中華料理で飲む。


ヤンロン
陽龍

 
 

中華で飲む店だ。



この店の「汁なし坦々麺」は

驚くほどうまい。

始めて食べた時、なんだこれはと思った。

麺類が酒のつまみになる。

およそ坦々麺という言葉から想起する味から

はるか彼方の一品だ。

そんな素晴らしい料理が、入り込んだ路地の

見つけにくい本当に小さな店で供されていることに

長崎の食の世界の奥深さを感じる。

そう、こんな店はちょっとやそっとの街では

存在しえない。

そんな象徴的な店だ。



一方、子ども連れで行こうとは思わない。

いい意味で、中華料理店というよりも、

ねぐらというか、アジトというか、

へっへへ、今夜は飲むぞモードが

部屋の隅々に染み付いているからだ。

中華をつまみに飲みにいく店だ。



長崎はおいしい。

和食もうまいし、洋食もうまい。

もちろん中華もおいしい。

ただし長崎の中華料理店の欠点は、

お店の方々と接しながらゆっくりと

飲み楽しめる店がなかなかないことだ。

この店は、まつを好みの極小空間で

そんな会話が楽しめる店だ。



ご主人の研究熱心さが伝わってくる。

カウンターに立つ奥さんも清楚で

人柄がいい。

店自体も「中華居酒屋」とうたっている。

四方山話を楽しみながら、飲んで喰える。

食べ終えたら追い出されるタイプの店ではない。