天皇は「元首」憲法明記 自民原案、国旗国歌「表象」
(産経新聞より)
自民党の憲法改正原案の概要が24日、分かった。現行憲法で「象徴」とする天皇 を「元首」と位置付け、国旗国歌は「表象」と明記。武力攻撃や災害などに対処する ため首相の権限を強化する「緊急事態条項」を創設した。また、地域政党「大阪維新 の会」代表の橋下徹大阪市長は24日、自身のツイッター上で憲法9条改正の是非に ついて、2年間国民的議論を行った上で国民投票で決定すべきだとの私見を明らかに した。次期衆院選の公約となる「維新八策」に盛り込む。憲法改正問題は衆院選の争 点となりそうだ。
自民党は28日の憲法改正推進本部(保利耕輔本部長)の役員会で原案を決定す る。原案では現行憲法に少ないとされる日本らしさを明確にするため、天皇を「元 首」とし、これまでなかった国旗国歌と元号に関する規定も盛り込む。
武力攻撃や大規模自然災害を「緊急事態」と定義し、国会の事後承認により首相の 判断で財政出動を行うことができるとするなど、首相の権限を大幅に強化。国民の私 的権利の制限も規定する。
現行9条の「戦争放棄」については維持するが、自衛隊を「自衛軍」として明確に 軍と位置付ける。日本の周辺海域への中国の進出などを受けて「自衛軍」の役割に領 土領海の保全を加える。
現行解釈では憲法上保持するものの行使は許されないとしている集団的自衛権の行 使を容認する一方、軍事裁判所の設置も盛り込む。
また、外国人参政権を容認せず、選挙権については日本国籍を有する成人として 「国籍条項」を設ける。在外邦人の保護や犯罪被害者家族に配慮する規定も取り入れ る。
現行憲法で衆参各議院の3分の2以上とする憲法改正の発議要件は「2分の1以 上」に緩和。改正は国民投票により、有効投票の過半数をもって行うとした。
推進本部の議論を経てサンフランシスコ講和条約発効から60周年の4月28日ま でに改正案をまとめる。
2012.02.27 H
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