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松井大阪市長への日本軍「慰安婦」問題への暴言に抗議

松井一郎大阪市長

日本軍「慰安婦」問題への暴言に抗議し、謝罪と撤回を求めます!

 「平和の少女像」が展示された国際芸術祭あいちトリエンナーレ2019の企画展「表現の不自由展・その後」が、開幕後3日目の8月3日、実行委員会(実行委)によって中止されました。実行委会長の大村愛知県知事はその理由を、「テロ予告や脅迫電話などがあり、安心して見てもらうことが難しいから」と述べていますが、脅迫は犯罪です。私たちは、自分の意見や考えと違うからといって、言葉であっても暴力を使って封じようとすることには反対です。
また、今回の企画展に対しては、菅官房長官が補助金交付の再検討に言及するなど公的立場にある政治家たちが中止の圧力を平然とかけています。こうした行為が脅迫電話などをエスカレートさせることにもつながったのではないでしょうか。私たちは、とりわけ、松井一郎大阪市長の日本軍「慰安婦」問題に対する暴言に抗議します。

8月2日、実行委会長代理の河村たかし名古屋市長は「表現の不自由展・その後」展を視察し、「どう
考えても日本国民の心を踏みにじるものだ。税金を使ってやるべきものではない」と、驚くべき発言を行い、その後、会長の大村知事に対し、展示の中止を求めたと大きく報じられました。河村市長にそのような行動を促したのは、松井大阪市長です。8月1日、松井市長はツイッターに「にわかに信じがたい!河村市長に確かめてみよう」と電話連絡をした様子を書いています。
 そして、松井市長は8月2日、「われわれの先祖がけだもの的に取り扱われるような展示物を、国民の税で展示されるのは違う」と、市役所内で語っています。さらに8月5日の会見で、展示内容について「事実ではない、デマの象徴の慰安婦像」「日本人をさげすみ、おとしいれる展示」「表現の自由とは言え、事実とかけ離れた単なる誹謗中傷的な作品」と言い、「慰安婦」問題については、「完全なデマ」「朝日新聞が誤報だったと謝罪した」「軍の関与で強制連行された慰安婦はいない」「あの慰安婦像は強制連行され、拉致・監禁されて性奴隷として扱われた慰安婦を象徴するものだからデマだ」などと、言いたい放題でした。記者に「平和の少女像」だと指摘されると、「名称を変えただけ。何とでも言える」「日本人を侮蔑する像の一つであり、日本人が拉致・監禁して性奴隷にしたというデマを象徴する像に変わりはない」と言い捨てています。
 一方で「河村氏も日本の軍だけが慰安婦制度をやっていたわけではなく、戦時下の女性の人権侵害だという思いを持っている」とも述べています。まさに戦時下の女性に対する性暴力、人権侵害を繰り返させないために被害者は名乗り出たのであり、「平和の少女像」は戦時性暴力の凄惨な歴史を記憶し、繰り返させないという被害者らの意志を象徴するものです。「平和の少女像」に投げつけられた侮蔑の言葉や「他国もやっている」と正当化する姿勢は歴史に向き合い、女性の人権を願う態度からはかけ離れたものです。

 日本維新の会に所属する大阪市長は、2012年8月以降、「慰安婦」問題に関して暴言を続けています。橋下徹元大阪市長は、「慰安婦制度が必要なのはだれだってわかる」、「沖縄の米軍司令官に、もっと風俗を活用するよう勧めた」などと発言し、国際社会から大きな非難を浴びました。吉村洋文現大阪府知事も、市長であった2018年9月、女性の人権を祈念するメモリアル碑設置と公有化に抗議して姉妹都市関係を一方的に解消しました。今回も自らの姿勢を顧みることなく、「平和の少女像」を「反日プロパガンダ」として、大村知事に辞任を求めるなど恥ずべき発言を公然と行っています。
松井一郎市長にも、すみやかに暴言を撤回し、日本軍「慰安婦」被害者に謝罪することを求めます。

2019年8月7日

 日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク





毎日新聞 2019.8.10

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