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訃報・合田牧師逝く

10月5日午前4時頃、東大阪源氏ヶ丘教会の牧師合田悟さんが亡くなられました。
 合田さんが直腸ガンで入院され「相当重症」と聞き、東大阪の三里塚闘争関係のメンバー6人で先月18日、市立総合病院にお見舞に行きました。合田さんは思ったより元気で、顔色も話しぶりも普段と変わらず、ほっとしました。
 医師に聞くと、もう八年ほど前からガンに侵されていたそうで、合田さん本人は全く気付かなかったし、元来病気とは縁のない人だった。ところが、奥さんの「介護疲れ」で身体の変調があり、診断の結果ガンであることが分かり入院された。
 合田さんは「八年も前からという、のんびりしたガンですから」と、まだまだ大丈夫という口ぶりでしたので、見舞いに行った私たちはとりあえず安心しました。容態の急変だったのでしょうか残念ながら亡くなられました。享年76歳でした。

 合田さんは1932年大阪西成区で5人兄弟の3男として生まれ、小学2年のときお父さんが亡くなられた。お母さんがクリスチャンであった影響もあり、15歳のとき自ら洗礼をうけられた。
 私たちが合田さんと出会ったのは「靖国国営化」の動きのなかで、反戦青年委員会や反安保キリスト者連合、ベ平連など東大阪の地域の青年たちで始めて靖国国営反対のデモを行った頃でした。その後三里塚の戸村さんが参院選挙出馬の頃、連帯する会が発足し、私たちは教会を会議に使わしてもらいましたし、合田さんも同じ牧師として戸村さんと親交があったようです。更にそれは開港阻止闘争で東大阪から市職員ら三人の逮捕救援・裁判闘争につながります。
 一方、東大阪出身の韓国留学生数人がスパイ容疑をかけられ拘束、これらの釈放運動に高校同級生が奔走しますが、合田さんはこれら市民運動の中心になって活躍されます。また、東大阪は大阪生野区についで、在日韓国・朝鮮人の多いところであり、様々な差別に行政側との交渉など革新市議らと共に進め、かつての「反入管連絡会議」は現在でも東大阪日韓問題を考える会として活動をすすめています。
 軍政下の韓国では「要注意人物」とされ、合田さんが渡韓して拘束され大騒ぎになったこともあります。また、韓国からの「密航者支援」も知られざる合田さんの活動の一面です。韓国民団系や総連系の人たち、中国その他在日外国人の交流の国際フェスティバルは毎年11月3日に布施の公園で恒例化しました。このほか公害が問題となった80年代から洗剤追放「石けんの会」など、合田さんは様々な市民運動の「元締め」を務めてこられました。教会は「自由メソジスト」、事情はわかりませんが、この宗派の改革にも奔走されたようです。また教会として何か事業をされているわけでもなく、経済的には大変だったようで、保険外交員などされていたようでした。

 僕はクリスチャンではありませんが、もし僕が死んだら合田さんに葬式やって貰おうか、など思っていましたが残念でなりません。毎年クリスマスパーティの案内がきますが一度行ったことがあります。在日の子供がいっぱいでした。かつてスパイ容疑をかけられた「留学生」たちが親となり、その子供たちでしょう。ひとことで言って、合田さんの生涯は、在日外国人差別に抗し、その権利擁護に捧げた生涯と言っていいでしょう。

2008.10.6 W

反戦・反基地ブログ