放弦を利用するなどして途中の音程を確かめることも必要です。

LESSON 5 

初めが肝心
ヴァイオリンで楽譜を読む方法はいくつかありますが、一番安易な方法は、丁度日本の琴や三味線のように「A線の1の指、E線の3の指」といった具合に、線と指番号だけで覚えていく方法があります。エレキベースのTABキーも同じようなものでしょうか。

幼稚園などで音楽教育の一環としてヴァイオリンの合奏を取り入れているようなところは、集団に対して教えやすいといった点からこの方法がとられている場合が多いようです。

例えば、ピアニカの合奏のとき、鍵盤に色の付いたシールなどが張られていて「ドは赤を押さえて~♪」なんて先生が大きな声で指示したりしますが、これと同じように、ヴァイオリンの各弦の指を押さえる場所に色つきシールなどを貼って練習します。

この方法で教えると、確かに譜読みは速いですし、教える側からするとやりやすい方法ですが、

            絶対にこの方法で練習しないでください。


特に小さなお子様は、一度この方法で覚えてしまうと取り返しの付かないことになります。

「小さなときピアノを習っていて、先生に『ドは親指』と教わった印象が強くて、難しい曲を弾くようになってからも、『親指=ド』のイメージが抜けなくて困った」という話を聞きました。ヴァイオリンも全く同じです。小さなお子様ほど教えたことを感覚的に容易に身につけていきますが、一度身につけてしまったことを変えるのは本当に大変です。

指番号に頼った方法で演奏できるのはせいぜい1stポジションまでです。ポジションが変わってしまうと、例えば1の指は今までとは違う音を出すようになりますし、同じ音でも他の指で対応できるようになってきます。
レヴェルが上がって曲が難しくなってきたとき、いつまでも指番号に頼っていくわけには行きません。


個人で楽しんでいるだけなら、それも許されるかもしれません・・・しかし、もしも将来、友達同士で演奏を楽しむ機会を見つけた場合や、アンサンブルの団体に入って演奏したいと希望したとき、音楽の共通言語である「ド・レ・ミ」で音符を読めると言うことが大前提になります。

安易な方法でヴァイオリンを始めないようにご注意下さい。後で苦しむのは自分自身です。

LESSON 6

ヴィヴラート
ヴィブラートは、左手の形が重要になってきます。
まず大切なのは、親指の位置。丁度ネックを親指の腹で支えているような形が良いと思います。

その他の指は弦を上から押さえるようにします。決して指の腹で弦を押さえてはいけません。形としては親指とヴィブラートをかける指の先とでネックを挟むような格好になります。

人差し指の場合は、特に親指との距離に注意してください。人差し指の真下に親指があるくらいの位置がベストです。

力の入れ具合は少し重さのあるものを指で摘み上げるくらいでしょうか。力の入れすぎはいけません。

手首は、すとんと落ちた状態よりもほんの少し手首が突き出ているくらい。G線にヴィブラートをかける場合は左腕をかなりねじり上げる不自然な姿勢になります。(この姿勢のまま楽器を外してみるとその不自然さにびっくりしますよ)

この姿勢が保てたら、手首から先を揺らしてみましょう。(横揺れにならないように注意)楽器が一緒にぶれてしまうのは、顎に力が入りすぎている可能性があります。顎は必要以上に力を入れないようにします。

最初はうまくヴィブラートはかけられないと思います。まずロングトーンで何度も練習しましょう。ポジションを替えて、指を替えて、何度もトライする事です。

あとは、曲を演奏する中で、意識的にヴィブラートをかけます。諦めず、何度も練習しているうちに、自然とヴィブラートがかけられるようになります。

指導者に「ここはノン・ヴィブラートで」と言われるようになったら、ヴィブラートは完成した証拠ですね。

         
         

◎良い形
親指がこれ以上ネックから出てはいけません。
手首も程よく曲がっています(写真は薬指のヴィブラート)


              

×悪い形
親指がネックから出すぎています。ヴィブラートをかける指と指板との間に適度な隙間が出来ませんし、不必要な力も加わってしまいます。

LESSON 7

ナルシストの勧め
ヴァイオリンを演奏するときの姿勢は

足は肩幅程度に開き・・・首は斜め左方向に・・・顎と肩の間に楽器を挟み・・・左腕は手首が寝ないように人差し指の付け根あたりでネックを支えるような姿勢を保ち・・・弓を持つ右腕が下がり過ぎないように注意して・・・弓は外側に少し倒した状態で指板と駒の間を真っ直ぐ引っ張る・・・その時胸が開かないように注意し・・・右腕は斜め前方向に伸ばす・・・・

文字で表現するとこんな感じでしょうか。多分、さっぱり分からないと思います。

家では鏡を見てヴァイオリンを弾くことをお勧めします。

大きな鏡がない場合、辺りが暗くなった頃の窓ガラスがお勧めです。部屋の灯りを点して、恥ずかしがらずにカーテンを開けてガラス戸に写る自分の姿勢をチェックしてみてください。

アップライトピアノの下部の蓋も鏡に代用できます。私は学生時代寮生活をしていましたが、部屋には鏡がなかったので、アップライトピアノの蓋を鏡代わりに使っていました。中途半端な大きさの鏡より、全身が映せるのでお勧めです。

TVなどで演奏しているヴァイオリニストの美しい演奏スタイルをイメージして下さい。
鏡に映った自分の姿は、イメージしている姿勢に近いですか?カッコ良く映ってますか?

百聞は一見にしかずです。是非、鏡を活用してください。

 LESSON 8

フィンガーリング
ヴァイオリンを習い始めると、指使いの関係上、たいてい1stポジションのAdurから始めます。
そして上達するに従い、まずdurで#記号が減っていき、そのうちにmollが導入され、1オクターヴから2オクターヴへ。1stポジションで#、♭記号3つくらいまでの指使いが出来た頃、3rdポジションが導入されます。

そして、更に上達していくとポジションの幅も、調号も増えていきます。この間、たいていのテキストは親切に指番号が印刷されています。

このくらいのレヴェルに到達した生徒さんは、そろそろ印刷に頼ったフィンガーリングから卒業しましょう。

テキストでないほとんどの楽譜には指番号は書かれていません。多くの場合、自分の指癖なども考慮して、弾きやすいようにフィンガーリングを考えて演奏します。

何もフィンガーリングが決められていない楽譜にフィンガーリングをつけていく作業は、まるでパズルのようです。ですから、ポジションの幅を広げておくと、フィンガーリングを考える際に様々なフレーズに対応しやすくなります。

少しポジションの方法が分かってきたら、テキストのフィンガーリングからも離れて、自分のフィンガーリングを考えるようにしていきましょう。(高音に飛ぶ直前まで1stポジションなんて事は避けましょうね)

                                LESSON 9

リズム
今回のVirtual Lessonはアンサンブルをしているときのリズムの取り方について感じていることがあるので、お話したいと思います。

アマチュアオケに賛助出演させて頂く機会が多々ありますが、どこのオケの団員の方も、そこそこヴァイオリンは弾けていて、一人一人の音は綺麗ですし、技量はなかなか充実している所が多いです。

ところが、アンサンブルしてみると、意外と揃わないのですね・・・残念なのは、リズムの取り方です。

特に同じ音を8分音符や16分音符でずっと刻んでいたりする場合や数小節にわたってトレモロなどをしている時など、肩で拍子をとっている方が目に付きます。

このリズムの取り方は、肩の動作が入る分遅れてしまう場合がありますし、余計な動きの分、弓先がぶれて弓を速く動かせなくなる可能性があります。その動作は変なアクセントをつけてしまう場合もあります。第一、強拍のたびに肩がゆれて変なアクセントが付くのは見た目にも格好がいいものではありません。

上半身は決して動かさず、リズムはせいぜい足先で取る程度にしましょう。

しかし、それも「マイ・テンポ」になってはいけません。リズムは本来感じて、委ねるものです。周りの音をよく聞いて、それに合わせることが出来たら、アンサンブルはもっと揃っていくことでしょう。

LESSON 10

テキスト選び
良く使われる国内版のテキストを比較してみると、進度による採用の前後はあるものの、どのテキストも指導曲は同じような曲が使われていて、そういった意味では、どのテキストを使っても大差はないと思われます。テキスト選びに迷っているのなら、教わっている先生にお任せしてもかまわないでしょう。

ある程度、楽譜が読めるようになり、ポジションも少し変えられる位になったら、自分の弾きたい小品などを見つけてみるのは良い事だと思います。ヴァイオリン人気の高まりと共に、「3rd ポジションで弾ける小品集」とか、「○○ヴァイオリニストCD収録曲集」「ポピュラーヴァイオリン曲集」などなど、ミュージックショップの楽譜コーナーに行くと、様々な楽譜が売られていて、迷ってしまいます。

自分の憧れの曲を弾けるようになりたいという願望は良く分かりますし、その曲を目標にして日々練習するのは励みになります。

ただ、そういった自分の好きな曲ばかりに走らないように!テキストで練習することも必要です。

譜読みやポジション移動が身に付いた頃、大概のテキストはバロック時代から順を追って指導曲を使用しています。これは、各時代によってその時代なりの弓使いを習得させるためです。

ビバルディ、バッハ、ヘンデル、モーツァルト・・・それぞれにその時代の弾き方があって、それをマスターすることによってより柔軟に弓を操れるようになれるわけです。特に、メロディが重要視され、弓使いの多様化が進むロマン派以降の作品を演奏するには、それ以前のボーイングを心得ていると表現し易くなります。

テキスト中の指導曲でマスターしきれていないように感じたら、同年代の作品で同レベルの曲を取り上げてみるのも良いと思います。

更にカイザーなどの練習曲集を併用して、着実に1歩ずつ腕に磨きをかけていきましょう。

節目節目でお気に入りの曲を弾いてみると、自分の上達具合が実感できる事でしょう。

LESSON 11

レッスンの心得
始めたばかりの小さな生徒さんは、なかなか口で説明しても理解できません。それに週1回、30分程度のレッスンではどうしても先生に言われた注意点を忘れてしまい、1週間後のレッスンで結局何も直っていないという残念な事がよくあります。これでは折角レッスンに通っていても同じことの繰り返しになってしまい、目覚しい上達は期待できません。

小さな生徒さんの親御さんは、ある程度お子さんが弾けるようになるまでレッスンを聴講することをお勧めします。
そして、家ではあまり口うるさくならない程度に練習を見てあげてください。そして、上手に弾けたら思い切り褒めてあげてください。これがお子さんの上達の近道だと思います。

大人の初心者の方の場合、お子さんと違って頭での理解は出来るものの、どうしても身につけるまでには時間がかかります。ですから、レッスン時は鉛筆を持参して、先生に言われたことを楽譜に書き込む習慣をつけるといいと思います。そして家での練習では鏡で自分の姿勢をチェックしましょう。
              
因みに楽譜に書き込む場合の鉛筆は2B以上が常識です。
不安定な譜面台の上でも力を入れずに書き込めますし、消しゴムで消す場合も楽譜に跡が残りません。

それにしても、練習曲集に付属している(特に初心者の)模範演奏はテンポが速すぎると思います。殊にマイナス・ワンはあんなに速い伴奏に初心者が付いていけるとは思えません。模範演奏とは別に、もっとゆっくり丁寧に演奏したものと、速度が調節できるマイナス・ワンが付属していればもっと使い道が広がるのに・・・

LESSON 12

作品を聴く
レッスン上、どうしても好きな曲ばかり渡すわけにいかないのですが、興味のない曲だからでしょうか、旋律を理解出来ていない生徒が結構居ます。もっと曲を聴きこめば良いのに、と思います。せっかく新しい曲と巡り会える機会が与えられたのに残念です。

楽曲をただ譜面通りに弾くのでは、本を何も考えずに棒読みしているのと同じで、あまりに想像力が欠落しています。まず、知らない曲であれば、知る必要があります。近道は、良い演奏をたくさん聴く事です。CDやDVDなど音源には事欠かない時代に生きているのですから、それを利用しない手はありません。

通勤、通学時に聞くのもいいのですが、楽譜を眺めながら曲を聴く時間が取れればベストです。楽譜を目で追いながら曲を聴いていると、新しい発見もあって、とても驚かされます。

曲のイメージがつかめたら、もう音源は必要ありません。今度は想像力を広げていきましょう。自分はこの曲を、このフレーズをどんな風に演奏したいか。その為にはどう弾きこなせば良いか。そこで自分の個性が初めて出せるわけですし、自分の演奏の好みもはっきりして来ることでしょう。

曲には、作曲家の生い立ちや政治的な時代背景など、様々な要素が絡み合っています。それを知ることも、演奏スタイルを決める手助けになります。

曲を聴いて、理解して、演奏することによって更に深めていく。探究心を持って曲に臨んでください。

LESSON 13

右手と左手

ピアノは、右手と左手の指をばらばらに動かせるようにならなければいけないですし、音も最大いっぺんに10音は出るわけですから、そのための地道な訓練(各指をバラバラに動かす練習と譜読みの練習)は必須で、まともに曲を弾きこなせるようになるまでの道のりは平坦ではありません。

私はViolinを始められる生徒さんに「ピアノに比べてViolinは単旋律なので、曲は早く弾けるようになりますよ」と、伝えます。

確かにそうなのです。ただ音を出すと言うことで言えば、Violinは案外早い段階からたくさんの曲を弾きこなせるようになります。

先日、生徒さんに面白いことを言われました。

その生徒さんは「ピアノは確かに右手と左手は違う動きをしていますが、運動は一緒です。でも、Violinの右手と左手は全く違う運動をしています」と言うのです。

なるほど・・・
スラーやヴィブラート、細かいパッセージの練習をしている時などに、速く左手を動かすと右手も速く弓を弾いてしまったり、必要以上に大きな音になってしまったり、また、左手に気をとられると右手も止まりそうな速度になってしまったり・・・

右手の情報を左手に伝えてはいけませんし、左手の情報を右手に伝えてはいけません。

左右の分離・・・考えすぎるとかえって良くないかもしれません。この運動は旋律やエチュードを弾きこんでいくうちに、自然と身につけられると思います。

LESSON 14

Muscle Memory

スポーツの分野でよく耳にする言葉です。

野球投手のピッチングフォームやゴルフのスイングなどなど、同じ動きを幾度も行って、完全に筋肉に 記憶させる事によって、自然にその動作が行えるようにする練習法です。

ただ言葉ばかりが先行して、メカニズムの解明はまだ研究段階だそうですが、筋肉に運動を覚えさせる 練習方法は楽器の練習方法としても有効です。

私の大好きなジャズピアニストの小曽根真さんがパーソナリティを務める土曜日21時からのFM番組J- WAVE「OZ MEETS JAZZ」。なかなか普段FMを聴く機会はありませんが、唯一、私が楽しみにしている 番組です。

この番組は小曽根さんが厳選したJAZZの名演奏の紹介だけではなく、リスナーからの投書に小曽根さん が答えてくれるのですが、演奏家からの質問には、実際にスタジオでピアノを弾いて教えてくれて、ジ ャズ初心者からミュージシャンまで楽しめる番組の内容です。

その番組の中でアップテンポのラグタイムを小曽根さんが生演奏した時、右手のメロディーはともかく 、左手の動作でベース音からコードをいかに外さないように掴むかは、マッスルメモリーさせる事だと 仰っていました。

ヴァイオリンも同じことで、日々の練習の積み重ねによるマッスルメモリーは必要かつ重要です。

練習には、身体に覚えこませる練習と頭に覚えこませる練習の二通りが存在すると思いますが、

    身体で 覚えたものは忘れないのです

技術的なマッスルメモリーにはカイザーなどのエチュードが有効だと思いますが、エチュードに限らず 曲中の難しいパッセージは、その部分を抜き出して繰り返し練習し、筋肉に記憶させます。

地道な練習…と言うよりは訓練に近いですが、技術をあげていくには必要なトレーニングです。

筋肉が記憶を持続できるのはせいぜい3~5日間だと言われています。肉体のメカニカルな見地から言う と、5日以上練習の間隔をあけないことが望ましいと思われます。

但し、筋肉に間違った記憶をさせてしまうと取り返しの付かないことになります。

もしも、間違った姿勢や動作を練習していると感じたときは、3日程度楽器を持たないで筋肉をリセッ トすることも必要です。

その上で、正しい姿勢やテクニックを身につけていきましょう。

LESSON 15

左手の基本

ヴァイオリンを弾く場合、なるべく無駄な力と、無駄な動作がないほうが良いのですが、今回は左手についてお話します。

指を早く動かしたいなら左手の無駄な動きは極力控えましょう。

ピアノとの比較になりますが、トリルをした場合、ピアノの場合は押さえる指を交互に動かしてトリルをしますが、逆手になっているヴァイオリンでこの方法でトリルをすると、たどたどしいトリルになってしまいます。

ヴァイオリンでトリルを行う場合、元の音の指はしっかり押さえたままトリルをすると、安定して早いトリルを弾くことができます。

これと同じことで、音を押さえるときに、なるべく離さないで済む指は押さえたままにしておく必要があります。

フレーズを速く弾く時、フィンガーリングを見直すことと、上記のような事を気をつけてみると、案外解決することができます。

それから、ヴァイオリンはフレットレスですが、目に見えないフレットがあります。(粗悪なヴァイオリンは目に見えないフレットが正確でない場合がありますので注意する必要があります)

押さえている指を手がかりにして音程を取っていくようにすると、音が捕らえやすくなります。それはちょうどギターでコードを押さえるような感じだと思います。

以上のような事をちょっと気にして練習してみてください。