コアな長崎の情緒に浸る


諏訪の杜

 
 

奇跡のような店を紹介しよう。



こんな店があればいいなと、長年思っていた。

喧噪遠くあって、

小さく、

客の出入りが少なく、

ところが酒のラインナップが懲りまくり、

そのためには店主は趣味人で、

なおかつその人柄もよく、

はにかみながら笑うことを常として、

BGMにはジャズが流れ、

なおかつ激安の角打ちを供している酒屋。

あったらいいな、そんな店が、と。

飲み助は長年夢想していた。



で、見つけた。

こんな奇跡のような酒屋を私は知っている。



実はここに書くことを随分ためらった。

隠れ家を曝すことになるからだ。

すぐに場所が分かる。

店の看板には「諏訪の杜」とある。

初めて知ったのは、昼間だった。

それほど置かず夜に出かけた。




諏訪の杜。

ソムリエ指南でいただく日本酒と焼酎の店と思っていい。

一銘柄、一銘柄、愛でて味わえる。

蔵元が趣味の一品といった感じでつくった酒。

甘露をいただく。

それも格安で。

酒屋の一角に、カウンターがあり、

BGMにはジャズが流れている。

おしゃれで温厚な店主が

「このお酒はこのくらい燗を付けた方がいいですんで」

なんぞと調整して酒を出してくれる。

酒の蘊蓄も半端ではない。

出てくる銘柄がすべてうまい。

焼酎もうまい。

みなプレミアム品と言っていい。

けれど店主はいつもはにかんだように微笑んでいる。

つまみは乾きものと名物コンニャク。



遠方からの客人を連れて行きたい。

長崎のいきなりコアなスポットに連れていくということだ。

長崎の聖域、お諏訪神社の階段の途中にこの店はあり、

帰りはほろ酔いで鳥居をくぐっていくことになる。