| 防衛大臣、首相への抗議・申し入れ 総理大臣野田佳彦殿 防衛大臣一川保夫殿 私たちは、日本中の心が３月１１日に発生した東日本大震災と福島原発事故に集中している中で、貴政府が普天間基地へのオスプレイ配備、日米合意に基づく辺野古新基地建設など沖縄での米軍基地強化、日米軍事同盟体制の強化や自衛隊の実戦配備を強引に推し進めようとしていることに強く抗議します。 ９月２７日の日米首脳会談で、野田首相はオバマ大統領に「日米合意は少なくとも沖縄の大きな負担軽減につながるものと考えている」と答弁し、強引に辺野古新基地建設を進めようとしています。沖縄では、仲井真知事も「普天間基地の辺野古移設は不可能であり反対だ」と明言しているとおり、全県民が強く反対しているにもかかわらず、野田首相は、川端沖縄担当相､玄葉外相、一川防衛相など政府要人を次々と送り込み、辺野古新基地建設承認を強要し、あろう事か環境影響評価（アセスメント）の年内提出さえ公言しています。 私たちは、辺野古基地建設のためのアセスメントの沖縄県への提出を直ちにとりやめることを強く要請します。沖縄県行政、議会、県民がこぞって反対する米軍再編のための日米合意と「普天間基地の辺野古への移設」の計画を破棄しとりやめることを求めます。 ２００９年、米海兵隊が「２０１２年１０月に垂直離着陸機ＭＶ２２オスプレイを普天間基地に配備する」と発表しました。これまでは貴政府、防衛省はこの件で事態を曖昧にしながら、今回の辺野古のアセスメントの提出の中では「オスプレイの騒音は防音対策を必要とする環境基準を下回る」と結論づけ､普天間にも辺野古にもオスプレイの配備があることを前提にしています。 これまでも墜落など事故が多発するなど最も危険で、過酷な爆音を発することが世界的な常識になっているオスプレイに対する貴政府のこの評価に強い怒りを表明します。人口密集地帯の普天間基地だけでなく、岩国にもどこにもオスプレイを配備することのないよう強く申し入れます。 日米両政府は震災直後に、「トモダチ作戦」と称して被災地での救援活動に名を借りた日米合同作戦を初めて実行しました。日本全体、いやアジアや世界の人びとが震災と原発事故に心を痛め、被災者に心を寄せている中で、どさくさに紛れて、救援に名を借りて、演習を越えた共同作戦・実戦を行いました。こうした戦争への道を掃き清めようとする日本政府とアメリカ政府・米軍当局に怒りを込めて抗議します。また、反中国感情をあおりながら自衛隊の南西諸島への配備を強行していることにも抗議します。 私たちは、１１月２８日、田中聡沖縄防衛局長が、日本政府が辺野古新基地建設のアセスメントの提出時期を明言していないことをめぐり「犯す前に、犯しますよと言いますか」と、女性と沖縄県民への差別と侮蔑に満ちた発言をしたことに強く抗議します。さらにこの件に関する発言で、一川防衛大臣は９５年の沖縄での米兵による少女暴行事件を「少女乱交事件」と発言したり、国会答弁でこの事件を「詳しくは知らない」と平然と言ってのけました。こうした局長や大臣が沖縄や防衛問題に関わることがあってはならないことです。これはただ一防衛局長や防衛大臣の問題ではなく政府や防衛省の沖縄や女性に対する無関心や深い差別意識の表れです。心からの反省と抜本的対応を求め、責任をとるよう要求します。 沖縄をはじめ米軍基地周辺では米軍人・軍属による事件が多発しています。その対応をめぐっては、日本政府や警察、司法当局の、被害者や家族の軽視・無視と､米軍への手厚い配慮ばかりが目立ちます。 １１月２４日に、「米軍属が公務中に起こした事件・事故について、米側の同意があればという条件付きで、日本で裁判を行うことができる」という日米地位協定の運用の見直しに関する日米両政府の合意事項が発表されました。この合意に基づき､沖縄で今年１月に引き起こされた事件では加害米軍属の日本での裁判が行われることになりました。しかし、昨年１１月の岩国市での米軍属による事故では､日本での裁判を求める遺族の要求は拒否され、不起訴相当にされました。 岩国市民は、この決定を不当とし、日本の司法で裁くことや日米地位協定の抜本的改正を求めるています。私たちは、岩国市民のこの要求を支持し、この要求が沖縄県民をはじめ全国の米軍基地をかかえる地方・地域の人たちの要求であると確信し、日本政府・防衛相にその実現のための全面的な努力を要求します。 ２０１１年１２月２６日 沖縄とともに基地撤去をめざす関西連絡会 関西共同行動 しないさせない戦争協力関西ネットワーク 米軍犯罪被害者救援センター 辺野古に基地を絶対つくらせない大阪行動 |
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