ゆったりと上質な時間に浸る。



グラバー園
 
 

素晴らしかった。

夏季、夜間まで開園されるグラバー園のことだ。



多くの長崎市民と同様、私もグラバー園には

修学旅行以来、出かけたことがなかった。

ひょっとしたら、修学旅行というシチュエーションが

よろしくないのかも知れない。

炎天下で広い園内を汗みどろで歩いた記憶が

トラウマになっているのではないか。

ところがどっこい。出かけてみてびっくりだった。

そこには、実に上質な時間が、ゆったりと流れていた。



まず第2ゲートから入るといい。

エレベーターを使って園の最上部からの入園となり、

後はゆるゆると下り坂を巡ることになる。

園内に点在するライトと洋館が異空間にトリップさせてくれる。

そよぐ風も心地よい。

旧オルト邸の庭はビアガーデンになっている。

まったく混んでいない。

ゴージャスな洋館に灯がともり、少人数の人々が

思い思いに夜の静寂を楽しんでいる。

持ち込み禁止なんぞというケチな規制もなさそうだ。

飲んで談笑し、気が向いたら緑多い庭を散策する。

本物の洋館の前に置かれた重厚な椅子にもたれていると、

いつの間にか見失っていた深い呼吸を

取り戻すことができそうな気さえしてくる。