コリドラス・トリリネアータス(C. trilineatus Cope, 1872) コロンビア産
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Locality of C. trilineatus (Colombia) |
Corydoras trilineatus Cope, 1872, Rio Orteguaza, CAS/SU
52596, SL. 40.2 mm.
コロンビア産のトリリネアータス。下記論文より引用。
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コロンビアの「カケタ(Caqueta)県トレス・エスキナス(Tres Esquinas)近郊:カケタ川の支流(Rio
Orteguaza)」で採集されたトリリネアータス(Corydoras trilineatus)については、Nijssen, H. and
Isbrucker, I.J.H. 1983: “Review of the genus Corydoras from Colombia,
with descriptions of two new species (Pisces, Siluriformes, Callichthyidae)”,
Beaufortia, 33 (5): pp. 53-71, esp. 55, fig.
2(下図参照)の論文中で記載されています。ペルーの「アンビアク川」産のタイプ標本(命名の基準とされた模式標本のこと。ここではレクトタイプとパラレクトタイプの計2個体)と、上記コロンビア産の2個体を比較計測した結果、コロンビア産の標本の方が、眼球から吻端までが若干だけ長い傾向があるものの、全般的にはペルー産とほとんど異ならないため同種と判断されています。
下の写真の個体のように、体側中央のジャンクションラインが、スポット状になった個体については、トリリネアータスのタイプ標本に外れます。また、NijssenとIsbruckerが比較をしたコロンビア産の個体標本にも、そのようなカラーパターンを持つ個体について特に記述がありません。従って、正式な種としての名前を持たない未記載種扱いで、表記するとすればCorydoras sp.(コリドラスの1種)ということにしています。
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近隣の量販店レベルで、わずかな数量しか見ていませんが、「コロンビア・ジュリー」という販売名が付けられることがあるコリドラスの中には、ジャンクションラインが明瞭に入るような個体群があると同時に、上掲写真のような模様を持つ個体も含まれるようです。商業ルートでの輸入の場合、正確な採集地は分からないことが多く、同じ販売名・流通名だとしても、多少なりとも違う場所で採集されていることもあると思われます。現地において、ジャンクション部分がラインになる個体群とスポットになる個体が混生しているのかどうかは知りませんが、時には同一入荷で販売されている中に、上掲写真のようなタイプが数十匹以上まとまって見られることもありました。これが割合として「珍しい」と言えるのか否かというのは私的に分かりませんので、ご判断はおまかせいたします。
(2006年2月10日, TA)
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