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自衛隊の南スーダン派遣および日米共同軍事演習(ヤマサクラ61)に関する申し入れ

内閣総理大臣 野田佳彦 殿
防衛大臣   田中直紀 殿

 南スーダンへの自衛隊PKO派遣が1月11日開始されたが、私たちはこれに
反対する。これまで言われてきた「PKO参加5原則」を巡っても、これを満た
していない問題がある。「南スーダン3000人死亡 民族衝突、独立後最悪」
と言った新聞記事があるように、自衛隊派遣先のジュバから離れていても民族紛
争は終わってといえない。
 自衛隊は今回、小銃297丁、機関銃5丁など武器を携行しているが、これに
伴う「武器使用基準の緩和・見直し」が与党内でも叫ばれており、紛争の波及拡
大は遠からず「見直し」が現実化する恐れがある。国際紛争の解決に武力行使は
憲法9条で禁じており、そうなれば憲法改悪にかかわる重大問題である。現地で
のNGOの活躍も伝えられ、日本は非軍事による貢献に徹底すべきである。
 今回の自衛隊派遣は、中国を牽制するアメリカの強い要望に基づくものとされ
ている。中国は早くから石油その他の資源をめぐり、スーダンでの権益確保に進
出してきた。こうした権益をめぐる米・中のせめぎ合いの中、日本もそれらに便
乗しようとするのが今回の自衛隊派遣の構図であろう。

 アジアにおけるアメリカの新戦略「中国囲み込み」が進行している。1月24日
から日米共同方面隊指揮所演習(ヤマサクラ61)が約半月間、伊丹駐屯地で行われ
る。同演習は1982年に始まり30年間継続され、冷戦時代のソ連脅威、北方重視か
ら中国脅威、西方重視にシフトされ、次第に規模は拡大され今日では日米双方で
6千人規模となり、新たに米海兵隊配備が予定される豪陸軍も参加する。
 今回のシナリオでは中国と北朝鮮と想定される連合軍が本州に上陸、大阪を占
領というシミュレーションである。「防衛計画の大綱」ではこのような「侵攻の
可能性は低い」とされており、これらに逸脱、非現実のものである。
 日本はアメリカを上回る中国輸出国であり、仮装敵として特定することは問題
がある。アメリカ主導のこのような図上演習といえども止めるべきである。武力
による威嚇や交戦は憲法9条で禁じており、問題があれば根気強く話し合いで解
決すべきであろう。沖縄の新基地建設に関する問題にしても、唯々諾々とアメリ
カの意向に追随・屈服していたのでは問題は一向に解決しない。
 以上二つの問題に関し私たちはこれらに反対し、政府に要望し申し入れるもの
である。

2012年1月29日  関西共同行動  代表 中北龍太郎

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