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YAKOのDVD : Sweet Baby スウィート・ベイビー 
リリース : 2007年1月
 
2007年3月6日(火)
YAKO Live in TOKYO!!

一昨日、阿佐ヶ谷にあるNext SundayというライヴハウスにYAKOのライヴを聞きに行って来た。

彼女は私の高校時代の同級生で、しかも3年間同じ寮で生活を共にした友人。一番多感な時期を一緒に過ごし、ここではちょっと書けないような悪いことも(!)随分経験した仲間だった。

高校までは密度の濃い付き合いだった私達だったが、お互い無事に大学に進学した事で学部が違ってしまったのと、住む場所も違ってしまった事で、だんだん疎遠になってしまい、卒業後は他の友人を介して実家のある山口に帰ったと聞いていた。

その後、卒業してからそんなにたたない頃、風の便りで彼女のお父さんが亡くなられた事を聞いた・・・

それから何年も月日が流れ、YAKOは私の中からだんだんと薄い存在になっていった・・・

空白の歳月の間、彼女は頑張っていた。東京から遠く離れた山口で、一生懸命頑張っていた。

初めて知った事が多かったけど、みんなの前に姿を現さなかった20年の間、苦労の連続だったようだ。

でも、今では「山口の綾戸智絵」って言われるほど活躍している。そして今回初の東京単独ライヴの実現!彼女は自分の夢に向かって確実に歩んでいる。
 

           こんな感じのライヴでした

Next Sunday はSteinway&Sonsの木目が美しいミニグランドを備えたアコースティック・ライヴを行うにふさわしい落ち着いた大人の空間でした。

40人ほど入る客席は満員。ほとんどが同級生やその関係者で、YAKOの人望の厚さを感じました。

そんなアットホームな暖かい雰囲気の中、パワフルでジャージーなYAKOのライヴが行われました。

ジャズのスタンダードナンバーあり、オリジナル曲ありと、とてもバラエティーに富んだ内容でしたが、演奏もさることながら、曲間に挟まれるトークがとても楽しかったです。話術の巧妙さが「山口の綾戸智絵」と称される所以でしょう。

私の中では彼女は高校生のイメージのままなので、ライヴが始まるまで、まるで発表会に我が子を送り出す母親のようで、こちらがはらはら緊張してしまうような感じでしたが、そんな先入観は全く必要ない、キャリアをつんで、堂々と輝いている彼女のステージを堪能することが出来ました。

私もYAKOのおかげで卒業以来ぶりに何人もの友人と再会することが出来、交流を持つことが出来ました。友人達は会わない間に音楽の道を究めていたり、新しいことを始めていたり、素敵な母親になっていたり、それぞれに輝いていましたが、話始めると一瞬にして20年前の自分達に戻ってしまうので不思議ですね。

プロのミュージシャンとして身を立てていくのは並大抵のことではありません。楽しそうにライヴ披露している彼女ですが、辛いことも、悔しいことも多く経験して来たに違いありませんし、これからだって壁に行き当たる事だって何度とあることでしょう。

でも、今回のライヴでYAKOがくれた「暖かいもの」。それはYAKOが贈ってくれた音楽を共有できた喜びは勿論のこと、久々に会えた友人という宝物・・・そこには自分の軌跡があり、そこを通過してきたから今の自分があるという現実・・・そして、自分は一人だけで生きてきたんじゃないという事。それを忘れなければ、誰しもこれからの困難を乗り越えていけると思います。

YAKO、素敵な時間をありがとう。ずっと応援していくよ!
公式ブログ:このHPのリンク集にもリンク張ってあります
        http://yakopiano.cocolog-nifty.com/blog/

          

                  ライヴ終了後の記念撮影
            前から2列目、左から2番目の女性がYAKO
                  私は前列右から3番目

2007年2月18日(日)
Virtual Lesson 11 レッスンの心得

始めたばかりの小さな生徒さんは、なかなか口で説明しても理解できません。それに週1回、30分程度のレッスンではどうしても先生に言われた注意点を忘れてしまい、1週間後のレッスンで結局何も直っていないという残念な事がよくあります。これでは折角レッスンに通っていても同じことの繰り返しになってしまい、目覚しい上達は期待できません。

小さな生徒さんの親御さんは、ある程度お子さんが弾けるようになるまでレッスンを聴講することをお勧めします。
そして、家ではあまり口うるさくならない程度に練習を見てあげてください。そして、上手に弾けたら思い切り褒めてあげてください。これがお子さんの上達の近道だと思います。

大人の初心者の方の場合、お子さんと違って頭での理解は出来るものの、どうしても身につけるまでには時間がかかります。ですから、レッスン時は鉛筆を持参して、先生に言われたことを楽譜に書き込む習慣をつけるといいと思います。そして家での練習では鏡で自分の姿勢をチェックしましょう。

                

因みに楽譜に書き込む場合の鉛筆は2B以上が常識です。
不安定な譜面台の上でも力を入れずに書き込めますし、消しゴムで消す場合も楽譜に跡が残りません。

それにしても、練習曲集に付属している(特に初心者の)模範演奏はテンポが速すぎると思います。殊にマイナス・ワンはあんなに速い伴奏に初心者が付いていけるとは思えません。模範演奏とは別に、もっとゆっくり丁寧に演奏したものと、速度が調節できるマイナス・ワンが付属していればもっと使い道が広がるのに・・・

2007年2月13日(火)
ハプニング!

真面目にやっているから面白い!本番ハプニングの数々をご賞味下さい。

飛ぶ!
舞台上は色々な物が飛び交います。
よくあるのは指揮者の指揮棒。結構当たると痛い・・・
他にはトレモロ中に思わず落としてしまった弓もよくありますね。
変わったところでは、ピアニストが感情移入のあまり、激しく上半身を揺らして弾いていたら、コンミスをしていた私のところにヘアピンが飛んできました!その後、ソリストはざんばら髪になり、演奏終了後、あまりの感情の高まりに思いあまって指揮者に抱きつき(!)会場も拍手喝采でした。

衣装
よくやってしまうのが、ロングスカートをはいたときに、もともと着ていたスカートなどの脱ぎ忘れ。なんだかごそごそしていると思ったら・・・
某友人は、控え室で履いていたスリッパのままステージに出てしまったことがあります。一度出てしまったら後の祭り。そのまま知らん顔して本番を迎えるしかありません・・・

慌てる!
1部が終わってからの休憩中、控え室に戻っておしゃべりに花が咲いています。とてもリラックスした良い雰囲気。ところが、お話し相手は後半降り番(編成の都合上、全部の曲を演奏しない方もいるのです)奏者でした。
後半のプログラムを開始する合図のベルの音に慌ててステージへ向かうと、既にコンサートマスターがチューニングを始めてました。慌てるどころか顔が真っ青になった瞬間でした。

オーケストラではコンサートマスターを見て起立、着席、退場をします。
ある演奏会で、私がコンミスをしていた時の事、チューニングも終えて着席をして指揮者の入りを待っている状態でした。
足音が聞こえたので、当然指揮者が入ってきたものだと思い、勢いよく起立をしたところ、誰も立ってくれません。向かい側のチェロさんは「座れ!」って合図をしています。入ってきた足音は楽屋に楽譜を忘れて慌てて取りに戻っていた団員のものでした!一瞬の出来事ですが、客席から見るとお間抜けだったでしょうね・・・

楽譜交換
1部でコンチェルトを演奏後、休憩時間中にセッティングをし直す時などによくあることですが、あまり音楽に詳しくない方がセッティングすると、使っていた譜面台が入れ替わってしまうことがあります。以前1stと2ndのトップの譜面台が入れ替わってしまった演奏会に居合わせました。
本人達も、演奏が始まるまで気付かなかったのです!
曲が始まってすぐ、曲を止めることなく1stのトップサイドが立ち上がって速やかにお隣の楽譜と入れ替え、何食わぬ顔で演奏は続けられました。
後で聞いた話だと、楽譜が違っているのに気付いて、演奏しながら辺りを見回したらすぐ隣に自分達の楽譜を発見できて、思わず行動に出たのだそうです。天晴れ!

楽器のハプニング!
弦楽器の弦が切れてしまうハプニングはよくあります。昔、あるヴァイオリニストのコンチェルトを聴きに行ったとき、曲の半ばで弦が切れてしまい、最初から弾きなおすということがありました。
この前は舞台袖で出番を待っていたとき、団員の方の駒が何かの拍子に大きな音を立てて倒れていまい、皆騒然となりました。楽器を中心に皆が集まり、その光景は、まるで急病人の応急処置をしているようでした。
団員の弓の毛が弾いている最中にばらけてしまい、驚いたこともあります。
しかし、私が目撃した驚きのハプニングは、リハーサル中でしたが、演奏中になぜかヴァイオリン本体のエンドピンが外れてしまい、一瞬にして楽器がのっぺらぼうに!本人は物凄く慌てていましたが、思わず噴き出してしまったハプニングでした。

修理不能・・・
その日は大雨で古いホールの楽屋の壁には結露が出来ているほど。そのくせステージは空調が効いていて乾燥していました。
あまりの湿度の違いにいやな予感はしていました。弦も弓もステージ上でどんどん張ってきてしまいます。
第九の2楽章を弾いていたとき、「パキーン!」という音と共に弓が急に緩みました。なんと!急激な毛の張りに耐えられなくなって弓先の一番細い部分から斜めに弓が裂けていました・・・悲しかった・・・

伝達ゲーム?
これも私がコンミスをしていたとき、楽章間で指揮者が間合いを取っているときに、私の楽器の糸巻きが急に戻ってしまい、どうしてもチューニング出来ません。私のせいで曲を止めてしまっていると思うと余計に焦ってしまい、どうしても糸巻きが言うことを効いてくれません。
見かねた指揮者から楽器交換を命じられ、私の楽器は後ろへ送られ、1stのプルトの最後列から私の座り位置まで前に向かって1台ずつ楽器がずれる事に!
人の楽器で本番を演奏する機会を得ました・・・
演奏終了後、舞台袖では自分の楽器を求めて大交換会になりました。良い迷惑でしたね・・・

大小ありますが、結構ハプニングは付き物です。おまけのつもりでハプニング探ししてみてください。

      ハプニング募集!
演奏中に体験したハプニング募集します。順次公開していきますのでお楽しみに!

                                        






2007年2月4日(日)
ピアノとの相性

日頃、チューニングはチューナー442KhzかピアノのAにA線を合わせてから他の弦を自分の耳に頼ってチューニングしています。ヴァイオリンはじめ弦楽器はこの方法がもっともスタンダードでしょう。

先日、まだ初心者の生徒さんが曲を弾いている最中、どうしても音程が合わないので、どうしたのかと尋ねてみたところ、家でチューナーを見ながら音階や曲を練習していたのだそうです。

いわゆる半音が離れすぎてしまい、どうしても耳に馴染めません。チューナーに合わせて練習しているたのに、こんな事ってあるものなのでしょうか・・・

弦楽器は純正律の楽器です。その為だと思われますが、耳でチューニングしたあとチューナーで確認するとG線ではチューナーの針が低く指します。

オーケストラはオーボエの出すAの音に楽団全員が合わせてチューニングしますし、弦楽器のアンサンブルではコンサートマスターの出すA線の音に弦楽器全員がA線を合わせた後他の弦を耳に頼ってチューニングします。

弦楽器や管楽器とアンサンブルをしている時はハーモニーが上手に重なるととても心地よい響きを感じますが、ピアノと合わせている時は、知らず知らずのうちにピアノの音程に自分を合わせている事に気づきますし、何となく型にはめられている様な居心地の悪さも感じることがあります。(だからってピアノと合わせる事が嫌いなわけではありません)
レッスンでは音がとり易い、音を表し易い点からピアノで音程を示してはいますが、平均率で調律してあるピアノとの違いを感じます。
厳密に言うと、ピアノとアンサンブルする時は、各弦をピアノの音程に合わせる必要があるのかもしれません。

それぞれの楽器の特性を生かし、理解して演奏していくことが大切だと思います。

2007年1月30日(火)
Virtual Lesson 10 テキスト選び

良く使われる国内版のテキストを比較してみると、進度による採用の前後はあるものの、どのテキストも指導曲は同じような曲が使われていて、そういった意味では、どのテキストを使っても大差はないと思われます。テキスト選びに迷っているのなら、教わっている先生にお任せしてもかまわないでしょう。

ある程度、楽譜が読めるようになり、ポジションも少し変えられる位になったら、自分の弾きたい小品などを見つけてみるのは良い事だと思います。ヴァイオリン人気の高まりと共に、「3rd ポジションで弾ける小品集」とか、「○○ヴァイオリニストCD収録曲集」「ポピュラーヴァイオリン曲集」などなど、ミュージックショップの楽譜コーナーに行くと、様々な楽譜が売られていて、迷ってしまいます。

自分の憧れの曲を弾けるようになりたいという願望は良く分かりますし、その曲を目標にして日々練習するのは励みになります。

ただ、そういった自分の好きな曲ばかりに走らないように!テキストで練習することも必要です。

譜読みやポジション移動が身に付いた頃、大概のテキストはバロック時代から順を追って指導曲を使用しています。これは、各時代によってその時代なりの弓使いを習得させるためです。

ビバルディ、バッハ、ヘンデル、モーツァルト・・・それぞれにその時代の弾き方があって、それをマスターすることによってより柔軟に弓を操れるようになれるわけです。特に、メロディが重要視され、弓使いの多様化が進むロマン派以降の作品を演奏するには、それ以前のボーイングを心得ていると表現し易くなります。

テキスト中の指導曲でマスターしきれていないように感じたら、同年代の作品で同レベルの曲を取り上げてみるのも良いと思います。

更にカイザーなどの練習曲集を併用して、着実に1歩ずつ腕に磨きをかけていきましょう。

節目節目でお気に入りの曲を弾いてみると、自分の上達具合が実感できる事でしょう。


チャイコフスキー&プロコフィエフ:ロメオとジュリエット
BMG JAPAN B00005EHQ4
2007年1月25日(木)
My Favorite!
クラシックとは思えないお洒落なジャケットでしょう?
ジャケットに惹かれていわゆる「ジャケ買い」をしてしまった1枚です。

ディスクを取り出すと、そこにはイケメン、ガッティのモノクロ写真がこちらに向かって微笑んでいます。

内容は、プロコフィエフのバレー音楽「ロメオとジュリエット」から物語と登場人物に合わせてガッティ自身が組み曲風に選曲した9曲(そう言えば1曲目の「モンタギュー家とキャピュレット家」は人気ドラマ「のだめカンタービレ」の“ミルヒーのテーマ”に使われていましたね)と、チャイコフスキーの幻想序曲「ロメオとジュリエット」。

ひらめきと感覚で演奏を組み立てていくガッティにはもってこいの題材かもしれません。ロイヤルフィルの演奏も、時に熱く、時に切なく・・・物語を盛り立てます。

世界一有名な悲劇の恋人達の世界にどっぷりです。
2007年1月18日(木)
我が母校

「千の風になって」素晴らしい曲ですね。

私のお墓の前で 泣かないでください
そこに私はいません 眠ってなんかいません
千の風に
千の風になって
あの大きな空を
吹きわたっています・・・

去年の大晦日、NHK紅白歌合戦でこの歌をはじめて聴いたとき、私は不覚にも涙が溢れてきました。

秋川雅史さんの優しくて張りのあるテノールに乗ってこの詩が流れると、何だかとっても癒されます。

プロフィールを拝見すると、お年から言って私と同じ時期に大学に在籍していらしたようです。学年は違うのですが、私は学生時代、積極的に学内演奏会などに参加していましたから、どこかでお会いしていたかもしれません。

同じ出身校の方が頑張っていらっしゃるのは励みになります。
どこの大学もそうかもしれませんが、私の場合、初めて参加するオーケストラやアンサンブルで、出身校が同じ方と一緒になると、例え時期はかぶっていなくても、それだけで話が弾んで、気が和みます。

出身校の繋がりは強くて、そんな時「国音出身でよかった」と思えます。

それにしても、「こくりつ音楽大学」って紹介されることが多々あります。NHKの紅白歌合戦でも司会者が誤って紹介していましたし、今日たまたま見ていた民放でも「こくりつ」って言っていました。

私自身もプロフィール紹介で間違えられることが何度もあります。

紛らわしい読み方ではありますが「くにたち」です!(第一、こくりつ音楽大学なんて、日本には存在しません)

プロフィール、正確に伝えてくださいね。

              
              千の風になって

2007年1月13日(土)
ヴァイオリン

ヴァイオリンは「ヴァイオリン属」という弦楽器の仲間です。
「ヴァイオリン属」には他にヴィオラ、チェロ、コントラバスが属します。

楽器の仕組みはいたってシンプルです。
まず、右手には弓を持ちます。弓には白馬の尻尾の毛が張ってあります。

楽器本体は弦が4本張ってあり、弦はおよそ中央部分で「駒」と呼ばれるブリッジによって支えられています。

表板には左右対称にアルファベットの“f”を模した形の響穴が開いています。この穴は「f字穴」と呼ばれています。

余談になりますが、古楽器の弦楽器の
響穴はC字型のものもあったそうですが、16〜18世紀にかけてイタリア、クレモナのヴァイオリン工房「アマティ家」によってf字型に統一されました。
            

胴体部分は空洞になっていますが、内部には表板と裏板に挟まれるように「魂柱」という木片が立っています。

弓で弦をこすることによってその振動が駒→表板→魂柱→裏板と伝わっていき、空洞になった胴体部分の内部で共鳴し、f字穴から音となって流れ出るのです。

ヴァイオリンが登場したのは16世紀。その後、17〜18世紀にクレモナの製作者、アマティ、ストラディヴァリ、ヴァルネリらによって完成されました。

以来およそ500年の間、進化をしていませんし、未だに彼らの作品が名器とされています。
                      
                  (1月12日高齢者学級レクチャーコンサートより)

2007年1月3日(水)
明けましておめでとうございます





















Joseph-
Maurice Ravel

1875〜1937
HPを開設してやっと半年が経ちました。
PC初心者の私にとって分からないことだらけで、最初の1ページを公開するまでは試行錯誤の連続でしたが、徐々にページ数も増やすことが出来ました。
特に更新がまちまちながらも「MUSIC DIARY」を続けてこれたのは、読んでくださった方達の応援メッセージに励まされたおかげです。

今年も音楽に関する情報を発信していきたいと思っていますし、新しいページの構想も考えています。これからも宜しくお願いいたします。

新しい年を迎えたところで、このページのBGMをモーリス・ラヴェル作曲/組曲「マ・メール・ロワ」の中の「眠りの森の美女のパヴァーヌ」に変えてみました。

今までエッセイでお話したことはなかったと思いますが、私はラヴェル・フリークです。

彼の音楽から「滅び行くものの儚さと美しさ」を感じてしまうのは私だけでしょうか・・・廃墟となった城、荒野に放置された戦車、ドライフラワーなど、それらは他者によって息を吹き込まれない限り朽ちていく運命にあるのですが、それこそが美だと歌っているように聞こえるのです。

そして、人間の運命も、またそれに重なるのです。

「マ・メール・ロワ」(フランス語で“マザー・グース”)は子供好きなラヴェルが友人の子供のために、童話を題材に書き上げた、もともとは5曲からなるピアノ連弾用の小品集ですが、後にバレー曲として作曲者自身によって編曲され、パリのオペラ座で上演されました。

書き上げられたいきさつや、1曲1曲の可愛らしさ、編曲版の巧みなオーケストレーションなどから20世紀版“くるみ割り人形”だと私は思っています。

生きているうちから名声を博したラヴェルの晩年は悲劇的でした。
交通事故により、記憶障害や文字を書くことができないなどの後遺症が残ってしまい、いくつかの曲の着想を書き留めようとしても一文字も書き進める事が出来なかったと伝えられています。
彼にとってどんなにか無念だったことでしょう。そして望みを託して受けた脳の手術は失敗に終わり、その生涯を閉じたのです。