長崎県で一番美しい道だと思う。
この道が首都圏にあったならば、休日は押し寄せるトレッカーで引きも切らずの状態だろう。

こんな緑のトンネルが延々と続く。
なんと耽美的な道なのだろう。
まるで上質の大人のアミューズメント施設だ。

野鳥が羽ばたく音。
時折行き交う自動車。
そして足元遠くさざめく波の音。

そう、ここは海辺の岸壁を巡るように通された道なのだ。
このシチュエーションがひっそりとあり、独り占めできる贅沢。
奇跡のような場所。長崎はなんていいところなのだろうとつくづく思う。


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この道は島原半島にある。
コースは極めてフラットだ。
ほとんど坂道がなく、忘れたころに「歩いてみるかな」という人にも持って来いだ。
実はこのコースはかつての鉄道跡なのだ。

大正時代、山を掘り起し、穴を穿って、この鉄道が通された。
だから旧式の蒸気機関車でも通れるようフラットに設えてある。

コースには幾つかの短いトンネルもある。
音響く空間にかつての人々の想いが滲んでいる。


もしあなたが美食を求めるなら、とっておきの穴場がある。
コースの中ほどにある木津だ。

たぶん首都圏ならば数万円程の海鮮料理を、桁違いの安さで味わうことができる。

私の知り合いは、東京から指揮者を呼ぶ度にこの場所に案内し驚かせている。


コースの終わりには、湯けむりをあげる小浜温泉が待っている。

たどり着いた宿に泊りゆっくりするもよし、日帰りの温泉に浸かり体を休めるもよし。
美食に温泉そして素晴らしい風景。
全長約10キロ。
あなたが求めるものがすべてそろう大人のトレッキングコースだ。

行き方を説明しよう。

長崎駅前にあるバスセンターから、こんなマニアックなバスに乗る。朝9時発の長崎県営バスの雲仙行き。
しばらくすると湾の向こうに目的地が見え始める。

これがコースのある小半島だ。海沿いの高台にある森を歩く。

トレッキングの出発地(地図上のA地点)である千々石学校前バス停には10時5分に到着する。バス停に隣接してコンビニがある。ここで飲み物などを入手しトイレを済ませよう。

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コースへの入り口までは、上地図をプリントして持っていこう。
もし迷ったら「鉄道跡の道はどこですか」と地元の方にきこう。
いったんコースに入ってからは迷うことはないでの地図はいるまい。


※ 自動車でこのコースを走行するのは前向きにはお勧めしない。離合困難な場所が多く、トンネルで対向車と遭遇すれば絶望的な気持ちになろう。屈曲しているため入口では対向車の状況が把握できないトンネルもある。