「わだつみのこえ永遠に」
8月5日深夜、毎日系テレビ番組「わだつみのこえ永遠に」を見た。(再放送か再々放 送かと思われる、約一時間の番組。) 「きけわだつみのこえ」編者中村克郎さんの集めた資料を展示する「わだつみ平和文 庫」(中村徳郎・克郎記念館)が2008年10月に甲州市塩山に開設された。約10万点にのぼ るこれらの資料は、長女中村はるねさん(東京で産婦人科医師)や小林是綱さん(僧侶、 元図書館長)や学生ボランティアが3年かかりで整理、中村医院を改装した「わだつみ平 和文庫」に収納・開設した。 克郎さんは徳郎さんとの最後の面会で密かにノートを託され、これが戦没学生手記 「きけわだつみのこえ」編集の原点となる。読書家兄の最後の言葉として「岩波文庫だ けは全部買っておいてくれ」と頼まれ、以後克郎さんは岩波文庫を買い集め、それは戦 後も続き岩波文庫ほぼ全部といわれる。このほか克郎さんの蔵書や集めた図書、 雑誌、リーフレットなど5万点以上が展示され、このほか徳郎さんの遺品コーナーも展 示される。 克郎さんは99年事故で寝たきりとなり認知症もすすんでいるが、はるねさんが「わだ つみのこえ」示すとうなずく。文庫開設を知らせると涙を流し「ありがとう」と珍しく 答えた。一昨年11月には京都国際平和ミュージアムでは、今回放映のドキュメンタリー が上映され、中村はるねさんがや東ちずるさんらがゲストに呼ばれ「わだつみ不戦の集 い」が開催されている。
中村克郎さんには「わだつみ会』理事長を無理矢理に辞めさせられた経緯があり、関 西の古参会員が異議申し立てをしたことがある。その会員たちも今は既に亡い。 克郎さんのその後は気がかりだったが、はるねさんというよき後継者があったことを 知り、ほっとした思いである。
◆わだつみ平和文庫 404-0042
山梨県甲州市塩山上於曹1085 開館、午前10時--午後4時 電話
0553-32--4525
2011.8.7 W
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