長崎の奥座敷の料亭「無量庵」のウエブサイトのデザインです(↑クリック)。
このお店には、客がアプローチしづらいという決定的な難点がありました。同じ悩みをかかえてらっしゃるお店は多いものです。魅力的ではあるのに、客に戸を開けてもらうまでに至らない。飲食店であったり、ホテル・旅館であったり、バーであったり、カフェであったり、ブティックであったりと形態は様々であれ、お客が入店までに至らない。そんなお店ですね。
実はそんなお店の経営者はマニアックな方であることが多く、客を選択的に呼び込みたいという思いも強い。この選択性は、実はとても大切なことです。ですから、サイトデザインの際は、この店主が望む客層と、採算を結ぶことがウエッブデザイナーの大きな役割になります。
ポイントは、その店の弱点を魅力として表現すること。弱点を輝かせてみせることができたとき、プロデュースは成功します。
この課題を解決するには多様な方法が考えられますが、私がよく使う方法は物語を紡ぎ出すことです。キーワードは物語性。ウエブ全体の構成、画像、文章を一つに融合させ、クライアントの店舗を大きな物語の中に浸すこと。その物語がクライアントが望む顧客像に的確に訴求力を持つように織り込むこと。現代人は、そこに潜む物語に憧れ、そのお店を訪れます。
無量庵ウエブサイトをご覧いただくと、フラッシュなどを使っていないことがお分かりいただけます。クライアントは往々にしてこうした技術を喜ばれますが、私はお勧めしません。本を読む人も、ウエブを読む人も、ページは自分のペースでめくりたいものなのです。

・ディレクション、ウエブデザイン、コピー:まつを
・写真:松尾順造
・画像提供協力:吉田隆


他は仕事としてのデザインになりますので、私的サイトには掲載割愛。