一品料理いなほ

良心の居酒屋



楚々とある。
誠実を絵に描いたようなご主人が一人。
チャージ料もおとりしてません、とおっしゃる。
料理が出てくるまでに、つまむ料理は
カクウチ店の摘みより安い。
そしてなにより魚がうまい。


この店との出会いは人を介してのものだった。
東京から訪れた人が、ぶらりと中に入った。
魚を食べた。そのおいしさに感動した。
御代を払う段になって、またまた驚いた。
そんな話を別の店で飲みながら話し、
今夜ももう一度行きましょうと言った。
それほどに惚れこんでいた。


そこまでの店ならばと、後日一人で訪ねていった。
店の前まで行って足が止まった。
ビルの路地の奥にある。
入り口前には茶室前の路地のような石が敷いてある。
正直、初めての人には入りづらいかもしれない。
だからここに書く。
だいじょうぶ。いい店です。



カウンターに座りご主人と話しながら、
杯を開ける。
BGMなし。小さなテレビがぽつん。
外の喧騒から完全に遮断され、
ゆったりと静かに時が流れる。
うまい魚を食う。
飲む。
なんということもない話をご主人とする。
派手さはない。誠実さがある。
そしてとても安いと思う。
そんな大人な店だ。

 

 

Plofile まつを

長崎市で通勤生活に身を窶しています。人生を楽しむ。仕事を楽しむ。人に役立つことを楽しむ。座右の銘は荘子の「逍遙遊」。
「よくこんな事をする時間がありますね」とおたずねになる方がいらっしゃいます。こう考えていただければ幸いです。パチンコ好きは「今日は疲れたから、パチンコはやめ」とは思わないもの。寸暇を惜しんでパチンコ玉を回します。テレビ好きも、疲れているときこそテレビをつけるもの。ここにアップしたものは、私が疲れたときテレビのスイッチを押すように作っていったコンテンツです。↓は私の作品たち。