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陸自演習図紛失、またも隠蔽体質

 昨年2月に陸自伊丹駐屯地で行われた、日米共同方面隊指揮所演習(通称ヤマサクラ51)の際に、図上演習配置図などを示すコンピューターメモリーを紛失していたことが分かった。7月1日の関西版夕刊各紙はこれらを報道した。
◆日米演習図を紛失 陸自中部総監米に伝えず(毎日)
◆演習データー盗難 米参加 陸自、容疑者一慰逮捕(朝日)
◆日米関連情報盗難 記憶媒体 陸自、公表せず(読売)
◆日米共同演習 部隊配置図データー紛失 陸自総監部(産経)
 毎日新聞は翌日「クローズアップ」として大きくとりあげ、「制服・背広組 情報の壁 防衛省 根深い隠蔽体質」とした。
 事件は図上演習のヘリや戦車の配置図などの記憶メモリーが、現金二千円と共に紛失した。追求の結果、調査部所属一尉による窃盗だったことが分かったが「メモリーはゴミ箱に捨てた」といい行方不明。これらについて総監部は窃盗事件としてのみ報告し、メモリーの内容はさほど重要でないとして「情報紛失」の一件は伏せられたままだった。
 先にインド洋給油活動を巡り、海自は80万ガロンだったものを20万ガロンとのみ報告、誤りの訂正報告を政府にしなかった。あれほど国会でも問題になりながら、相変わらずの制服の隠蔽体質は変わっていない。特に今回は陸自制服組トップの折木良一陸幕長の中部方面総監在任の時に起きた事件で責任重大、もみ消し関与を疑われても仕方ない。一方背広組は「それほど重要でないとするなら何故早く明らかにしなかったのか」と、両者は「水と油」だという。

 2000年1月にも伊丹駐屯地で日米方面隊指揮所演習(ヤマサクラ37)がおこなわれたが、この時米軍公式ホームページで演習のシナリオが公表された。これに対し陸自は抗議し撤回させた。下関に上陸した敵軍団に自衛隊は応戦するが後退、岡山あたりで米軍の応援でやっと殲滅といった内容。週刊誌でもこれを掲載、軍事評論家は秘密にするほどもない、他愛もないシナリオと酷評する。こうしたトラウマのせいか、昨年の指揮所演習ヤマサクラ51(日米4800人)では徹底した秘密主義だった。
 中部方面隊ホームページ以外の写真禁止、米兵外出を制限するための駐屯地内コンビニの開店、地元自治体への協力や説明なしなど、前回のヤマサクラとは全くの変わりようであった。

 日米共同方面隊指揮所演習は全国五つの方面隊が順番に行うが、今年度は朝霞など東部方面隊で行われる。その前段ともいえるハワイでの指揮所演習は7月11日から行われる。このほか米陸軍との実動演習が北部および、西部方面隊。米海兵隊との実動演習が東北および、中部方面隊で行われる。4月に陸幕が公表、具体的な時期・規模などは不明だが今年度内には行われる。中部方面の場合、日米共同演習は主としてあいば野演習場で行われるが、そのあいば野ミサイル基地には、来年2月ミサイルPAC3が配備される。
                        
08/07/03 W



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