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満寿屋農園ーリンゴ豆知識   
知って納得
リンゴについて
 りんごの命名  
   りんごの2大品種といえば「ふじ」と「つがる」です。名前が付いたいきさつについてお話ししましょう。
 盛岡市の(独)果樹研究所リンゴ研究拠点には、りんご「ふじ」の原木があります。この原木は育成当時の青森県藤崎町から昭和36年の試験場移転に伴って現在の地に移植されました。病気が入って痛んでおりますが、さすがに威風堂々で、いつまでも元気でいてほしいと願ってやみません。品種名「ふじ」は育成地の藤崎町の藤、富士山の富士から、もう一つ、女優(ミス日本)の山本富士子さんのファンであった育成者の一人の気持ちも入っているとされます。
 もう一つの主力品種「つがる」の場合はちょっと複雑です。青森県りんご試験場の育成で、昭和18年に選抜されました。命名前はゴールデン不明、不明7号、早生ふじなどいくつもの仮名称があり、味がよいことから特に長野県で盛んに増殖され始めました。そんな中で青森県は昭和45年に青り2号と仮命名し、ついで、正式名称を「つがる」とすることに決めました。ところが、すでに青森県の民間品種に「津軽」が使われていたので、その育成者の子孫に名前を譲ってもらうようお願いして了解を得、ひらがなで「つがる」と命名しました。その後、昭和50年7月になって農林省から「すいか」のなかに同名があり、これも果実として流通するため、混乱のおそれがあるから改名するように依頼がありました。さらに、長野県生産者から県等から"命名について広範的見地から検討されたい"旨の要請書が出されました。これに対して青森県は「つがる」がすでに使用され始めていること、青森県生産者はこの名称を望んでいること等から変更する意志がないことを通告し、ようやく昭和50年10月に「つがる」として登録されました。遠いむかし、育種家の永年の努力によって生まれたこれらの品種は、生産者の熱意によって作りこなされ、今でも多くのファンに愛されています。    

 <長野県南信農業試験場資料引用>


 ふじ  「ふじ」は、「国光」と「デリシャス」の交配品種です。収穫は10月下旬からはじまり、12月上旬まで行います。貯蔵性に富み、完熟すると蜜がはいるのが特徴で、贈答用としても喜ばれている品種です。「ふじ」には2種類あり、ひとつは袋を掛けて栽培(有袋栽培)するもの、もう一つは袋を掛けないで栽培(無袋栽培)するものです。太陽(Sun)をたっぷり浴びた「サンふじ」の名称は登録商標となっています。どちらも同じ品種ですが、栽培方法の違いにより区別しています。現在私たちの地区で栽培する「ふじ」はほとんど「サンふじ」となっています。
 つがる 「つがる」は「ゴールデンデリシャス」と「紅玉」の交配から生まれたりんごです。果汁が多く、甘みが強いが、果肉は比較的柔らかい。早生品種で8月中旬から9月上旬に収穫されます。
果樹の受精と果実の生育  
   一般に果樹類が実を結ぶためには、花粉が雌しべの柱頭につき(受粉)、そこで発芽した花粉が花粉管を伸ばし胚珠に到達して一つの精核と卵核が、もう一つの精核と極核が受精(このような仕組みを重複受精といいます)して種子が形成されなければなりません。
 ブドウやモモの品種の多くは、自分の花粉でも受精する自家和合性ですが、リンゴ、ナシ、オウトウ、スモモ、ウメ、クリなどほとんどの品種は自分の花粉では受精しない自家不和合性です。また、一部の品種では他の品種の花粉を受粉しても組み合わせによっては受精しないことがあり、これを交雑不和合性といいます。
 いずれにしても、和合性のある花粉が受粉され受精が完了し種子ができると、果実が成長を始めますが、私たちが食べるところは、リンゴやナシでは成長肥大した子房などを支えている花床部分、モモ、ブドウなどでは成長肥大した子房壁部分、クリやクルミは種子の子葉または胚乳と作物によって異なります。
 果樹栽培では、まずこの結実確保が栽培のスタートとなりますので、人工授粉や訪花昆虫などを利用した受粉が重要となるのです。
 
 <長野県南信農業試験場資料引用>

   
 ふじの蜜入りについて  
   「ふじ」は、成熟すると「蜜」と呼ばれ果心部や果肉部の細胞間隙に液体が満たされ水浸症状(蜜症状)となります。この「蜜」は糖の一種であるソルビトールの含量が高く、甘味はショ糖に比べて少ないものの独特な香りがあり日本では完熟の証拠として好まれています。
 リンゴの光合成産物はショ糖(スクロース)の他にソルビトールの形で果実に転流し、通常は酵素により果糖に転化されますが、何らかの原因で酵素の働きが低下するとそのまま果実に蓄積します。ソルビトールは集水能力が高いほか、ソルビトールの蓄積により浸透圧が高まり一層水を集めますので果実の中心部から透き通った蜜状の状態になります。この蜜は貯蔵中に果実から水分の蒸発とともに消えていきますが、蜜が入りすぎると蜜褐変という障害が出てくることがあります。
 低温はこの蜜入りを促進することが知られていますが、低温のストレスによって起こる寒冷気候に対する適応だとの考え方もあります。
 9〜10月の平均気温と蜜入り指数は相関があり、平均気温が高い年は蜜入り指数は低くなる。
 なお、その他みつ入りに影響を及ぼす要因としては、土壌水分、着果量、収穫時期などもあり、乾燥条件下、多着果、未熟な状態では蜜入りが少なくなります。

  <長野県南信農業試験場資料引用>
 
 果樹の生育と水  
    8月初旬に少し雨が降って以来3週間も全く雨に恵まれずリンゴも元気をなくしていたところ、ようやく地表がわずか湿る程度の雨が夕方来ました。
 果樹にとって水は、食物体構成の圧倒的成分であることに加え、@食物の物質生産の基本である光合成の原料であること、A各種肥料成分を溶かし根からの吸収をスムーズにすることなどの役割があります。
 また、平均的な果樹園で1年間に生産される乾物は、10a当たり約1,400Kgと言われています。乾物1gを生産するのに必要な水を蒸散係数と言いますが、リンゴやナシなどでは    400mlほどですので、10a当たり560tもの水が必要と言うことになります。
 水が不足すると樹体や果実の生育が劣ったり、養分欠乏症が出やすくなるばかりではなく、樹体内の炭水化物、タンパク質、各種無機成分などの貯蔵養分が少なくなり翌年の開花や生育にも悪影響が出ます。

    光合成の反応式

    6CO   +  6HO  + 光エネルギー  →  C12  +  6O
 (二酸化炭素)     (水)                  (炭水化物)    (酸素) 

  <長野県果樹試験場資料引用>
 
リンゴの主生産地
    りんごは世界でも生産量が多い品目で、FAO(国連食糧農業機関)の統計によると、2007年の世界のりんご生産量は6,600万トンで、品目別の生産量ではすいか、バナナ、ぶどうに次ぐ第4位の品目となっています。特に中国では近年急増しており、2,790万トンと世界の4割強の生産量を占めるに至っています。日本では、昭和37年から昭和46年の10年間は100万トンを超え、価格が低迷しました。この時期をピ−クに減少傾向に転じ、現在では70〜90万トンの生産量となっています。日本の生産量(2008年)の世界ランキングはドイツに続く14位と驚くほど少ない事がわかります。
 
 世界の主産国
上位5位 
(2007年) 
  1位  中国 日本の主産県
上位5位 
 (2008年)    
 1位  青森 
 2位  アメリカ  2位  長野 
 3位  イラン   3位  岩手 
 4位  トルコ   4位  山形 
 5位  ロシア   5位  秋田 
 リンゴ3兄弟
   
   長野県では9月下旬から11月上旬に販売されるリンゴの普及に力を入れています。その名を「秋映」「シナノスイート」「シナノゴールド」と言い、リンゴ3兄弟として売り出しています。  
 
 秋映 中野市の小田切さんにより、「千秋」と「つがる」を交配して作られました。
全体が濃い赤色をしており、少し酸味の強いリンゴです。肉質が固く、ぼけにくいのが 特徴の品種です。
     収穫時期  9月下旬〜10月上旬
 シナノスイート 長野県果樹試験場で「ふじ」と「つがる」を交配して作られました。
鮮やかな赤色で、酸味の少ないリンゴです。果汁が多く、果肉が白く歯ごたえの良いで、誰にでも好まれるリンゴです。
     収穫時期  10月上旬〜10月下旬
 シナノゴールド 長野県果樹試験場で「ゴールデンデリシャス」と「千秋」を交配して作られました。
ゴールド(黄色)のリンゴで、酸味と甘みのバランスの良いリンゴです。貯蔵性がよく、  冷蔵では3か月持ちます。
     収穫時期  10月中旬〜11月上旬
 
   期待の新品種シナノリップ  
 

 
リンゴ長果25は長野県果樹試験場が育成した新品種で、「千秋」と「シナノレッド」の交配により生まれました。収穫時期はつがるより10日ほど早く8月中旬には収穫できます。標高の低い地域でも着色が良好で、糖度、酸度ともに「つがる」より高くジューシーで、かつ日持ちもよいと言われています。
現在品種登録申請中で仮称「シナノリップ」
 
 
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