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◆小池防衛相の、震災支援労組妨害発言

 小池防衛相は26日青森の演説会で、95年阪神大震災の際アメリカの艦船が支援のため神戸港に入港しようとしたところ、「港湾労組が厳しいため、なかなか着岸できなかった」と述べた。これに対し全国港湾労協事務局は「入港に反対した事実はない」とし防衛省に発言内容をただした。
 阪神大震災では複数報道機関が「救援物資を積んだ護衛艦の荷揚げを港湾労組が拒否した」と伝えたが、直後に訂正した経緯がある。
 小池事務所側は「いわゆる非核神戸方式を念頭においた発言」と説明し、防衛省報道室は「当事者でないのでコメントする立場でない」としている。

※以上が毎日新聞(2007.7.26) 太田圭介記者署名の記事概要である。
 その後27日、全国港湾労協は「根拠が不明な不当ないいがかり」と防衛相の事務所に提出し発言の撤回と謝罪を求めた。抗議文によれば、当時労組は2交代24時間体制で救援物資荷揚げ作業を行っていた。商船も自衛艦も区別なく対応しており、「米艦船が入港しようとした事実はない」としている。※同7.27日記事の概要

●ことの真相はどこにあるか
 アメリカからの救援物資は米軍輸送機が伊丹空港に着陸し、現地に届けられた事実はあるが、港湾労協もいうように、米艦船が神戸港に入港しようとした事実はなかった。しかし、「護衛艦の物資荷揚げを労組が拒否した」という報道はあったが誤報であった。新聞各社は当時の新聞縮小版を発行しており、報道のあったとする日付の記事を探したが、削除されるかして、そんな記事は見つからなかった。

 大阪港から飲料水を積んだ護衛艦が、神戸港第2突堤に着岸したものの、それを運ぶ手段の給水車がなかった。連絡不足か何か原因はわからないが、やむなく引き返したということがあったようだ。恐らくこのことが「労組が荷揚げ拒否した」と誤り伝えられたのではなかろうかと思われる。こんなニュースに素早く飛びつくのは自衛隊OBのサイトとか、ウヨクサイトであり、たちまち尾ひれがついてひろがるわけである。姫路の自衛隊が現地に着くのが遅かったのは、神戸市が要請をさぼっていたとか、村山政権の対応の遅さなど、システム自体の欠陥は格好のバッシング材料となった。小池防衛相も、当時の右翼サイトのことが頭のどこかにあったのかもしれない。

07/07/28 W
反戦・反基地ブログ